社会や他産業との連携による取り組み
社会で発生する廃棄物の再資源化促進(廃プラスチック)
当社は、容器包装リサイクル法に基づき一般家庭から回収された廃プラスチックを、コークス炉を使ったケミカルリサイクル法により100%再資源化しています。具体的には、40%を炭化水素油、40%をコークス炉ガス、20%をコークスの一部として活用しており、現在、全国の自治体と連携して全国で回収される量の約3割にあたる年間約20万トンを処理しています。当社のコークス炉を使用したリサイクルは、リサイクル効率が非常に高く処理能力も大きいため、地域におけるサーキュラーエコノミーに寄与しています。近年では、化学繊維や食品トレイも同方法でリサイクルし再資源化しており、更に、2022年度施行のプラスチック資源循環促進法により容器包装プラスチックのみならずプラスチック使用製品の一括回収が開始されたことを受け、当社でも一括回収プラスチックの再資源化を行っています。また今後、増加するプラスチック処理ニーズに応えるべく、処理拡大に向けた技術開発にも鋭意取り組んでいます。
当社の年間約20万トンの廃プラスチックリサイクルのCO2削減効果は年間約60万トンに相当し、これまでの累計処理量(2000~2023年度)の約409万トンの効果はCO2削減量で1,309万トン(東京ドーム約32万個分の面積にあたるスギ人工林の年間CO2吸収量*)となります。
この廃プラスチック活用拡大については、気候変動対策「カーボンニュートラルビジョン2050」の施策にも織り込んでおり、日本経済団体連合会の「循環経済パートナーシップ」にも取り組み事例の一つとして紹介しています。
*スギ人工林1haが1年間に吸収するCO2量は約8.8トン(林野庁HPより)
廃プラスチックリサイクル設備
(九州製鉄所 八幡地区)
コークス炉を使用した廃プラスチック処理体制
※スマートフォンでは、図を拡大してご利用ください。
コークス炉化学原料化法(ケミカルリサイクル)
廃プラスチックの処理状況
一般社団法人 プラスチック循環利用協会の公開データより作成
製鉄所別廃プラスチック処理実績量と全社累計量(単位:千t/年)
鉄鋼業と社会や他産業との資源循環の関係
廃棄貝のリサイクル
東日本製鉄所 君津地区では、近隣の漁業協同組合から排出される産業廃棄物である廃棄貝を鉄鋼生産の原料である石灰石の代替として利用する契約を締結し、2003年4月から利用しています。漁業協同組合の廃棄物量が大量に削減されるとともに、東日本製鉄所 君津地区における石灰石の利用が削減され、循環型の産業システムの構築に貢献しています。
https://www.nipponsteel.com/works/east_nippon/kimitsu/eco/recycle.html