国指定の名勝で初のチタン材採用

2019/01/17

新日鐵住金株式会社

国指定の名勝で初のチタン材採用


 新日鐵住金株式会社(以下、新日鉄住金)のチタン材が、鵜戸神宮(宮崎県日南市)住吉神社の屋根材として採用されました。施工面積は約20㎡で、江口板金工業株式会社(宮崎県都城市)施工のもと、銅製からチタン製(緑青発色)への屋根葺き替え工事が完了致しました。鵜戸神宮を含む鵜戸地区一帯は国の名勝に指定されており、今回の葺き替え工事は名勝内の建築物への建材用途としてチタンが初めて採用された事例となります。

 今回チタン材が採用なったのは、鵜戸神宮の洞窟内本殿脇にある住吉神社と、楼門すぐ近くの吾平山上陵(あひらのやまのうえのみささぎ)の看板屋根です。
 鵜戸神宮は、日向灘に面した風光明媚な国定公園日南海岸内にあり、自然の神秘な洞窟の中にご本殿が鎮座している珍しい神社です。海に面していることにより、銅製屋根葺き替え後わずか数年で腐食が始まってしまう厳しい塩害地域で、25~30年毎に屋根改修を行っており、建物の維持管理・保護に長年苦労されてきました。

 今回、塩害に強く長期的に建物を保護し、維持管理費用の軽減に貢献する点に加えて、新日鉄住金の伝統建築に相応しい緑青発色チタンの外観が評価され、チタン材への葺き替えが実現しました。今後、県指定文化財である鵜戸神宮本殿屋根を含む神宮内の他建物へのチタン採用も協議してまいります。また、日本全国で同様の課題をもつ沿岸部の建築物への適用拡大を進めていくことで、日本古来の伝統建築の保護に貢献していきたいと考えています。

 チタン材は、潮風や紫外線に対しても他素材と比して高い耐久性を有しています。加えて、新日鉄住金のチタン材は、建築物の外装材として使用した場合、酸性雨による変色が起きにくく、緑青発色等の意匠性に加え、これまで浅草寺の宝蔵門・本堂・五重塔などで採用された瓦意匠のラインナップを保有し、伝統建築意匠の美しさを追求します。

 新日鉄住金は、チタンの基本特性である軽量(比重は、鉄の60%、銅の50%ほど)特性を活かして「安全・安心」(高所建設作業の効率化・工期短縮、耐震性向上による躯体構造への負荷軽減、環境親和性向上等)に貢献することに加え、当社意匠チタンTranTixxii® https://www.nipponsteel.com/product/trantixxii/ の豊富な意匠性やすぐれた耐久性、耐変色性による「LCC改善」(メンテナンス負荷軽減)を実現しています。今後も、チタン製品の国内外への普及に向け、引続き努力してまいります。


≪写真 鵜戸神宮住吉神社 工事前とチタン屋根≫

葺き替え工事前の住吉神社屋根


チタン葺き替え工事後の住吉神社



【鵜戸神宮住吉神社概要】

所在:宮崎県日南市
チタン使用部位/工法:屋根/チタン一文字葺き 
チタン使用面積:約20㎡
チタン使用量:約50Kg
仕上:緑青仕上げ(アルミナブラスト+発色)
竣工:2018年12月(遷座祭)
屋根工事:江口板金工業株式会社


(お問い合わせ先)
総務部広報センター  TEL:03-6867-2977
チタン・特殊ステンレス営業部建材室  TEL:03-6867-5635

以 上








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