技術開発
素材としての可能性を極限まで引き出すこと、
すなわち「鉄を極める」という目標に向け、私たちは挑戦し続けています
鉄の製造工程では不可避的に副産物として製鉄ダストが鉄分換算で約5%発生します。製鉄ダストには酸化鉄、炭素のほかに高揮発性の亜鉛等が含まれています。
当社は回転炉床式還元炉(RHF:Rotary Hearth Furnace)で高温・高速の還元処理によって製鉄ダストから還元鉄を製造し、同時に亜鉛等の金属類を分離回収するリサイクル技術を開発しました。亜鉛等の不純物を含む製鉄ダストの一部は従来製鉄所内でリサイクルできず、貴重な鉄資源と亜鉛が有効利用されずにいましたが、RHFでの製鉄ダスト処理技術を実現したことにより、全社の製鉄ダストを全量リサイクルできる体制を構築しています。
当社は、日本製鉄ステンレス(株)とともに、本技術の開発で第56回(平成21年度)大河内記念生産賞を受賞しました。
当社では、このプロセスを製鉄業における重要な環境・省資源技術として位置付けており、社内の設備を安定稼働させるとともに、国内外に広く普及していくことで、環境と人に優しい鉄づくりに貢献していきます。