技術開発
素材としての可能性を極限まで引き出すこと、
すなわち「鉄を極める」という目標に向け、私たちは挑戦し続けています
自動車の排気ガス規制は年々強化され、排気系統で使われる耐熱材にも高性能化が求められています。
エンジン排気側に位置するエキゾーストマニホールド(※1)は、1,000℃近い高温にさらされるため、耐酸化性と高温・高サイクル疲労特性(※2)などが求められています。当社では耐酸化性に有効なCr(クロム)およびREM(希土類元素)と、疲労強度に有効なN(窒素)を最適添加したオーステナイト系ステンレス鋼“NAR®-AH-4(23%Cr-11.5%Ni-0.2%N-REM)”を開発し、2重構造マニホールドの内管に採用されています。
今回開発した鋼は米国ASME(American Society of Mechanical Engineers:アメリカ機械工学会)の材料規格を取得しており、各種工業炉、製鉄設備や発電プラントなど様々な分野に広がっています。
※1エキゾーストマニホールド:エンジンから出る排気ガスを集合し排気管へと流す部品
※2高温高サイクル疲労:高温で金属が繰り返し応力を受けたときに生じる強度の低下