2023/12/19
日本製鉄株式会社
日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)は、磯焼けの原因の一つとされる鉄分不足※1の解消による藻場の再生・回復を通じた、生物多様性保全と地球温暖化防止への貢献に向け、鉄分を供給する鉄鋼スラグ製品「ビバリー®ユニット」を実海域に設置する取り組みを行ってきました。本年2023度は、新規15カ所を含めた合計21カ所※2の漁業協同組合や自治体と協業し、実証試験を開始します。
昨年2022年度は、北海道(増毛町、泊村、古平町、鹿部町)、宮城県(女川町)、三重県(志摩市)の6カ所の海域でビバリーユニットを施工しました※3。各海域の漁業協同組合の方々から「全体的に藻場の状態が良くなり、ビバリーユニットの効果を認識した(北海道鹿部町)」、「施肥を行わなかった対象区と比較し、明らかに繁藻している(三重県志摩市)」、「ウニやアワビの実入りが良くなった(宮城県女川町)」などの声が寄せられており、繁藻を確認することができました。
今年度施工する21カ所の海域では、鉄分施肥材の設置前後での海水中の鉄分濃度の変化、海藻の成長の継続的な状況調査を行うことで基礎データを集積し、更なる藻場造成促進を図っていく予定です。
日本製鉄は、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した活動(「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」)を通じて、これからも社会の発展に貢献していきます。
※1 磯焼けの原因の一つとされる鉄分不足:
海藻のライフサイクルにおける成長(配偶体・胞子体の成熟)には、Feイオンが必要であることが知られています。日本の沿岸海域で過去数十年にわたり進行している「磯焼け」は、Feイオンをはじめとする栄養塩の不足が原因の一つとされています。
※2 今年2023年度に施工実施した21カ所の概要(予定も含む、★印は新規協業先15カ所)