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経営計画

日本製鉄グループ中長期経営計画について(2021年3月5日発表)

プレスリリース URL: www.nipponsteel.com/ir/library/strategy.html

当社は、将来に亘って日本の産業競争力を支える「総合力世界 No.1の鉄鋼メーカー」を目指して成長し続けることを念頭に、このたび新たな経営計画を策定致しましたので、以下のとおり公表します。

Ⅰ.策定方針

我が国の鉄鋼需要は、人口減少や需要家の現地生産拡大等に伴い引き続き減少していくと想定されますが、世界の鉄鋼需要は、インドも含めたアジア地域を中心に今後とも確実な成長が見込まれます。

これまで当社は、国内需要が縮小するなかで輸出比率を向上させつつ国内生産規模を維持してきましたが、今後、主力製鉄所が大規模な老朽更新投資を必要とする時期を迎える一方、鉄鋼世界生産の6割を占める中国における需要の頭打ち等により、海外市場における競争が一層激化することを想定すると、輸出比率の拡大によって国内生産規模を維持するという現状のビジネスモデルを継続することは困難になると認識しておく必要があります。

こうした状況に的確に対応していくため、当社は、国内製鉄事業について、商品と設備の取捨選択による集中生産等を基軸に体質強化を徹底的に推進し、製鉄事業グローバル戦略の中核を担うマザーミルとして、最高級の商品を効率的に生産し得る強靭な体制を構築します。伸長する海外市場においては、AM/NS Indiaの能力拡張などにより需要地での一貫生産体制を拡大し、現地需要を確実に捕捉していく体制を構築することとします。この戦略を実行することにより、国内マザーミルと海外現地ミルを合わせた日本製鉄グループトータルで、グローバル粗鋼1億トン体制を実現します。

また、気候変動問題にも積極的に対応していきます。当社は、脱炭素社会に向けた取り組みにおいても欧米・中国等との開発競争に打ち勝ち、引き続き世界の鉄鋼業をリードするべく、政府の各種施策とも連携しながら、新たなCO2削減技術の開発・実機化に果敢に挑戦し、2050年カーボンニュートラルを目指します。加えて、当社の技術力・商品力を活かし、車体軽量化のための超ハイテン鋼板や電動車で使われる駆動モーター用高性能電磁鋼板等の高機能商品の開発・供給能力増強等を通じて、我が国のカーボンニュートラル実現に貢献します。

さらに、デジタルトランスフォーメーションを強力に推進します。鉄鋼業におけるデジタル先進企業を目指し、データとデジタル技術を駆使して生産プロセスおよび業務プロセス改革に取り組むとともに、意思決定の迅速化、課題解決力の抜本的強化に資する対策を推進します。

Ⅱ.中長期経営計画の4つの柱

上記の方針に基づき、中長期経営計画は以下の4つを柱として策定しました。

1.国内製鉄事業の再構築とグループ経営の強化

2.海外事業の深化・拡充に向けた、グローバル戦略の推進

3.ゼロカーボン・スチールへの挑戦

4.デジタルトランスフォーメーション戦略の推進

いずれも長期的ビジョンに基づき、ロードマップに沿って実行していくものですが、とりわけ「国内製鉄事業の再構築とグループ経営の強化」については、効率的かつ強靭な生産体制を早期に確立し、国内マザーミルの収益基盤を再構築する観点から、2025年度までに完遂します。

Ⅲ.具体的施策の概要

1.国内製鉄事業の再構築とグループ経営の強化

  • (1)

    国内製鉄事業の再構築・早期の収益力回復

    「戦略商品への積極投資による注文構成の高度化」、「技術力を確実に収益に結びつけるための設備新鋭化」、「商品と設備の取捨選択による生産体制のスリム化・効率化」を基本方針として、国内製鉄事業の最適生産体制を構築するとともに、競合他社を凌駕するコスト競争力の再構築と適正マージンの確保によって収益基盤を強化します。
    最適生産体制の構築に向けては、以下の具体策を実施します。

    [製品製造工程の生産体制スリム化・効率化 ]

    ① 厚板事業

    厚板事業の体質強化を図る観点から、既公表の名古屋製鉄所厚板ラインの休止に加え、東日本製鉄所鹿島地区の厚板ラインを休止し、東日本製鉄所君津地区および九州製鉄所大分地区の厚板ラインに生産を集約します。


