ICT活用

ICTやデジタル技術が人々の生活のあらゆる面に急速に浸透している現在、これらの技術は、ビジネスの変革を促し企業の競争力を左右する重要な要素になると認識しており、当社としても注力している分野です。

ICT部門の統合

経営戦略に基づくデジタル改革の推進およびシステムの構築・維持・運用の最適化のために、各製鉄所に所属していた情報システム部門を2021年4月1日に統合しました。これに合わせ、AI技術や最適化技術、更にはデジタル改革を支える高度なICTの全社展開と継続した改善を目的としてAIソリューション課も設置しました。統一したシステム部門では、進化し続けるICTの動向を把握し、経営戦略に応じたICT活用の中長期的なロードマップを作成するとともに、全社への効率的なICT導入を図っています。情報システム部員は百数十人、それに加え、グループ会社であり、かつ日本国内トップレベルのSIer(システムインテグレーター)である日鉄ソリューションズ(株)の鉄鋼関係部門においても、その10倍以上の要員がシステムの開発と維持運用に従事しています。

ICTが実現する新しい働き方

いつでもどこでも誰とでもコミュニケーションができ、RPA(Robotic Process Automation)やセルフBI (Business Intelligence)等のICTの力で定常作業や付帯作業等を極限まで削減するとともに人の知的生産をサポートする仕組みを、スマートプラットフォームとして構築しています。

スマートプラットフォームを支えるのは、環境に左右されないモバイル機器(スマートフォン、タブレット端末)の活用です。2017年度から開始した現場作業者へのモバイル機器の配布をほぼ完了したことで、現場における安全見守りが実現できました。また、現場/現物での情報入出力が即時に行えるため、安定品質・安定操業や、トラブルの未然防止による生産性の向上にも寄与できています。更に、現場作業者からモバイル機器の新しい活用方法の提案を受ける等、スマートな生産現場の実現も進行中です。加えて、高いセキュリティ確保と更なる機能拡張に向け、室蘭製鉄所で、ローカル5Gを見据えた自営無線網の適用検証も実施中です。

ICTが実現する新しい働き方

また、現場作業者に続きスタッフへのモバイル機器の配布も、本社は今年度中、製鉄所は来年度の早い時期に完了するように加速させています。機動性のアップや新しい働き方としてのテレワークにおける効率的な業務推進を実現していきます。従前から取り組んでいたWeb会議、電子契約の適用拡大やワークフローシステムの充実化に加えて、ゼロトラストの考え方に基づいた当社ネットワークの整備を進めてきた結果、今回の新型コロナ禍においても在宅勤務により業務を支障なく継続することができました。

今後は、デジタル改革の要であるデータを基軸とした、「つなげる力」 「あやつる力」を全社員が最大限発揮できるように、データを集めマネジメントする統合データプラットフォームを実現します。社員全員が、適時的確に必要な情報へアクセスできる環境を構築していきます。また、統合データ解析環境であるNS-DIG®による知的生産のサポートを推進します。AI開発プラットフォームであるKAMONOHASHI®を導入したことにより、システムの専門家でないシチズンデータサイエンティストでも、AIモデルを開発できるようになります。更には、エッジコンピューティング基盤であるAIRON-EDGE®を展開することで、コンテナ技術を用いてAIモデルを簡単に現場に適用できるようになる等、デジタル改革を早期に実現できるようになりました。このようなプラットフォームの構築は、情報システムを効率よく全社に展開・活用し、最適化していくことにつながります。

ICTが実現する新しい働き方

ICTが実現する新しい働き方

情報セキュリティ

ICTを活用した新しい働き方を進めると、情報があらゆる形態で、あらゆるシチュエーションで、あらゆるフィールドで飛び交うことになることから、情報セキュリティに対する備えが従来以上に重要になってきます。テレワークが一般化し、多様なモバイル機器からデータが流れ、そのデータの保存や分析にクラウドを活用する時代であるからこそ、全員参加によるサイバーセキュリティの実現に向けた環境を提供します。社員一人ひとりのITリテラシの向上(情報セキュリティに対する感度向上)を目的とした継続的なe-learningによるセキュリティ教育や攻撃型メール訓練を実施していきます。更には、従来からの集中型による情報セキュリティ対策に加え、すべての通信に対して接続前に必ずセキュリティ確認を行う、ゼロトラストの考えを取り入れた最新のセキュリティ対策を進めています。

グループ全体としてのセキュリティの確保も重要であり、当社グループ会社で構成するコンピュータインシデント対応を目的とした組織であるNSG-CSIRTは2021年6月時点で17社となり、着実に加入会社が増加しています。更に、国内だけでなく、海外のグループ会社に対しても、セキュリティ対策の強化、教育および訓練による従業員のITリテラシ向上を進め、セキュリティに強い企業グループを目指しています。

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