日本製鉄の気候変動対応

当社の省エネルギー取り組み状況(エコプロセス)

当社では、副生ガス・排熱の回収による発電をはじめとする製鉄プロセスで発生するエネルギーの有効利用、各工程における操業改善、コークス炉等の老朽設備更新、高効率発電設備・酸素プラントの導入、加熱炉リジェネバーナー化等による省エネルギーに取り組んでいます。

これらの取り組みの成果に加え、2020年度は新型コロナウイルス等の影響による生産量の減少により、エネルギー消費量は896PJと大幅減となりました。また、同様にエネルギー起源CO2排出量も76百万トン(暫定値)と大幅に減少しました。

一方で、省エネルギー施策の効果は着実に発揮されているものの、エネルギー消費を伴う大型集塵機等の環境対策設備の導入による影響に加え、2018年度、2019年度は豪雨・操業トラブルの影響、2020年度は生産減による生産効率の低下等により、原単位は悪化しました。

日本製鉄グループのエネルギー消費量

日本製鉄グループのエネルギー消費量

日本製鉄グループのCO2排出量

日本製鉄グループのCO2排出量

*1 PJ(ペタジュール):P(ペタ)は10の15乗
J(ジュール)はエネルギー、熱量の単位
*2 GJ(ギガジュール):G(ギガ)は10の9乗

<算定方法>
「低炭素社会実行計画」に基づき算定。

<換算係数>
出典: 経済産業省・資源エネルギー庁「エネルギー源別標準発熱量・炭素排出係数一覧表」(2020年1月31日改訂)

<集計範囲>
当社*4・5、関連電炉(大阪製鐵、山陽特殊製鋼、日鉄ステンレス、王子製鉄、東海特殊鋼、日鉄スチール、東京鋼鐵)、並びにサンソセンター3社*6

*3 暫定値:2020年度の一般電気事業者からの購入電力1単位当たりに含まれるCO2の量を2019年度と同じとした場合の数値。
*4 製鉄所が営むIPP事業に係るエネルギー消費量およびCO2排出量は除く。
*5 当社が購入するコークスについて、その製造に要するエネルギー消費量およびCO2排出量を集計に含む。
*6 サンソセンター3社については、当社グループが購入した酸素の製造に要するエネルギー消費量およびCO2排出量を集計に含む。
*7 集計範囲の変更に伴い、過年度におけるエネルギー消費量及びCO2排出量を遡及して修正。

GHGの内訳(トン)

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2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
エネルギー起源CO2 95,298,497 92,978,938 93,661,572 90,261,125 73,706,256
非エネルギー起源CO2 3,491,446 3,182,936 3,270,100 3,234,831 2,893,501
CH4 117,210 110,547 112,707 110,431 97,086
N2O 135,014 136,013 124,775 140,126 129,234
エネルギー起源CO2以外 計 3,743,670 3,429,496 3,507,582 3,485,388 3,119,821
GHGに占めるエネルギー起源CO2比率 96% 96% 96% 96% 96%

バリューチェーンにおけるCO2排出量

当社の製造段階で発生するエネルギー起源CO2排出量(Scope1、Scope2)および「環境省グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」等を活用して算定したサプライチェーンにおけるCO2排出量(Scope3)は下記の通りです。

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CO2排出量(千t-CO2 算定方法
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
Scope1 自社の燃料の使用に伴う排出(直接排出) 80,501 81,099*3 78,384*3 62,860*1 「低炭素社会実行計画」に基づき算定。
ただし集計範囲は下記参照。
Scope2 他社で生産されたエネルギーの使用に伴う排出(間接排出) 12,478 12,563*3 11,878*3 10,846*1
Scope1+2
(粗鋼生産1t当たりの原単位:t-CO2/t)
92,979 93,662*3 90,261*3 73,706*1