    製鉄所 休止ライン 休止時期
    厚板 東日本製鉄所 鹿島地区 厚板ライン 2024年度下期目途

    【2020年2月7日 公表案件】


    製鉄所 休止ライン 休止時期
    厚板 名古屋製鉄所 厚板ライン 2021年度末目途

    厚板ライン:【対策前】4ライン→【対策後】2ライン

    ② 建材事業

    建材事業の体質強化を図る観点から、東日本製鉄所君津地区および鹿島地区の大形ラインを休止し、関西製鉄所和歌山地区(堺)および九州製鉄所八幡地区の大形ラインに生産を集約します。
    また、東日本製鉄所君津地区の大形ライン休止に伴い、大形用鋼片を製造している連続鋳造機も併せて休止します。


    製鉄所 休止ライン 休止時期
    建材 東日本製鉄所 君津地区 大形ライン、No.1連続鋳造機 2021年度末目途
    東日本製鉄所 鹿島地区 大形ライン 2024年度末目途

    大形ライン:【対策前】4ライン→【対策後】2ライン

    ③ 鋼管事業

    1)シームレス鋼管事業

    関西製鉄所和歌山地区(海南)の小径ミルについて、生産体制の最適化・効率化を図る観点から、東西2ミルのうち西ミルを休止します。

    2)大径管事業

    中長期的な需要動向を踏まえて、安定的な収益確保が見込めない UO鋼管事業から撤退することとし、東日本製鉄所君津地区の UO鋼管ラインを休止します。


    製鉄所 休止ライン 休止時期
    鋼管 関西製鉄所 和歌山地区(海南) 小径シームレス鋼管ライン(西) 2025年度末目途
    東日本製鉄所 君津地区 UO鋼管ライン 2021年度末目途

    シームレス鋼管ライン:【対策前】3ライン→【対策後】2ライン
    UO鋼管ライン:【対策前】1ライン→【対策後】-

    ④ 薄板事業

    競争力が優位な製造ラインに注文を集約するとともに、より需要地立地での生産を指向する観点から、既公表の瀬戸内製鉄所呉地区熱延ライン、酸洗ラインの休止に加え、以下の対策を実施します。

    東日本製鉄所君津地区の溶融亜鉛めっきラインおよび同鹿島地区の酸洗ラインの一部設備を 休止し、君津地区の他の製造ラインおよび名古屋製鉄所等のラインに生産を集約します。


    製鉄所 休止ライン 休止時期
    薄板 東日本製鉄所 君津地区 No.1溶融亜鉛めっきライン 2024年度末目途
    東日本製鉄所 鹿島地区 No.1酸洗ライン 2022年度上期末目途

    瀬戸内製鉄所阪神地区(堺)の溶融亜鉛めっきラインの一部設備を休止し、堺の他の製造ラインおよび九州製鉄所八幡地区に生産を集約します。


    製鉄所 休止ライン 休止時期
    薄板 瀬戸内製鉄所 阪神地区 (堺) No.1溶融亜鉛めっきライン 2024年度末目途
    No.1溶融亜鉛・アルミめっきライン 2022年度末目途

    瀬戸内製鉄所阪神地区(大阪)の全設備を休止するとともに、関西製鉄所和歌山地区の全薄板 ラインを休止します。これにより、両地区で生産しているハイカーボン製品については瀬戸内製鉄所阪神地区(堺)に集約し、ハイカーボン製品の生産を瀬戸内製鉄所阪神地区(堺)と九州製鉄所八幡地区との 2拠点体制とします。


    製鉄所 休止ライン 休止時期
    薄板 瀬戸内製鉄所 阪神地区 (大阪) 全ライン 2023年度上期末~2023年度末目途
    薄板 関西製鉄所 和歌山地区 薄板ライン全て 2024年度上期末目途

    【2020年2月7日 公表案件】


    製鉄所 休止ライン 休止時期
    薄板 瀬戸内製鉄所 呉地区 熱延ライン、酸洗ライン 2023年度上期末目途

    熱延ライン :【対策前】 7ライン→【対策後】6ライン
    冷延ライン :【対策前】17ライン→【対策後】15ライン
    めっきライン:【対策前】19ライン→【対策後】16ライン

    ⑤ チタン・特殊ステンレス(*1)事業

    (*1)自動車部品や電子機器等の精密加工分野で使用される極薄ステンレス鋼板(板厚0.2mm 前後)

