PERSONTechnology

厚板の圧延技術を究め、
将来は女性工場長に。

蒔田 紘子Hiroko Maita

職種

操業技術

東日本製鉄所 厚板部 君津厚板工場(2019年入社)

ポジション担当

大学時代の専攻機械

圧延時に生じる形状の
歪みの課題解決に奮闘。

製鉄の最前線で、船舶や高層建築物などに使われる「厚板」の生産性や品質を向上させる技術開発に奮闘しています。私がいま所属している君津厚板工場の顧客からのニーズの一つが、ローラーで圧延された鋼板の平坦度。圧延中に「小波」と呼ばれる周期的な鋼板の反りが生じ、厚板の平坦度が損なわれてしまうのです。工場を挙げてこの問題の解決に取り組んでおり、私も入社以来そこに関わって提案を重ねています。小波形状を抑制する対策はいくつか考えられ、圧延速度の低減もそのひとつ。圧延後の板が通板用ローラーとの衝突で反りが発生していたため、私はそこに着目して改善策を企画提案し、すでに実現した施策もあります。

自ら主導して
圧延速度コントロールの
自動化システムを構築。

小波形状を改善するために2年目の春から取り組んだのが、鋼板のローラーへの衝突力を抑えるべく圧延速度をコントロールする自動化システムの構築。現場で圧延機を操るオペレーターと議論しながら、圧延速度のコントロールを自動化するために課題抽出をして対策立案をしていきました。以前に、社内の品質管理担当者が厚板のユーザーである建材メーカーのお客様先へ出張する際に、私も同行させていただいて実状を調査。そこで、残存した波により溶接時に不具合が生じる場面を目の当たりにして、ぜひ改善しなければとあらためてモチベーションが湧き、システム構築を成し遂げました。後日、そのお客様から「いい鋼板だ」とお褒めいただいたと聞き、その時はとてもうれしかったです。

君津厚板工場の圧延機の
レベルアップにぜひ関わりたい。

厚板の平坦度を高めていくために、チャレンジしなければならないテーマはまだたくさんあります。形状を制御しながら圧延できれば理想なのですが、そこには多くのパラメーターが複雑に絡み、一筋縄ではいきません。研究は進められているものの、完全には解明されておらず、私もどんどん知恵を出していきたい。また、君津厚板工場の圧延機の健全化や更なるレベルアップが必要と考えています。そのプロジェクトにプロジェクトリーダーとして携わり、自分の考えを存分に反映させた巨大な設備を企画導入してみたい。そしてゆくゆくは工場長のポジションに就き、自らマネジメントして品質や生産性において業界を圧倒的にリードする工場を実現することが、私の大きな夢です。

Q&A

学生時代に学んでいたことは?

機械工学を専攻し、研究は材料をテーマに取り組んでいました。具体的には、金属同士をいかに低温かつ低加圧で接合させるかという研究。そのなかで、条件によってさまざまな特性を発揮する「鉄」に興味を持ち、また製鉄所を見学する機会があってそのスケールにも惹かれ、鉄鋼業を志望するようになりました。

入社の決め手は?

当社を訪問した際にお会いした女性技術者の方が、「将来、工場長になりたい」と明確なビジョンを掲げ、誇りを持って仕事に取り組んでいる姿に感動し、私もぜひこんな人になりたいと憧れて入社を決めました。

現在の仕事内容は?

東日本製鉄所の君津厚板工場に在籍し、日々の操業で発生する課題の解決や顧客のニーズに応える改善を図っています。なかでも圧延形状の改善に力を入れて取り組んでおり、業界でトップクラスの製品品質を目指しています。

職場環境の特徴は?

工場の近くに寮が完備されており、独身者は誰でも利用できます。満員電車に揺られることもなく、自家用車で20分足らずで職場に到着できるのは大きなメリット。また、寮費が安いのも経済的に助かっています。

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2025年以降卒