Storyストーリー
鉄は思ったより身近で、思ったより地球にやさしい素材だった。
海沿いの街で暮らすある家族は、
なぜか鉄を愛している。これは、
ちょっと不思議な家族の物語。
描かれるのは、姉と、弟と、年の離れた妹による、ごくごく普通の暮らし。でも、なぜだろう、気がつくといつも鉄の話になっている。
家族の秘密は物語が進むにつれ
て、あきらかになるかもしれないし、
ならないかもしれない。
鉄を愛している、
ちょっと不思議な
家族の物語。
鉄は思ったより身近で、思ったより地球にやさしい素材だった。
海沿いの街で暮らすある家族は、
なぜか鉄を愛している。これは、
ちょっと不思議な家族の物語。
描かれるのは、姉と、弟と、年の離れた妹による、ごくごく普通の暮らし。でも、なぜだろう、気がつくといつも鉄の話になっている。
家族の秘密は物語が進むにつれ
て、あきらかになるかもしれないし、
ならないかもしれない。
いまどきの女性だが、妙に鉄に詳しい。しっかりした長女だが、たまにどこか抜けている。
自由な性格で、誰とでも仲良くできるタイプでグローバルに友達が多い。姉とは対等だと思っている。
家族の中で一番鉄に対する愛が深い。鉄の知識も豊富で、もっぱらの関心ごとは環境保全。勤勉。甘えん坊。
新作第六話
きょうは待ちに待った製鉄所の見学。きょうだいにとっては、大好きな鉄が生まれる現場にいける特別な日です。ウキウキして、ついつい体が動き出してるみたい。
新作第五話
姉が買ったエコカーで、景色の良い海に出かけた3きょうだい。記念の写真を撮ってもらっていると…。「ステキなクルマですね。」のひとことで、3人の鉄を愛する心に火がつきました。
新作第四話
常連さんからのアメの差し入れに、不自然なほどに大喜びする妹。さらに姉も大興奮。はてな顔をしている常連さんを横目に、姉妹そろって大興奮したその理由とは!?
第三話
妹には、さいきん欲しくて欲しくてたまらないものがある。ずっと、タイミングを見計らっていたけど、ついに思い切って姉におねだりすることに。
第二話
お店の休憩中、姉はふと弟が夢中になってなにかを描いていることに気づく。弟が落書きしていたのは···。それにしてもこの2人、なぜこんなにも鉄に詳しいのだろう。
第一話
この街では、少し変わった体操が毎朝、行われている。海辺に街の人が集まって、のんびりと。さぁ、おなじみの音楽が流れ、きょうも1日が始まる。
第一話
体操の歌詞に出てくる日本製鉄は、世界第4位の鉄鋼メーカー。「にほん」ではなく、「にっぽんせいてつ」が正しい読み方。
日本製鉄は「24時間365日」鉄を製造中で、きょうも世界中に鉄を供給中。また未来に向けて新しい機能を持った鉄を開発中で、今も鉄は進化中。
鉄はとても身近な存在。身の回りには、さまざまな形で生活を支える鉄が存在します。例えば、自動車や鉄道などの乗り物、建物や橋などの建造物、スプーンやフライパンなどのキッチン用品、ブランコや鉄棒などの遊具、文具やパソコンにも!
鉄が磁石にくっつくのも特徴なので覚えておいてください。
そして実は、鉄は天然資源として豊富。地球の重量の1/3が鉄です。 つまり、地球は鉄の星。またリサイクル率が高いことも特徴で、何度でも何にでもうまれかわる、とてもエコな素材です。鉄は、きょうもどこかでリサイクル中。 鉄のLCAについての動画を見る
4000年以上前から、この身近で不思議な素材を使うことで進化してきた人々の暮らし。さまざまな特性を持っている鉄は今も進化しています。
強い鉄、しなやかな鉄、厳しい環境にも耐える鉄など、鉄の可能性は拡大中。
例えば、薄くても強度が高い「ハイテン」という鉄は、クルマを軽くし燃費の向上に貢献しています。
鉄が強くなると、ビルはより高くなり、橋はより長くなります。
日本製鉄は人々の生活をより便利に、暮らしやすくする鉄を開発中なのです。
第二話
弟が夢中になって描いていたのが水素還元による鉄づくり。日本製鉄は、人類がこれまで行なってきた鉄のつくり方をガラリと変える「水素による鉄づくり」を目指しています。
鉄は、鉄鉱石を石炭で還元してつくりますが、製造過程でどうしてもCO2が発生してしまいます。そこで、石炭の代わりに水素を使用することで、CO2を削減しようとしているのです。現在、4500㎥の大型高炉で水素系ガスを使った製鉄を開発中。また、水素だけで還元する技術も開発中。水素で還元すれば出るのは水だけ。究極の製鉄技術なのです。
最近、姉と弟の間でよく話題に出るのが、水素還元製鉄と同じく革新的技術である、大型電炉での高級鋼製造です。電炉(電気で溶融する炉)は、主に鉄スクラップを溶融・精錬して鉄鋼製品を作るため、CO2削減が期待できます。
日本製鉄では、大型電炉での溶融・精錬技術を高めることで、高炉と同じような高級鋼の製造に挑戦しています。
それでも、どうしても出てしまうCO2は、CCUSを活用し、CO2排出ゼロを目指します。CCUSはCO2を集めて、再利用したり地中に埋めて固定する方法です。これらが日本製鉄のカーボンニュートラルを目指す複線的アプローチです。(*)Carbon Capture Utilization and Storage カーボンニュートラルへの取り組みについて詳しく知る
私たち人間だけでなく、すべての生き物が生きやすい地球になるために。「鉄と水素で世界の空気と未来を変えていく」。それが日本製鉄が目指す世界です。
第三話
