2023/01/31
日本製鉄株式会社
日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)の意匠性チタンTranTixxii(トランティクシー)が、広島県安芸郡熊野町の氏神である榊山神社(熊野町指定文化財)の令和改元奉祝事業における本殿保存修理工事にて本殿屋根材に採用されました。さらに、小屋組(屋根裏の木組み)の修理では日本製鉄製純チタンを使用したチタン製和釘が世界で初めて採用されました。
熊野町に鎮座する榊山神社は、承平3年(933年)宇佐八幡宮より勧請*されたとされる、約1100年の歴史を誇る神社です。今回の本殿保存修理工事では、日本製鉄の意匠性チタンTranTixxiiの持つ耐食性、意匠性を榊山神社 宮司 梶山望氏に評価頂き、金色の屋根材として採用されました。さらに、小屋組の修理で使用される和釘については、日本製鉄と久住商店(三重県伊勢市)とで共同開発した純チタン製和釘が、康和建工株式会社(広島県安芸郡熊野町)代表取締役であり、宮大工棟梁の三村康久氏の目に留まり初採用されました。
屋根材には、銅葺き以前は檜皮葺きであったとの調査結果を元に、光の加減で檜皮葺きを想起させる茶色に見えるよう、チタン特有の発色により落ち着いた金色を実現しました。煌びやかで荘厳な美しさを後世へと引き継ぎます。また、純チタン製和釘については、チタン本来の特性である軽量・耐食性に加えて、和釘としての強度としなやかさのバランスが良く、このため、打ち込みのインパクトを受け、軸がしなることにより木の組織の硬軟に沿って潜り込み、抜け難さに繋がる事が試験データから推定されています。
全国に社寺は約16万社あり、建物のメンテナンス費用や職人の人手不足など維持管理に関する課題が多く聞かれます。日本製鉄は、耐食性・耐久性に優れたチタンによる長期的なメンテナンス負荷低減と、加工性にも優れた意匠性チタンTranTixxiiによる容易な施工などのソリューション提供を通じ、素材の面から伝統建築の継承に貢献します。
意匠性チタンTranTixxii は、独自の技術によって様々な色彩・色調を表現する、時を超えて“伝統”と“美しさ”を次世代に伝える世界初のチタンブランドです。日本の伝統的な神社仏閣をはじめとして、日本国内及び海外の著名な劇場やホテル、美術館、教会等、約700件以上の建造物に採用されてきた実績があります。
日本製鉄は、常に世界最高の技術とものづくりの力を結集し、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した活動(「11.住み続けられるまちづくりを」のターゲットである「世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する」)を通じて、これからも社会の発展に貢献していきます。
*本祀(し)の社に祀られている神の分霊を迎えて、新しく設けた分祀の社殿に迎え入れて祀ること
【物件概要】