脱炭素技術の海外への移転・普及活動
~エコソリューション~
地球規模でのCO2排出量削減に貢献
日本製鉄は、日本の優れた省エネルギー技術の海外への移転が世界的なCO2排出量削減に効果的であるという認識のもと、世界鉄鋼協会等の多国間、日中・日印の2国間等様々な形で世界的な省エネルギー・環境対策の取り組みに積極的に参画しています。
日本鉄鋼業の優れた省エネルギー技術を途上国の鉄鋼業に普及させることにより、地球規模でのCO2排出量削減に貢献することができます。日本企業が海外で普及に努めた鉄鋼分野での省エネルギー技術のCO2排出量削減効果は、これまでに合計7,555万t-CO2/年に達します。
(万t-CO2/年)
設備基数 | CO2排出量削減効果 | |
CDQ*1 | 137 | 2,873 |
---|---|---|
GTCC*2 | 58 | 2,545 |
TRT*3 | 64 | 1,129 |
転炉OGガス回収 | 22 | 821 |
転炉排熱回収 | 7 | 98 |
転炉OG顕熱回収 | 8 | 90 |
合計 | 296 | 7,555 |
(2021年度)
*1 CDQはすべて日本製鉄グループ(日鉄エンジニアリング等)の実績。
*2 GTCC:高効率ガスタービン複合発電。
*3 TRT:高炉炉頂圧発電。
世界に広がる日本鉄鋼業の省エネルギー技術(各国の数字は設備基数)
※スマートフォンでは、図を拡大してご利用ください。
日本鉄鋼業の省エネ国際協力
当社は日本鉄鋼連盟の中核メンバーとして、日本の優れた環境保全・省エネルギー技術を世界へ展開するため、世界鉄鋼協会環境委員会などでの多国間活動に参加しています。
また、官民連携会合、技術カスタマイズドリスト、製鉄所省エネ診断を三本柱として、インドや東南アジアなど二国間での省エネ・環境国際協力を推進しています。
省エネ国際協力の三本柱
鉄鋼業のエネルギー効率の国際比較(2019年)
出典:「エネルギー効率の国際比較(発電、鉄鋼、セメント部門)」(公財)地球環境産業技術研究機構(RITE)
(和訳・数値記載は日本鉄鋼連盟)
1.官民連携会合
官民連携会合では、途上国に早期に省エネ技術の移転を実現するため、技術カスタマイズドリストや製鉄所診断の結果等を共有し、詳細技術情報やファイナンススキームの紹介等も行います。2022年度までにインドで11回、ASEAN6カ国で15回の会合を行っており、2022年度はインドとの「2022年度日印鉄鋼官民協力会合」と、ASEANとの「AJSIウェビナー2023 カーボンニュートラルへのパスウェイ」をオンライン開催し、省エネ・環境保全対策事例等を共有しました。
2.技術カスタマイズドリスト
各国・地域にふさわしい技術を特定し、詳細技術情報に加え、サプライヤー情報等をまとめた技術カスタマイズドリストをリファレンスとして製鉄所診断を行っています。これまでインドの高炉向けは第5版、電炉向けは第4.2版が公表され、2022年度はASEANの高炉向けは第4.1版、電炉向けは第4.0版にそれぞれ更新されました。
技術カスタマイズドリスト
3.製鉄所省エネ診断
日本鉄鋼業の専門家が製鉄所を訪問し、省エネ技術導入提案や設備の稼働状況に対応した操業改善アドバイス等を行うとともに、国際規格ISO14404を用いて製鉄所省エネ診断を実施しています。2022年度までにインドで14カ所、ASEAN6カ国で16カ所の製鉄所診断を実施しました。
製鉄所省エネ診断
CLIMATE ACTIONメンバーとしての活動
当社は、世界共通の手法で製鉄所のCO2排出量を計算・報告する世界鉄鋼協会のCLIMATE ACTIONのメンバー(データ提供者)として、16年にわたる貢献が認められています。
CLIMATE ACTIONデータ提供者証