環境への取り組み
日本製鉄は、環境基本方針に掲げる3つのエコ*と革新的技術開発を4本柱として環境経営を推進しており、5つの重点分野(電力・エネルギー、自動車、家電・電機、容器、建築・土木・その他)を中心として様々な環境課題に取り組んでいます。
*3つのエコは、日本製鉄グループ4事業セグメント(製鉄、エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューション)の総合力を発揮した取り組み。
当社は、世界最高レベルの資源・エネルギー効率で鉄鋼製品を生産するとともに、さらなる効率改善を追求し、環境に配慮したエコプロセスを目指しています。
世界をリードする技術力で、環境にやさしいエコプロダクツ®を生産・提供し、持続可能な社会構築に向けた省資源・省エネルギーや環境負荷低減に貢献していきます。
世界最高水準にある当社グループの環境・省エネルギー技術を国内に展開・普及させるとともに海外へ移転・普及させることで地球規模のCO2排出量削減や環境負荷低減に貢献していきます。
当社は、省資源・省エネルギー・環境負荷低減に資する技術や製品を社会に提供するために、革新的な先進技術の開発に、中長期的な視点で取り組んでいます。
日本製鉄は、生産活動・製造工程での環境負荷を低減し、限りあるエネルギーをすべてのプロセスで無駄なく利用する努力を続けています。
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当社をはじめとする日本鉄鋼業は、鉄づくりで培われた技術をベースとした環境保全・省エネの世界的な取組みであるグローバル・セクトラル・アプローチ*を積極的にリードしています。
日本鉄鋼業の優れた省エネルギー技術を途上国の鉄鋼業に普及させることにより、地球規模でのCO2排出量削減に貢献できると考えます。
*グローバル・セクトラル・アプローチ 産業部門毎に技術に基づくCO2排出量削減ポテンシャルを探り、世界最高レベルの省エネルギー技術の導入を図ることにより、世界の温暖化問題の解決に貢献する方法。
* 日本製鉄グループ各社のエコプロダクツ®も記載
水素系ガスを用いた鉄鉱石還元技術による高炉からのCO2排出量10%削減と、高炉ガスからのCO2分離・回収技術による20%削減を合わせ、30%削減を目標に2008年から取り組んでいます。前者の水素を一部活用した還元技術については、東日本製鉄所君津地区に建設した12㎥の試験高炉により10%削減を実証し、実炉サイズの計算シミュレーション技術も援用し、商用高炉での画期的な還元技術の実現に目途を得つつあります。
*国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業。
CO2発生を極小化した後でもなお鉄鋼製造プロセスから発生するCO2を分離・回収(Capture)し、地中に貯留(Storage)、あるいはCO2を直接ないし他の物質に変換して利活用(Utilization)する技術。当社グループではこのCCUSに必要なCO2回収設備を実機化*しています。
*省エネ型⼆酸化炭素回収設備「ESCAP® 」(Energy Saving CO2 Absorption Process)
COURSE50(環境調和型プロセス技術の開発/水素還元等プロセス技術の開発)で開発した二酸化炭素回収技術を基に、日鉄エンジニアリング(株)にて独⾃技術を加えて産業用途に商品化。
当社とRITE(公益財団法人地球環境産業技術研究機構)が共同開発した吸収液を使用し、CO2を含むガスから少ないエネルギーで高純度のCO2を分離・回収可能