2022/06/01
日本製鉄株式会社
日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)は、このたび、一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)の「SuMPO環境ラベルプログラム」に基づく「エコリーフ環境ラベル」(*1)を「棒鋼工程省略鋼」・「線材工程省略鋼」(「以下、棒線工程省略鋼」)で追加取得しました。(2022年2月に「棒鋼製品」「線材製品」「棒鋼製品(建材)」「線材製品(建材)」にて品種包括的に取得済)
エコリーフ環境ラベルは、LCA(ライフサイクルアセスメント)手法を用いて、資源採取から製造、物流、使用、廃棄・リサイクルまでの製品のライフサイクル全体を考えた環境情報を定量的に開示するEPD(*1)認定制度の一つです。お客様はこれにより、使用する製品のライフサイクルでの環境負荷を客観的に評価することができます。
「棒線工程省略鋼」は、お客様での複数・多岐に渡る鋼材加工工程(熱処理・伸線・仕上加工等)の一部を省略することができる高機能鋼材です。鉄鋼製品製造においては、最終製品や部品としての品質要求特性を生み出すための鋼材加工工程においても相応のエネルギーを消費し、CO2が排出されます。日本製鉄ではその課題解決のために、当社製造段階において独自の熱処理や、製造工程の特別管理、微量元素添加などにより鋼材特性を引き出すことで、お客様での鋼材加工における一部の熱処理等の工程の省略を可能とし、お客様を含めたサプライチェーン一貫でのCO2排出量削減を本「棒線工程省略鋼」で実現しています。
今後もCO2排出量削減が社会・市場から求められていく中、今回エコリーフを取得した「棒線工程省略鋼」の活用によるCO2削減アクションは、お客様自身のGHGプロトコル・スコープ1(*2)削減を市場にPRいただくことを可能にします。日本製鉄は「棒線工程省略鋼」によるCO2削減に関してのご要望・ニーズに積極的な対応・サポートをしていきます。
日本製鉄が取得したエコリーフ環境ラベルは、2019年12月、H形鋼について最初に取得して以降、各品種・製品で取得を進め、現在計35件にのぼり、当社鉄鋼製品の大半をカバーしています。世界でカーボンニュートラルに向けた動きが加速しているなか、お客様から使用する素材までも含めた評価を受ける分野が増えております。日本製鉄は、今回の棒線工程省略鋼のように、加工段階も含めた社会全体のCO2排出量削減に寄与する高機能鋼材を提供することで、お客様の国際競争力を支えていきます。
日本製鉄は、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求するとともに、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した、リサイクル性に極めて優れ、環境に優しいサステナブルな素材である鉄鋼製品の環境性能開示に今後も積極的に取り組んでいきます。
(*1) エコリーフ環境ラベル
エコリーフ国際規格ISO 14025に準拠した「タイプⅢ環境宣言」いわゆるEPD(Environmental Product Declaration)の1つ。EPDは、宣言された製品の資源採取から製造、物流、使用、廃棄・リサイクルに至るまでの定量的な環境情報を示しており、(一社)サステナブル経営推進機構が管理運営している。企業活動におけるCO2削減目標や製品の環境負荷を定量的に設定・評価するための客観的な根拠として活用されています。
(*2) GHGプロトコル・スコープ1
GHGプロトコルとは、温室効果ガス(Greenhouse Gas:GHG)の排出量を算定・報告する際の国際的な基準です。
3つのスコープに分類され、スコープ1~3を合計したものがサプライチェーン全体におけるCO2排出量となります。スコープ1は、自社の燃料の使用に伴う排出(直接排出)です。
参考1;22/2ニュースリリース(日本製鉄が棒鋼・線材製品で「エコリーフ」環境ラベルを取得)
https://www.nipponsteel.com/news/20220202_200.html
参考2;SteeLinC®ブランドサイト
https://www.nipponsteel.com/steelinc/proposal/