ゼロエミッションの社内推進

副産物の発生と最終処分量

鉄の製造工程では、鉄鋼スラグ、ダスト、スラッジ工場排水や下水処理に伴って回収される泥状の副産物、使用済みの耐火レンガ等、鉄を1トンつくるのに約600kgの副産物が発生します。当社では、2020年度に3,334万トンの粗鋼を生産し、2,038万トンの副産物が発生しました。副産物の大半を社内外でリサイクルする等低減努力を行った結果、最終処分量は国の目標に基づく27.6万トンを下回る22.9万トンまで減少し、リサイクル率は99%という高い水準を維持しています。今後に向けては、2025年度最終処分量の目標値を、2020年度目標から更に約1万トンの低減を織り込んだ26.3万トンと定め、引き続き低減に努めていきます。

副産物発生と資源化の推移

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副産物 発生工程 発生量(湿潤重量) 資源化用途 再資源化率
2018年度 2019年度 2020年度 2018年度 2019年度 2020年度
高炉スラグ 高炉で融解された鉄以外の成分 1,216万トン 1,278万トン 1,014万トン 高炉セメント、コンクリート、細骨材、路盤材他 100% 100% 100%
製鋼スラグ 鋼製造時に発生する鋼以外の成分 540万トン 565万トン 439万トン 路盤材、土木資材、肥料他 99% 99% 99%
ダスト 集じん機に捕集された微粉類 317万トン 313万トン 270万トン 所内原料、亜鉛精錬用原料 88% 88% 100%
スラッジ 水処理汚泥、メッキ液処理残さ、道路清掃汚泥 48万トン 43万トン 40万トン 所内原料 100% 100% 89%
石炭灰 石炭焚き発電設備からの燃え殻 50万トン 52万トン 46万トン セメント原料、建設資材 100% 100% 100%
使用済炉材 製鋼設備、炉設備からの耐火物 35万トン 35万トン 27万トン セメント原料、建設資材 76% 81% 64%
その他 スケール、その他 230万トン 207万トン 202万トン 再利用、路盤材等 99% 100% 99%
合計 2,435万トン 2,493万トン 2,038万トン 再利用、路盤材等 99% 99% 99%

日本製鉄のモーダルシフト(単位:%)

副産物のリサイクル率は

99%

日本製鉄の最終処分量の推移(単位:Wet万トン/年)

日本製鉄の最終処分量の推移

鉄鋼スラグのリサイクル

鉄鋼スラグ金属精錬の際に、溶融した金属から分離されて回収される副産物。道路の路盤材やセメントの原料などになる。 は、ほぼ全量が有効利用されています。高炉スラグは約7割が高炉セメント用に使用され、製鋼スラグは路盤材、土木工事用資材、地盤改良材、海域環境改善材、肥料等の用途に利用されています。

高炉スラグを微粉砕し普通ポルトランドセメント水硬化性セメント。シリカ、アルミナ、酸化鉄、石灰を含む原料を焼成したクリンカーに石こうを加え、粉末にしたもの。と混合した高炉セメントは、セメントクリンカ焼成製造工程を省略できるため、製造時のCO2排出量を4割削減でき、長期強度にも優れることから、エコマーク商品として登録されています。鉄鋼スラグ製品は自然砕石採掘削減や、セメント製造時の省エネルギー効果により、グリーン購入法の「特定調達品目国、独立行政法人等が率先して調達を推進すべき品目。」に指定されるとともに、各自治体のリサイクル認定も受けています。

鉄鋼スラグが水と反応して自ら固まる特性を利用したカタマ®SPは、林道・農道等の簡易舗装はもとより、例えばメガソーラパネル設置場所等の防草舗装用として効果を発揮しています。

スラグリサイクルの概念図

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スラグリサイクルの概念図

高炉水砕スラグ

高炉水砕スラグ

製鋼スラグ

製鋼スラグ

製鋼スラグを原料として製造したジオタイザー®は、陸域における軟弱土(建設残土、農地土などの泥土)に混合して利用可能な土に改良することができます。従来の改良材(セメントや石灰など)に比べて粉じんが少なく、CO2排出量を大幅に抑制可能で、安価なため工事費の縮減ができます。改良土は転圧性に優れ、過度に固化せず再掘削性を有しています。

ジオタイザー

ジオタイザー®

製鋼スラグを原料としたカルシア改質材と、浚渫土を混合して製造したカルシア改質土は、海底の深掘れの埋戻し材や浅場・干潟の造成材として利用でき、海域環境の改善に利用されています。また、製鋼スラグと廃木材由来の腐植物質を混合したビバリー®ユニットは、海藻類の生育に必要な鉄分を供給し、磯焼けした海の再生に貢献します。

更に鉄鋼スラグには、植物の生育を助ける栄養分が含まれるため、肥料としても幅広く使われ、農業生産性の向上にも貢献しています。

ジオタイザー®は、粒状体のため、粉じんが少なく扱いが容易です。

ジオタイザー®は粒状体のため、
粉塵が少なく扱いが容易です。

従来の改良材

従来の改良材

日本製鉄の鉄鋼スラグ用途別割合

ダストおよびスラッジのリサイクル

日本製鉄では、鉄の製造工程で発生するダストおよびスラッジを原料として再利用するため、東日本製鉄所 鹿島地区にダスト還元キルン(RC資源循環炉)、君津、広畑、光の各製鉄所に回転炉床式還元炉(RHF)を導入しています。これにより、社内で発生するダストを全量再資源化しています。また、2009年3月には、RHFで、廃棄物処理法の特例である再生利用認定を取得し、社外のダストの処理も可能となっています。

一貫製鉄所ゼロエミッション化技術の開発・実用化(名古屋製鉄所)

高炉などの上工程から製品をつくる下工程まである一貫製鉄所においては、鉄1トンを製造すると、スラグ、ダスト、スラッジなどの副産物が約600kg発生しますが、そのほとんどが社内外でリサイクルされています。しかしながら、スラッジ類は従来リサイクルが困難で埋立処理となっており、そのリサイクル率は低くゼロエミッション推進上の大きな課題となっていました。これに対し、当社の名古屋製鉄所では、以下のリサイクル技術開発・実用化を総合的に進め、ゼロエミッション化を実現し、埋立量削減とスラッジ中鉄分等利用による天然資源使用抑制に貢献しました。

この取組みは2015年に資源循環技術・システム表彰経済産業大臣賞を受賞しています。

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従来 対策
1. 冷延めっき排水処理スラッジの完全リサイクル化 冷延めっきの排水処理スラッジは鉄以外の金属を含むためリサイクル困難 排水系統の分離により鉄と鉄以外の金属の混在を回避し、脱水強化により水分を減らすとともに、鉄源として戻すにあたり配合を最適化することにより、全量リサイクル化
2. 石炭焚発電所の水処理スラッジ発生量の半減および原料化 石炭焚発電所の水処理スラッジはフッ素を多く含むためリサイクル困難 フッ素を含む沈殿物の発生を抑制する処理方法を見つけ、スラッジの発生を抑えるとともにスラッジを鉄源としてリサイクル
3. 含油排水処理スラッジ等の全量燃料化 冷間工程より発生する含油スラッジは一部外部焼却処理を実施 油分を含むスラッジを振動により脱水するとともに他の高熱量廃油と混合することにより、全量を燃料化

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