Scope3 自社のサプライチェーンに相当するその他の間接排出

①購入した製品・サービス 17,494 17,280*4 17,063*4 14,379 購入鉄鉱石、原料炭、コークスおよび酸素を対象に下記方法*5により算出
②資本材 1,417 1,516 1,656 1,632 設備投資額に排出原単位を乗じて算出
③Scope1、2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 422 368 305 291 購入電力量、燃料の使用量に排出原単位を乗じて算出
④輸送・配送・上流 756 775 683 629 省エネ法報告の輸送距離に排出原単位を乗じて算出
⑤事業から出る廃棄物 5 5 5 4 廃棄物量に排出原単位を乗じて算出
⑥出張 3 3 4 4 社員数に排出原単位を乗じて算出
⑦雇用者の通勤 12 13 13 14 社員数に排出原単位を乗じて算出
⑮投資 848 1,231 1,208 1,125 GHG排出量が1万tを上回る関連会社の排出量に資本比率を乗じて算出
国内連結粗鋼生産量(万t) 4,829 4,850 4,589 3,663

Scope1・2

<換算係数>
出典: 経済産業省・資源エネルギー庁「エネルギー源別標準発熱量・炭素排出係数一覧表」(2020年1月31日改訂)
<集計範囲>
当社*2、関連電炉(大阪製鐵、山陽特殊製鋼、日鉄ステンレス、王子製鉄、東海特殊鋼、東京鋼鐵および日鉄スチール)
*1 暫定値: 2020年度の一般電気事業者からの購入電力1単位当たりに含まれるCO2の量を2019年度と同じとした場合の数値。
*2 製鉄所が営むIPP事業に係るCO2排出量は除く。
*3 集計範囲の変更、及び、集計精度の向上に伴い、過年度におけるScope1とScope2を遡及して修正。

Scope3

<排出原単位の出典>
「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位 データベースVer3.1」(2021年3月、環境省)
経済産業省・資源エネルギー庁「エネルギー源別標準発熱量・炭素排出係数一覧表」
(2020年1月31日改訂)

<集計範囲>当社
*4 算定方法の変更に伴い、過年度数値を遡及して修正。
*5 鉄鉱石および原料炭:購入量×排出原単位コークス: 供給元における原料炭購入量×排出原単位+コークス製造に要したエネルギー使用量×エネルギー源別の排出原単位
酸素:酸素製造に要したエネルギー使用量×エネルギー源別の排出原単位

エコプロダクツ®によるカーボンニュートラル社会実現への貢献

当社は、鉄鋼製造プロセスの抜本的技術革新を推進するだけでなく、お客様が最終製品を使う際の省エネルギーやCO2削減に資する高機能鋼材(エコプロダクツ®)の提供により我が国のカーボンニュートラル社会実現に貢献しています。具体的には、電動車で使われる駆動モーター用高性能電磁鋼板や車体軽量化のための超ハイテン鋼板等を提供することで、それらが製品として使われるときに大きなCO2削減効果が得られます。

グローバルバリューチェーンにおける貢献(エコソリューション)

当社をはじめとする日本鉄鋼業は、日本の優れた省エネルギー技術の海外への移転により、地球規模でのCO2排出量削減にも貢献しています。具体的には、官民連携会合、技術カスタマイズドリスト、製鉄所省エネ診断を3本柱として、インドや東南アジア等2国間での省エネ・環境国際協力等を推進しています。またこの活動は今年度からJICA((独)国際協力機構)と連携する事になりました。

特に、CO2排出量削減効果が大きいコークス炉乾式消火設備(CDQ)の技術移転は全量当社グループの日鉄エンジニアリングが手掛けており、2019年度までに世界で約2,296万トンのCO2排出削減に寄与しています。

当社の気候変動関連のマネジメント体制

当社は気候変動を経営上の重要課題の一つとして認識しています。気候変動に関わる動向や当社の方針、リスクや機会等について、年4回以上、環境経営委員会やグリーン・トランスフォーメーション推進委員会にて議論や進捗管理を行い、重要事項については経営会議・取締役会において報告・審議することで、取締役会の監督を受ける仕組みを構築しています。

