耐食性
鉄はその表面に+αの工夫を加えることで,鉄の特性を活かしながら様々な機能を付与することも可能。この材料の表面に施されるミクロレベルのめっき層にも,最先端の技術が詰まっています。
高耐食めっき鋼板シリーズ
当社は、長年に渡る高耐食めっき鋼板の販売によって、幅広い知見やノウハウ、利用加工技術を独自に蓄積し、他社には無い様々な機能や豊富なメニューを開発してきました。
多様な機能を備えた既存の高耐食めっき製品群に、マーケットからの更なる高耐食ニーズに応えるべく新しく開発した「ZEXEED」を加えた「日本製鉄 高耐食めっき鋼板シリーズ」を立ち上げました。
- ※平面部めっき腐食減量を基に耐食性能を算定(複合サイクル腐食実験 JASO M609-91法、50 サイクル)当社調べ。
当社は、この「ZEXEED」および「日本製鉄 高耐食めっき鋼板シリーズ」の提供を通じて、より安全・安心な社会の実現と、省エネ・環境負荷低減・循環型社会の構築に貢献していきます。

- 優れた耐食性
溶融亜鉛めっきの5倍
- 様々な追加機能
良プレス加工性、高接着性、意匠性、防眩性等
- 豊富な商品メニュー
6巾、ハイテン等
- 各種認定・証明
JIS G 3323、建設技術審査証明書等

- 極めて優れた耐食性
溶融亜鉛めっきの10倍
- 高接着性
2022年10月商品化予定
- ハイテン
2022年4月商品化予定
- 建設技術審査証明書
2021年 申請中
当社独自の「知見」「利用加工技術」を組み合わせ、お客様の商品開発をサポートします。

主なニーズ
- 部品としての性能確保
耐食性・意匠性・剛性強度
- 加工のし易さ
プレス成型・接着 他
- 施工のし易さ
部品点数削減 他
- 使い易さ 等
各種認定
主な対象市場
- 自動車部品・電気機械・産業機械・建築 等
含、太陽光発電設備
主な現行材
溶融亜鉛めっき・後めっき・後塗装 等

主なニーズ
長寿命化・ライフサイクルコスト削減
老朽更新・補修工事への対応
軽量化・施工性・省工程・省力化 等
主な対象市場
- 土木・交通インフラ
道路・鉄道 他
- ライフライン 等
電力・通信 他
主な現行材
後めっき・重防食塗装・コンクリート・FRP・アルミ 等
タフガード®シリーズ(棒線)


めっき成分として亜鉛、アルミニウム、マグネシウムの三元めっきを施した日本製鉄の開発した新しいめっき線
タフガード®シリーズの共通メリット
- 優れた高耐食性※によりライフサイクルコスト軽減を可能に
- 他素材の置き換えによる長寿命化・コストダウンも期待
- ※従来の亜鉛アルミニウム合金と比較して約5倍の耐食性を有する
タフガード®シリーズラインナップ
タフガード®フロスト(TGF)

- 河川の護岸用金網の母材として専用開発
- 軟鋼線材を使用し表面を粗面加工
- 滑りにくさを備えている
タフガード®マイルド(TGM)

- 軟鋼線材を使用し表面は滑面加工
- フェンス、張線などに使用
タフガード®ハード(TGH)
- 主に鉄道、送電線や配電線などの電力および通信分野向けで使用
- 硬鋼線材を使用した、高耐食性めっき鋼線および鋼撚り線



当社とジェイ-ワイテックス(株)にて共同開発致しました。
CORSPACE®(厚板)

コルスペースとは、塗装の塗替周期延長を可能にする新たな耐食鋼で、ライフサイクルコスト(LCC)縮減を実現する鋼材です。
鋼材に微量のスズ(Sn)を添加したもので、本鋼材の適用により、同じ塗装条件・使用環境下で塗膜欠陥部における鋼材腐食量が従来鋼に比べ大幅に抑制されます。
また、適用鋼材規格は橋梁に使用されるJIS鋼材3規格(SS,SM,SBHS)※全てに対応しており、鋼材の機械的性質や加工特性は従来鋼と同等です。更に、専用の溶接材料や添接ボルトも準備し、鋼構造物全体での活用を可能としています。
コルスペースは、特に塩害の厳しい環境で従来鋼に比べより効果を発揮することから、耐候性鋼橋梁の適用できない沿岸地域や、凍結防止剤散布の影響を受ける部位で特に、効果を発揮します。
今後もコルスペースの普及促進を図り、鋼構造物インフラの寿命延長や維持管理費削減、塗装頻度削減による環境負荷軽減に貢献していきます。
- ※JIS G3101 一般構造用圧延鋼材(SS)
- ※JIS G3106 溶接構造用圧延鋼材(SM)
- ※JIS G3140 橋梁用高降伏点鋼板(SBHS)
本鋼材の開発技術は、第55回市村産業賞貢献賞(2022)(公益財団法人市村清新技術財団主催)、第9回ものづくり日本大賞優秀賞(2022)(経済産業省、国土交通省、厚生労働省、文部科学省が連携して開催)を受賞いたしました。
維持管理上のメリット(例)
ライフサイクルコスト縮減。100年間で塗装塗替えを1回に削減。
CORSPACEは、同一の塗装・架設環境下で普通鋼に比べ塗装周期を約2倍に延長することができます。その結果、普通鋼が100年間で3回の塗替え塗装が必要なのを、1回に削減でき、塗替え維持管理費用は約半減することができます。
また塗替え塗装回数削減により、VOC排出抑制に寄与することで環境負荷を軽減できます。

NSGP®-1&2(厚板)