    特殊ステンレス薄板製品の生産体制効率化を図る観点から、東日本製鉄所直江津地区の特殊ステンレス薄板関連設備を複数休止し、日鉄ステンレス(株)山口製造所(周南エリア)へ生産を集約します。
    あわせて、チタン製造工程の効率化を図る観点から、既公表の関西製鉄所製鋼所地区チタン丸棒製造専用設備、九州製鉄所大分地区(光鋼管)チタン溶接管製造ラインの休止に加え、関西製鉄所製鋼所地区チタン原材料ラインを休止します。


    製鉄所 休止ライン 休止時期
    特殊ステンレス 東日本製鉄所 直江津地区 冷延・焼鈍・精整等 2021年度末目途
    チタン 関西製鉄所 製鋼所地区 チタン原材料ライン 2022年度上期末目途

    【2020年2月7日 公表案件】


    製鉄所 休止ライン 休止時期
    チタン 関西製鉄所 製鋼所地区 チタン丸棒製造専用設備 2022年度末目途
    九州製鉄所 大分地区 (光鋼管) チタン溶接管製造ライン 2021年度上期末目途

    特殊ステンレス冷延ライン:【対策前】4ライン→【対策後】2ライン
    チタン原材料ライン:【対策前】1ライン →【対策後】全て休止
    チタン丸棒製造専用設備:【対策前】1ライン →【対策後】全て休止
    チタン溶接管製造ライン:【対策前】1ライン →【対策後】全て休止

  • ⑥ 日鉄ステンレス(株)

    生産体制の効率化を図る観点から、衣浦製造所の冷延・焼鈍ラインを休止し、山口製造所へ生産を集約します。これにより衣浦製造所は昨年公表した熱延工場等の休止と併せて、すべての生産設備を休止することになります。
    また、山口製造所の電気炉1基および山口・鹿島製造所の冷延・焼鈍設備の一部を休止します。


    製造所 製造所 休止ライン 休止時期
    ステンレス 日鉄ステンレス 衣浦製造所 冷延以降の全ライン 2021年度末目途
    山口製造所 冷延・焼鈍設備の一部 2021.3末~2026.6末
    電気炉1基 2023年度末目途
    鹿島製造所 焼鈍設備の一部 2021.6末目途

    ステンレス冷延ライン:【対策前】13ライン→【対策後】9ライン
    電気炉:【対策前】 4基 →【対策後】3基

    [鉄源工程の生産体制スリム化・効率化]

    既公表の瀬戸内製鉄所呉地区鉄源全設備(高炉2基、焼結、製鋼)および関西製鉄所和歌山地区鉄源設備(高炉1基および関連設備)の休止に加え、以下の対策を実施します。

    ① 東日本製鉄所の鉄源体質強化

    東日本製鉄所鹿島地区厚板・大形ライン休止後の全社鉄源バランスおよび同地区の一貫生産・出荷能力、コスト等を総合的に勘案し、第3高炉と関連設備を休止します。
    また、東日本製鉄所君津地区の大形ライン休止に伴い、大形用鋼片を製造している連続鋳造機も併せて休止します(前述)。


    製鉄所 休止ライン 休止時期
    鉄源 東日本製鉄所 鹿島地区 鉄源1系列(第3高炉、第2ABCDコークス炉、第3焼結機、
    第1製鋼工場(転炉1基・連続鋳造機2基等))
    2024年度末目途
    東日本製鉄所 君津地区 No.1連続鋳造機(前掲) 2021年度末目途

    【2020年2月7日 公表案件】


    製鉄所 休止ライン 休止時期
    鉄源 瀬戸内製鉄所 呉地区 第1・第2高炉、第1・第2焼結機
    第1・第2製鋼工場等、全ての鉄源設備
    2021 年度上期末
    関西製鉄所 和歌山地区 第1高炉、第5コークス炉、第5-1焼結機 (2020年2月7日公表)2022年度上期目途→
    (見直し後)2021年度上期末
    第4コークス炉、第3鋳造機-1ストランド 2022年度上期目途

    高炉 :【対策前】15基(注) →【対策後】10基
    連続鋳造機:【対策前】32基(注) →【対策後】24基
    (注)九州製鉄所八幡地区(小倉)の高炉、連続鋳造機は2020年度に休止済み

