各製造拠点での地域貢献活動
日本製鉄は、全国各地に製造拠点等を持ち、地域の皆さまと共にこれを円滑に運営してきた長い歴史があります。各拠点の地域の発展に貢献し、良好な関係性を築きながら当社の事業とともに持続可能な成長を実現するため、「地域の環境保全」「地域のスポーツ・文化支援」「地域の教育支援」を中心とした社会活動を推進しています。緑豊かな街づくりに貢献する植樹活動「郷土(ふるさと)の森づくり」、地域密着型スポーツを通じた社会との一体感醸成、紀尾井ホールを拠点とした芸術文化支援活動、当社の事業戦略の一つでもある「技術先進性の発揮」への貢献にも資する大学での寄付講座の開催等、「地域・社会との共生」という考えの下、特色ある社会貢献活動を展開しています。
各製造拠点での地域貢献活動
地域の森づくり活動への参加
関西製鉄所 尼崎地区では、2006年度から実施されている県民まちなみ緑化事業の新たな制度として新設された「大規模都心緑化事業」の趣旨に賛同し、地元の自治体や、企業、団体、NPO法人とともに「尼崎21世紀の森づくり」活動を行っています。2017年度までに甲子園球場グラウンド部分を超える14,552m2の緑化を行い、また、開所100周年にあわせ、新たに大規模緑化事業も計画しています。
当社はこの取り組みによって、第37回工場緑化推進全国大会において日本緑化センターより「工場緑化の推進に積極的に努力することにより周辺地域の生活環境の向上に顕著な功績のあった工場」として、「日本緑化センター会長奨励賞」を受賞しました。
新入社員による植樹
東日本製鉄所 君津地区では、毎年、環境教育の一環で新入社員による植樹を行っており、2018年度も指導員を含む208名がシイ・カシ・タブ・クスノキなどの常緑広葉樹を植えました。
地域プロジェクトへの参画
地域の環境保全活動への参加
名古屋製鉄所では、2012年以降、学生実行員会、連携企業11社、エコアセット・コンソーシアム、NPO法人日本エコロジスト支援協会による、「命をつなぐPROJECT」活動に参加しています。企業緑地間をつなぐ生態系ネットワークづくりとして、動物が行き来できるようアニマルパスウェイ(通路)を整備したことで、隣接企業との間につくられた通路をタヌキが行き来する姿が定点カメラで捉えられています。また、企業緑地見学会などの体験型イベントを開催し、家族で楽しみながら環境について学んだり、クラフトづくりをする企画を実施してきました。この取り組みに対して、(1)学生と企業・行政が連携して活動していること、(2)複数の広大な企業緑地での生態系ネットワークを創出していること、(3)知多半島での活動がモデルとなり県内外へ活動が広がりつつあることなどが評価され、国立環境研究所・日刊工業新聞社共催、環境省後援の「第46回環境賞審査委員会特別賞」を受賞しました。
副産物活用による貢献
鉄鋼スラグを使った稲づくり
鉄の生産工程で発生する副産物である鉄鋼スラグには、植物の生育を助ける栄養分が含まれているため、稲作・畑作・牧草用の肥料として幅広く利用されています。鉄鋼スラグに含まれるケイ酸は茎を強くまっすぐに伸ばす効果があるため太陽光を受けやすくなり光合成を活発化し、鉄分は根腐れ防止やゴマ葉枯病に効果があります。他にも、リン酸、マンガン、ホウ素などたくさんの肥料成分を含みます。また、当社は、福島県相馬地域において東日本大震災に伴う津波被害農地の除塩対策に取り組む東京農業大学に鉄鋼スラグ肥料を無償提供し、迅速かつ効率的な除塩に極めて有効な方法であることが実証されています。こうして復興した水田には、鳥やカエルなど様々な生物が戻ってくるのです。