日本の沿岸海域では、コンブなどの海藻が生い茂る藻場(もば)が広がっていますが、過去数十年にわたり「磯焼け」という海の砂漠化が進み、藻場が大きく減っています。
それは家族の住む街でも同じ。全国で起こっている磯焼け現象は、鉄分をはじめとする栄養成分の不足も原因の一つとされているため、鉄分の供給により藻場の回復効果が得られます。また藻場には、海藻が大気中のCO2を大きく吸収・固定してくれるブルーカーボン(*)の効果があります。海藻が生い茂る藻場の回復が、地球温暖化防止の一助になっています。
(*)ブルーカーボンとは、海藻や海草などによって海で吸収・固定される炭素のことで、CO2の新たな吸収源としても、気候変動対策としても注目が集まっています。
妹が欲しがっていたのは、鉄の製造時に副産物として発生する鉄鋼スラグ。道路をつくるときや、地盤を強くするために使われている製品です。
日本製鉄は、豊かな海を取り戻すため、森から海へと供給される鉄分を人工的に生成する鉄鋼スラグ製品「ビバリー®ユニット」を開発し、2004年から全国50箇所以上の沿岸へ提供を行ってきました。この取り組みにより、藻場が再生・回復するとともに、漁獲高向上の効果も報告されています。また、ブルーカーボンの効果も確認されています。 鉄鋼スラグ製品について詳しく知る 海の森づくりについて詳しく知る
新作第四話
NSカーボレックスは「鉄鋼製造プロセスにおけるCO2排出削減量を割り当てた鉄鋼製品」と「社会全体のCO2排出量削減に寄与する高機能製品・ソリューション技術」で、持続可能な未来に貢献しています。うーん、まだ難しい?
要は、缶みたいに身近な鉄から、橋のように大きな鉄まで、環境に配慮した鉄を選ぶ時代がもうそこまでやってきてるってこと。妹はそんな未来に興奮してたんです。
環境にとって本当にやさしいものは何かを考える上で、ライフサイクルアセスメント(LCA)という観点が注目されています。つくって、使って、使い終わってリサイクルするまで、その製品のライフサイクル全体で環境との関係を評価します。
そして意外に思われるかもですが、ライフサイクル全体で評価すると、鉄って環境価値がとっても高いんです。特に製造するときやリサイクルするときは他の素材よりも環境負荷が低いんです。多く使われている素材だからこそ環境への配慮も大切なんです。
鉄は磁石にくっつくから分別がカンタン。さらにリサイクルするときに不純物を取り除きやすく、品質を保ったまま何度でも何にでも生まれ変わることができるんです(クローズドループリサイクル)。例えば日本では90%以上の鉄がリサイクルされているぐらい、鉄はとってもサステナブルな素材。妹の缶コレクションも何かの生まれ変わりかも。
新作第五話
見た目は同じでも、鉄にはやわらかい鉄や硬い鉄があるんです。クルマに使われる鉄「ハイテン」は、強度が高いので衝突時の安全を確保できたり、軽くすることで燃費を良くしてCO2排出量を減らしたりする強くてやさしい鉄。
英語でいうと「High tensile strength steel sheet」、日本語でいうと「高張力鋼板」。きょうだいがスリスリしていたクルマのピラーなど、骨格部分には特に強度が高いハイテンが使われています。
鉄のさまざまな性質を引き出す技術のひとつが、熱して冷ます熱処理技術。柔らかかったり、硬かったり、粘り強かったり…。ハイテンが、驚異的な強度を持ちながらも加工しやすく、衝突した際の衝撃を吸収できるのも、この熱処理技術のおかげなんです。その製造には高度な技術が必要で、クルマの進化には欠かせません。
燃費の良いエコカーによる快適なドライブを支えているのは、実は鉄の進化なのかも。鉄の製造技術が日々進化することで、さまざまな性質をもった鉄がつくられるようになっています。
生活のあらゆるところに使われている鉄が進化するということは、私たちの生活が進化するということ。まさに「未来を開発中」なんです。きょうだいの鉄に対する熱はまだまだ冷めそうにないですね。
新作第六話
鉄をつくる製鉄所はとーっても広く、まるで一つの街みたい。道路には横断歩道や信号、標識はもちろん、ガソリンスタンドもあって、働くクルマがたくさん走っています。構内に張り巡らされた線路には今まさに生まれた鉄を運ぶ「トーピードカー」が走っていて、妹はびっくり。また緑化を進めていて、リスやタヌキも住んでいます。
製鉄所のシンボルは鉄をつくる高炉。高さ100mの高炉は、24時間365日止まることなく何十年も動き続け、毎日約1万トンの鉄をつくります。クルマ1台に約1トンの鉄が使われているので、毎日1万台の車をつくるようなもの。 高炉の前で、はい、チーズ!
※「トーピードカー」
高炉から出た溶けた鉄を運ぶ貨車。名前の由来は魚雷(ぎょらい、英語でトーピード)の形に似ているから。
鉄鉱石と石炭を「高炉」で熱すると、溶けた鉄「銑鉄」が下から出てきます。その温度はなんと1500度!でもそのままではもろいので「転炉」で成分調整して、硬くて粘り気のある鋼(はがね)をつくります。
その後、溶けた鋼を冷やしながら固めて、お目当ての形に成形するなどしていろいろな鉄鋼製品が生まれていきます。
きょうだいが見ていた真っ赤な板は、巨大なローラーでうすーく伸ばされ巻かれ、薄板のコイルになりました。薄板は、自動車や家電製品に使われる鉄。
他にも用途に合わせてさまざまな製品をつくっています。ぜひ製鉄所見学に来てみてください。 製鉄所工場見学について詳しく知る