NAW-TEN®
鋼材の最大の弱点であるさびの問題をさびによって抑制する耐候性鋼は、橋梁をはじめとする鋼構造物のメンテナンス負荷軽減のため広く適用されてきました。しかし、海からの飛来塩分の影響が大きい地区においては必ずしも期待通りの効果が得られないケースが出てまいりました。そのような背景から1981年から1993年にかけて当時の建設省土木研究所、(社)日本橋梁建設協会、(社)鋼材倶楽部の3者で実施された長期的な全国曝露試験を含む検討からJIS耐候性鋼の適用基準が定められ、2000年の「道路橋示方書・同解説」にも“解説”されました。日本の国土の主要地域は殆ど海岸線に近いことから、これらの地域を結ぶ交通網も海岸からの距離は近くならざるを得ません。そこで“耐塩害性を高めた高性能”な鋼材へのニーズに応えた新しい耐候性鋼が3%ニッケル高耐候性鋼(15)です。弊社では、世界で最初にこの鋼材を開発し、1998年に日本鉄道建設公団殿(現、鉄道・運輸機構)北陸新幹線北陸道架道橋(仮称)で初めて採用され製造を開始しました。本鋼材の開発技術は、1999年度市村産業賞貢献賞、2009年にものづくり日本大賞優秀賞を受賞いたしました。

日本製鉄のニッケル系高耐候性鋼の特長
JIS 耐候性鋼適用規定外の環境においても優れた耐候性を発揮します。
化学成分以外はすべてJIS 耐候性鋼に適合します。
- JIS 耐候性鋼と同様、引張り強さ40~60キロのメニューをご提供しています。
- JIS 耐候性鋼と同等の機械的性質を保証しています。
- JIS 耐候性鋼と同等サイズの厚板を提供しています。
ニッケル系高耐候性鋼専用の溶接材料と高力ボルトも開発し、製作上の利用技術を総合的に提供していきます。
耐候性鋼利用技術の提供
耐候性鋼の適用に関して、より安全で安心なミニマムメンテナンス技術を実現すべく、トータルソリューション技術を提案していきます。
- 1従来の飛来塩分量に加え、温度・湿度・硫黄酸化物等の影響を考慮した腐食板厚減耗予測技術※
- 2初年度の腐食量を測定し腐食環境を定量化する“ワッペン試験片”
- 3維持管理のための診断装置として、さび膜・塗膜の環境遮断機能を迅速かつ簡便に定量測定するRST(RustStateTester)の開発
- ※2005年 土木学会 田中賞(論文部門)受賞
用途例

- 1橋梁名:北陸新幹線北陸道架道橋
- 2施主:日本鉄道建設公団(現、鉄道・運輸機構)
- 3所在地:新潟県
- 4橋梁形式等:箱桁・鋼管桁(4主)・橋脚
- 5鋼材耐候性グレード:V 15
- 6表面仕様:さび安定化補助処理
- 7鋼材製造年(撮影年):1998(2005.9)

- 1橋梁名:東橋
- 2施主:名古屋市
- 3所在地:愛知県
- 4橋梁形式等:鈑桁(5+5主)
- 5鋼材耐候性グレード:V 12、V 15
- 6表面仕様:さび安定化補助処理
- 7鋼材製造年(撮影年):2007(2013.6)

- 1橋梁名:神崎跨線橋
- 2施主:大分県
- 3所在地:大分県
- 4橋梁形式等:鈑桁(5主)
- 5鋼材耐候性グレード:V 15
- 6表面仕様:裸
- 7鋼材製造年(撮影年):2010(2013.11)

- 1橋梁名:宇都架道橋
- 2施主:鉄道・運輸機構
- 3所在地:長崎県
- 4橋梁形式等:箱桁・橋脚
- 5鋼材耐候性グレード:V 12
- 6表面仕様:さび安定化補助処理
- 7鋼材製造年(撮影年):2018(2022.12)
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