    これにより、国内の粗鋼能力削減規模は、単独+日鉄ステンレスで 年間約10 百万トン(50 百万トン→40 百万トン)となります。

    ② 東日本製鉄所釜石地区への鋼片供給体制変更およびこれを見据えた製鉄所体制の一部再編

    東日本製鉄所釜石地区向けの線材用鋼片は現状、主に同所君津地区から供給していますが、棒線事業全体としての鉄源活用効率化の観点から、2025 年を目途に鋼片の主要供給拠点を室蘭製鉄所に変更します。
    鋼片供給体制の変更を踏まえ、2022 年4 月を目途に以下の製鉄所体制の再編を行う予定です。

    【現在】       【体制再編後】
    室蘭製鉄所     →北日本製鉄所室蘭地区
    東日本製鉄所釜石地区→北日本製鉄所釜石地区

    [既公表案件の一部前倒し]

    当面の需給動向等を踏まえ、早期に生産体制の効率化を図る観点から、既に休止方針を公表している関西製鉄所和歌山地区の鉄源設備のうち、第1高炉、第5コークス炉、第5-1焼結機の休止時期を1年前倒しします。(2020年2月公表時点:2022年度上期目途→見直し後:2021年度上期末。なお、第4コークス炉、第3鋳造機-1ストランドについては、2020年2月7日に公表したとおり2022年度上期目途に休止予定)

    [戦略商品への投資:設備新鋭化・注文構成高度化]

    ① 名古屋製鉄所 熱延ラインへの戦略投資

    自動車業界においては、世界的な環境規制強化と衝突安全基準の厳格化が進むなかで、車体の軽量化・高強度化ニーズに伴う高機能素材の需要は一層高まっていくと想定されます。今後、普及が見込まれる電気自動車などの電動車においても、走行距離やバッテリー重量の問題により車体の軽量化・高強度化ニーズが一層高まるものと考えられます。
    このようなニーズに応えるべく、当社は自動車鋼板製造の中核拠点である名古屋製鉄所において超ハイテン鋼板(*2)等の高級薄板の生産体制を抜本的に強化するために、戦略的な投資として次世代型熱延ラインを新設し、その立上げ後に現行設備を休止することを決定しました。今後早急に実行すべく詳細検討を進めていきます。

    (*2)超ハイテン鋼板:ハイテンはHigh Tensile Strength Steel(高張力鋼)の略称。引張り強さが1.0GPa 以上ある鋼板を超ハイテン鋼板という。

    ② 高級電磁鋼板製造体制の強化

    世界的に脱炭素に向けた動きが急ピッチで進むなか、世界各国で変圧器に対する効率化規制が強化されており、変圧器の鉄心に使用される方向性電磁鋼板について、エネルギーロスの少ないハイグレード材のニーズが一層高まると想定されます。加えて、自動車に対するCO2排出規制や平均燃費規制の厳格化を受け、電気自動車などの電動車需要の伸びが加速し、モーターの鉄心として使用される無方向性電磁鋼板についても、高効率なハイグレード材の需要が飛躍的に伸びる見通しです。
    当社は2020年11月までに瀬戸内製鉄所広畑地区・九州製鉄所八幡地区における電磁鋼板の能力・品質向上対策を順次決定し、2023年上期のフル効果発揮に向けて対策を進めていますが、これら対策に加えてさらに、瀬戸内製鉄所広畑地区の能力対策を実施する方針を決定し、加速するニーズに迅速に応えていくこととしました。今後早急に実行すべく詳細検討を進めていきます。



    以上の各種対策および後述するDX 施策等を通じ、2021年度から2025年度末迄に、当社および協力会社(作業請負)合計で20%を上回る要員合理化を実施します。

    なお、最適生産体制構築に向けては、今後とも需要動向等を適時的確に把握・分析するなど不断の検討を行うこととし、継続して必要な対策の成案化を図っていきます。

  • (2)

    グループ経営の強化

    連結事業収益力向上・企業価値最大化に向けて、「各社の競争力・収益力強化」、「『選択と集中』によるグループ構造最適化」、「当社およびグループ会社相互間の連携の深化ならびにマネジメント基盤の整備・強化」などに取り組んでいきます。
    こうした方針のもとで、鉄事業のグループ会社については、各社のミッションの一層の明確化等を図りつつ、当社各品種事業部等との一貫での収益力強化を推進するとともに、サステナビリティの観点等も勘案して、グループ会社の「選択と集中」にも継続して取り組んでいきます。
    非鉄事業を担う3社については、日鉄エンジニアリング(株)及び日鉄ケミカル&マテリアル(株)は、製鉄事業の諸対策と的確に連動した施策を実施するとともに、各社の個別事業の「選択と集中」を基軸に、収益拡大を図ります。日鉄ソリューションズ㈱は、これまでに培ってきた技術・実績をベースに、当社グループ全体のDX 戦略展開に大きく貢献するとともに、拡大するマーケットニーズを確実に捕捉すること等を通じて、継続的に事業成長を図ります。

