環境に優しく高性能な低炭素鉛フリー快削鋼の開発で文部科学大臣表彰を受賞

2015/04/07

新日鐵住金株式会社

環境に優しく高性能な低炭素鉛フリー快削鋼の開発で文部科学大臣表彰を受賞

 新日鐵住金株式会社(代表取締役社長:進藤孝生 以下、「当社」)が開発した鉛を使用しない環境対応型高性能低炭素快削鋼が、「平成27年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)」を受賞しました。本賞は科学技術に関する開発、理解増進等において顕著な成果を収めたものの功績を讃える賞であり、当社は平成19年度から9年連続での受賞になります。
 なお、当社棒線事業部では、2014年10 月よりSteeLinC®ブランドの下、当社の高い製品・利用加工技術の活用拡大を通して、国内外のお客様における「高強度・軽量化」、「工程省略・易加工性」、「環境対応」ニーズにお応えし、世界経済の成長や循環型社会の構築に貢献すべく取り組んでおります。今回の受賞を契機に、一層の取り組み強化を推進して参ります。
参考)SteeLinC®ウェブサイト
      https://www.nipponsteel.com/steelinc

1.受賞内容

(1) 受賞名 : 平成27年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)
(2) 受賞件名: 鋼中鉛を排した環境対応型高性能低炭素快削鋼の開発
(3) 受賞者 : 技術開発本部 八幡技術研究部 上席主幹研究員 橋村  雅之
八幡製鐵所 棒線部 棒線管理室    主幹 長谷川 達也
名古屋支店               部長 新保  泰広
技術開発本部 鉄鋼研究所 棒線研究部 主幹研究員 松井  直樹
八幡製鐵所 棒線部 棒線管理室  宇野  光男
※受賞者の所属は2015年3月時点

2.開発の背景
 電子機器の高精度部品の材料には高精度・高能率加工が可能な低炭素硫黄-鉛快削鋼が多く使用されてきましたが、廃棄物中の鉛に関するグローバル規模での環境規制に対応するため、鉛を使用しない快削鋼の開発が求められてきました。

3.開発の内容
 良好な切削性を確保するポイントは、切削時の工具上への付着物「構成刃先」を最小限に抑制することです。従来はマンガン硫化物(MnS)と鉛を複合添加することで切削性を確保しておりましたが、開発した低炭素硫黄鉛フリー快削鋼は、鋼中マンガン硫化物(MnS)を従来の1.5倍以上に増量し、最適な形態に制御したMnSを均一分散させるなどの成分設計や製造技術などにより、高精度・高能率加工が可能な快削鋼を開発したものです。

4.開発した低炭素鉛フリー快削鋼の特徴・効果
 切削時の工具との切削抵抗が鉛入り快削鋼との比較で同等以上であるため、切削工具の長寿命化に効果を発揮します。

 開発した低炭素鉛フリー快削鋼は、近年、継続的に2~3万トン/年を供給しており、最終製品のクリーン化、高品質化、コスト低減および製造時に生じる鉛含有廃棄物の減少など、環境負荷低減に大きく貢献しております。


<一般の切削状態>
~構成刃先が大きくなりがち~
<低炭素鉛フリー快削鋼>
~構成刃先が最小限に~

(お問い合わせ先)総務部広報センター TEL:03-6867-2146

以 上



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