気候変動への適応

当社では、地球温暖化の緩和策のみならず、起こり得る地球温暖化の影響に備え、適応に向けた取り組みも行っています。当社の製品は堤防などの公共インフラ等の素材として長期にわたり使用され、集中豪雨や台風などに伴う洪水や高潮から街を守ります。また、国内外の製鉄所においても、貯水槽の設置や下層階部分の壁をなくして吹き抜け空間とすることで津波の破壊力を回避することができるピロティ構造の事務所の設置など、洪水や高潮等の緊急時に備える体制も整備しています。

物流効率化によるCO2排出量削減

当社は96%と高いモーダルシフト化率を維持しながら、船舶の大型化をはじめとした物流の効率化によるCO2排出量の削減に取り組んでいます。その一環として、リチウムイオン電池搭載型ハイブリッド貨物船「うたしま」(シップ・オブ・ザ・イヤー2019小型貨物船舶部門賞受賞)を導入する等新たな取り組みも実施しています。また、国土交通省および各関係諸団体と連携し、海上輸送におけるGHG削減に向け、水素・アンモニア等新たな代替燃料を活用した船舶の導入等、積極的な取り組みを進めていきます。

高炉セメント製造によるCO2排出量削減

高炉スラグをセメント生産に利用することにより、必要な石灰石・燃料の使用を削減でき、セメント1トン当たりCO2発生を320kg削減しています(普通セメントに対し40%超の削減)。

セメント生産におけるCO2排出量

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2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
セメント生産量(万トン) 232 221 208 216 218 207
セメント生産能力(万トン) 335 335 335 355 335 335
クリンカー生産量(万トン) 142 134 130 136 131 130
クリンカー生産能力(万トン) 163 163 163 142 142 140
クリンカー/セメント比 0.61 0.61 0.63 0.63 0.60 0.60
2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
CO2排出量(万トン-CO2 127 122 118 122 117 117
CO2排出原単位(KG-CO2/t-cem) 547 552 567 564 536 563

高炉セメントと普通ポルトランドセメント比較

高炉セメントと普通ポルトランドセメント比較

日本鉄鋼連盟の低炭素社会実行計画

日本鉄鋼業は、現行の自主行動計画において、自らの生産工程における省エネ(エコプロセス)、高機能鋼材が組み込まれた最終製品でのCO2削減(エコプロダクト)、省エネ技術の移転・普及による地球規模でのCO2削減(エコソリューション)の3つのエコを推進するとともに、中長期的なCO2削減の観点から革新的製鉄プロセス(COURSE50)の開発に着手しています。2013年度以降も、低炭素社会実行計画のもと、引き続き3つのエコとCOURSE50を4本柱とした温暖化対策を着実に推進していきます。
また、当社は地球温暖化対策に関する様々な公共政策について、日本鉄鋼連盟を通じて見解・意見を表明しています。

日本鉄鋼連盟の低炭素社会実行計画(3つのエコと革新的技術開発)

エコプロセス エコプロダクト エコソリューション
CO2排出量削減計画 エネルギー効率の更なる向上を目指す 製品使用時におけるCO2排出量削減に貢献 技術の移転・普及で地球規模での削減に貢献
2019年度実績 330万t-CO2 3,194万t-CO2 6,857万t-CO2
フェーズⅠ
2020年度
300万t-CO2*1・2 3,400万t-CO2 7,000万t-CO2
フェーズⅡ
2030年度
900万t-CO2*1 4,200万t-CO2 8,000万t-CO2

*1 2005年度を基準として一定の生産前提のもとで想定されるCO2排出量に対しての削減量。
*2 省エネルギー等の自助努力に基づく300万t-CO2削減の達成に傾注しつつ、廃プラスチック等については2005年度に対して集荷量を増やすことができた分のみを、削減実績としてカウントする。

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