腐食環境の違う底板部と甲板裏部の両面から、タンクの腐食を抑える「NSGP-1&2」。
塗装レスで高い性能を発揮する原油タンカー用高耐食性厚鋼板の底板部用「NSGP-1」と甲板裏部用「NSGP-2」。どちらも微量の合金を添加することで、最大の耐腐食性能を発揮する鋼材です。すでに世界で最多の実船適用実績があり、10年以上にもおよぶ実船テストを経て、世界トップレベルの信頼性を実証しています。塗装レスのため、建造コストに加え、メンテナンスコストも低減。従来の鋼材同様に、溶接や加工も施すことができ、特別な施工管理も不要です。さらに塗装による環境汚染防止にもなり、原油タンカー建造時、管理時にさまざまな効果をもたらします。(NSGP~Nippon Steel & Sumitomo Metal Green Protect)
原油タンカー底板部用 高耐食性厚鋼板 NSGP-1
従来大きな課題であった、タンクの底板部に腐食によって発生するくぼみ(孔食)を低減する「NSGP-1」。
日本郵船(株)と新日鐵住金はNSGP-1を開発。2004年に日本郵船の原油タンカーに採用。2.5年後の定期点検では、無塗装でも孔食発生数が格段に減少。数多くのタンカーに採用されています。
原油タンカー甲板裏部用 高耐食性厚鋼板 NSGP-2
全面が腐食する甲板裏部。独自の研究により腐食発生を低減する「NSGP-2」。多くの実船テストを経て、2014年に正式発表。特に甲板裏部では、複雑な形状である場合が多く、塗装レスによる修繕時の作業期間を大幅に短縮できます。
特長
底板部の腐食を15分の1に減少する NSGP-1

タンクの底板部に腐食によって発生するくぼみ(孔食)は1年で4mm以上の深さになるものがあり、5年もそのままにしておくと貫通してしまう危険性があります。従来鋼とNSGP-1の適用船で5年後の4mm以上の孔食の発生数(タンク当り)を比較すると、従来鋼は約200個、NSGP-1は約13個と孔食発生数の比較だけでも15分の1以下に減少。NSGP-1が、優れた耐食性を持つことが実証されました。
甲板裏部の腐食を約6割に減少する NSGP-2

タンクの天井板では、前述の排ガスと原油由来のH2Sの影響による腐食環境に加え、天井の外側が甲板であることにより、昼夜の温度差による乾燥と結露が繰り返される悪条件も重なって、腐食が進行。平均の腐食速度は年間0.1mm程度と報告されていますが、環境の変化によって、それ以上腐食する可能性もあります。NSGP-2を実際の船に10年使用した結果から、25年後の推定板厚減少量を従来鋼に比較し、約6割程度に抑えられることが実証されました。
S-TEN®(厚板)

近年、環境問題が大きく取り上げられるようになり、高層煙突、エアープレヒーター、集塵器、排煙脱硫装置をはじめとする排煙処理設備の建造数が大幅に伸びてきました。一方、工業用燃料の主体が、従来の石炭から重油に代わったことから、これら排煙処理装置(ことにエアープレヒーター、煙道、煙突)の硫黄酸化物による低温部腐食が大きな問題となっています。この低温部腐食は、硫酸露点腐食と呼ばれる高温、高濃度硫酸による腐食で、一般の大気腐食等とは異なり普通鋼はもちろん、ステンレス鋼でも激しく腐食されます。また、ダイオキシン対策の最近のめざましい技術革新の結果、以前よりも排ガス温度が低下するケースが増えてきました。従来は、硫酸露点腐食だけしか生じなかった施設でも、ダイオキシン対策改修工事後、排気ガスの低温化にともない、塩酸露点腐食が生じることもあります。これらを解決すべく硫酸露点腐食や塩酸露点腐食に強い溶接構造用として開発されたのがS-TEN鋼です。S-TEN1は耐硫酸露点腐食、耐塩酸露点腐食、S-TEN2は耐硫酸露点腐食に対して有効です。
特長

日本製鉄オリジナルの耐硫酸・塩酸露点腐食鋼です。
- 石炭火力ボイラーや廃棄物焼却施設等の排煙設備における硫酸・塩酸露点腐食に対して優れた性能を発揮します。[火力発電・ごみ焼却施設でNo.1の使用実績を有しています(当社調べ)。]
- 平成19年市村産業賞 功績賞を受賞いたしました。
強度・施工性・溶接性は、普通鋼と同等です。
ステンレス鋼に比べ経済的です。
熱延鋼板・冷延鋼板・鋼管・溶接材料まで、幅広いメニューを取り揃えています。
- 熱延鋼板(厚板)は、JISG3106SM400A(S-TEN1)、SM490A(S-TEN2)に適合します。
鋼材問屋に常時在庫していますので、容易に入手可能です。
ステンレス
ステンレス鋼(=Stainless Steel(さびにくい鋼))は鉄(Fe)にクロム(Cr)を10.5%以上加えた鉄合金です。
クロムが約11%以上添加された鋼はさびにくくなります。

これは表面に形成された薄く、安定であるCr系酸化物(=不働態皮膜)によるためです。

この不働態皮膜は、一般環境下では自己補修能があり、破壊されても瞬時に再生します。
→これにより耐食性が維持されます。
チタン
![[Ti]Titanium 原子番号22 原子量47.867](/product/img/function_corrosion-resistance_im18.webp)
軽く、強く、錆びにくいことは、よく知られている特性ですが、それ以外の多彩な特性と、その実力についてはあまり知られていません。チタンは1790年に発見され、その後長い熟成時間を経て1948年に工業生産を開始した新しい金属です。埋蔵量が豊富で、生体親和性に富んでいるため人や環境に優しい金属であり、研究・開発していく中で様々な新しい可能性を見せてくれる素材です。