2.海外事業の深化・拡充に向けた、グローバル戦略の推進

世界の鋼材消費は、2025年さらに2030年に向けて引き続き緩やかな成長が見込まれています。当社は、規模および成長率が世界的に見ても大きいアジア(中国、ASEAN、インド等)を中心に事業を展開しており、マーケットの規模や成長を当社の利益成長に繋げうるポジションにあります

このような環境のもとでさらなる収益力向上を図るべく、当社は、従来の国内からの高級鋼を中心とした鋼材輸出と現地生産を担う冷延・めっき等製品工程中心の海外事業会社による供給から、現地需要全体を捕捉する一貫生産体制を拡大し、より高い付加価値を確保していく本格的な海外事業へとステージを上げていく方針です。

強靭な国内マザーミルと海外現地ミルによる成長市場の需要捕捉を通じ、日本製鉄グループトータルで年間粗鋼1億トン体制(*3)を目指すことをビジョンとし、AM/NS India の能力拡張施策の確実な推進および中国・ASEAN 等における一貫製鉄所の買収・資本参加(ブラウンフィールド)等を検討していきます。

既存の海外事業については、これまでに選択と集中を積極的に推進し、海外ブリキ事業の再編や、VSB(*4)などの当社が継続する合理性のない事業からの撤退をほぼ完了しつつあり、フォーカスを絞ってきました。大型買収案件であるAM/NS IndiaやOVAKOの事業基盤を強固なものとすることをはじめとして、各海外事業会社では当社の先進技術を活かし、各国のインサイダーとしてマーケットの成長を捕捉することにより、収益拡大を図っていきます。。

(*3)関連会社の出資持分を考慮しない単純合算
(*4)VSB(Vallourec Soluçoes Tubulares do Brasil S.A.);シームレス鋼管の一貫合弁事業。2021年3月末を目途に合弁相手のバローレック社に譲渡を決定

3.ゼロカーボン・スチールへの挑戦

脱炭素社会に向けた取り組みにおいて欧米・中国・韓国との開発競争に打ち勝ち、引き続き世界の鉄鋼業をリードするべく、当社独自の新たな対策として「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050~ゼロカーボン・スチールへの挑戦~」を掲げ、経営の最重要課題として諸対策を検討・実行します。

2030年においては、現行の高炉・転炉プロセスでのCOURSE50(*5)の実機化、既存プロセスの低CO2化、効率生産体制構築等によって、対2013年比▽30%のCO2排出削減を実現します。

2050 年に向けては、電炉による高級鋼の量産製造、Super COURSE50(*6)等の高炉水素還元法の開発を通じたCO2の抜本的削減、水素による直接還元鉄製造などの超革新的技術にチャレンジし、CCUS(*7)等によるカーボンオフセット対策なども含めた複線的なアプローチでカーボンニュートラルを目指します。

特に、究極のゼロカーボン・スチールの製造技術である100%水素による直接還元鉄製造は、前人未到の技術であり、極めてハードルの高いイノベーションが必要となります。また、電炉による高級鋼の量産製造においては電炉の生産性向上や大型化・効率化、材質有害元素の無害化技術の確立、高炉水素還元においては水素還元時の吸熱反応に対する水素加熱吹込み技術の確立等、極めて難しい技術開発が必要です。こうしたイノベーションに向けては、約5,000億円の研究開発費、設備実装に約4~5兆円の投資を要すると見込まれます。加えて、2050年段階での外部条件含めたベストケース想定でも、粗鋼製造コストは現状の倍以上になる可能性があります。

ゼロカーボン・スチールは鉄鋼業界のチャレンジだけでは実現できません。非連続的イノベーション等の研究開発や設備実装に対する長期かつ継続的な政府の支援、安価安定大量の水素供給インフラの確立、国際競争力のあるコストでのカーボンフリー電源の実現、経済合理的なCCUSの開発・実用化のための国家プロジェクトの推進、国際競争におけるイコールフッティングの確保、莫大なコストを社会全体で負担するしくみの構築等が前提となります。

当社は、このような鉄鋼製造プロセスの抜本的技術革新を推進するだけでなく、前述の名古屋製鉄所次世代型熱延ラインの新設や電磁鋼板製造体制の強化を通じて、車体軽量化のための超ハイテンや電動車で使われる駆動モーター用高性能電磁鋼板等の高機能商品の開発・供給能力増強によって、CO2削減に資する商品でも我が国のカーボンニュートラル実現に貢献していきます。

(*5)高炉での原料炭による鉄鉱石の還元を一部水素に置き換える技術など
(*6)高炉での水素還元比率を更に高める技術
(*7)Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage:気体からCO2を分離・回収し、化成品や燃料等に加工し利用(CCU)、もしくは地中に貯留(CCS)する技術

4.デジタルトランスフォーメーション戦略の推進

デジタルトランスフォーメーション戦略に今後5 年間で1,000 億円以上を投入し、鉄鋼業におけるデジタル先進企業を目指します。具体的には、データとデジタル技術を駆使して、以下のような生産プロセス改革および業務プロセス改革に取り組み、事業競争力を強化します。

第一に、「つくる力」の革新的な進化に向けて、AI・IoT等のデジタル技術の高度利活用によるものづくりのスマート化を進めます。この取り組みにより、ノウハウ等の暗黙知を含む当社技術の形式知化・標準化の拡大、自動化や予兆検知等を活用した労働生産性の向上、および生産技術の高度化による生産安定化と品質の更なる向上を実現します。また、国内に限らず海外拠点においても国内と同一レベルの操業・品質を確保する、遠隔操業マネジメントの基盤を構築します。

第二に、顧客対応力を高める施策として、受注~生産~納入までの統合生産計画プラットフォームを構築し、フレキシブルかつ最適な供給体制を強化します。更に、サプライチェーン情報等との連携へと発展させ、お客様への貢献等の新たな価値創出に取り組みます。

第三に、グローバルマネジメント基盤対策として、様々な経営情報やKPIをリアルタイムに把握し速やかな改善アクションを可能とする統合データプラットフォームを構築し、ビジネスインテリジェンス(データ基軸のマネジメント支援体制)を強化します。これにより、経営レベルから第一線までの意思決定の迅速化と課題解決力を向上します。

Ⅳ.投入計画、財務目標

1.成長の実現に向けた経営資源の積極的投入(2021年度~2025年度)

  • 1)

    強靭な国内生産体制を再構築するための投資、戦略商品の対応力強化に資する投資等を積極的に実施することとし、5年間で2兆4,000億円の設備投資を実施します。

  • 2)

    AM/NS Indiaの能力拡張施策の確実な推進および中国・ASEAN等における一貫製鉄所の買収・資本参加(ブラウンフィールド)の実行に備え、5年間の事業投資規模を6,000億円とします。

2.収益・財務体質目標、株主還元(2025年度)

経営計画の諸施策の実行により、国内需要の減少や海外市場における競合激化等の更なる環境悪化に備えるとともに、2025年度以降に本格化するゼロカーボン・スチール関連設備投資等を見据え、強固な財務体質(国際格付A格)を確保し、企業価値の回復を図るために、2025年度断面で、以下の指標を実現することを目指します。


2025年経営計画
売上高利益率(ROS) 10%程度
株主資本利益率(ROE) 10%程度
D/Eレシオ(*8) 0.7以下
配当性向 30%を目安
2020下期見込み
5.2%
約6%
約0.7
期末10円/株を予定

(*8)劣後債等の資本性調整後

日本製鉄グループは、今般策定した経営計画を着実に推進することにより、強靭な国内マザーミルと海外現地ミルを合わせて、グローバル粗鋼1億トン体制を構築するとともに、「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050~ゼロカーボン・スチールへの挑戦~」に果敢に取り組み、環境と成長の両立を図ります。

さらに、デジタルトランスフォーメーションによる業務・意思決定の効率化、ダイバーシティー&インクルージョンへの積極的な取り組み等を通じ、多様な従業員が誇りとやりがを持って活躍できる企業を実現します。

日本製鉄グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会に貢献するという基本理念に則り、以上の取り組みを通じて、将来に亘って日本の産業競争力を支える「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を目指して成長し続けます。

本資料は、金融商品取引法上のディスクロージャー資料でなく、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、本資料に記載された将来の予測等は、公表の時点で入手可能な情報に基づき当社が判断したものであり、不確定要素を含んでおります。従いまして、本資料のみに依拠して投資判断されますことはお控えくださいますようお願い致します。本資料利用の結果生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いません。

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