2014年 年頭にあたって(社員向けトップメッセージ:社長兼COO 友野 宏)
2014/01/06
新日鐵住金株式会社
2014年 年頭にあたって
(社員向けトップメッセージ:社長兼COO 友野 宏)
新会社がスタートして2回目のお正月を迎えました。昨年は3月に中期経営計画を発表し、4月に社員行動指針を策定しました。皆さんの頑張りのお陰で、旧両社の枠を超え、製鐵所の枠を超えた統合シナジー効果も日を追って拡大し、「グッドスタート」を切る事ができました。今年4月には、製鐵所組織の統合・再編成、マネジメントグループに続いて全従業員の人事処遇制度の統合、業務システム統合の第一弾が控えております。より強い一体感により、「総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカー」を目指して諸施策の実施を加速して参りたいと思います。
本日は、年のはじめにあたって、皆さんに3点お願いします。
一つ目は、2013年度収益最大化の為、年度の残り3カ月間それぞれの持ち場でそれぞれの課題に挑戦して頂きたいと言う事です。営業部隊には受注の価格及び構成改善に、より一層の頑張りを期待致します。また、繁忙感がある今こそ製造部隊の腕のふるいどころです。キーワードは安定操業です。2013年度通期の連結経常利益の見通しは3,400億円と公表しておりますが、間接部門のサポートやグループ会社各社の貢献を含めた総合力で、更なる上積みを狙っていきたいと思います。
二つ目は、中期経営計画の着実な実行であります。アベノミクス効果や東京五輪開催決定など、国内の足元環境は追い風基調です。2014年はこの追い風をしっかりと受け止めて計画を早期に上積み達成すべく、「前に倒して上に積む」をキーワードに取り組んで下さい。また、中期経営計画で予定されている諸施策を着実に実行するとともに、今月下旬からの戸畑第四高炉改修をきちんとやり遂げる事が重要です。加えて、製造基盤整備の推進、海外プロジェクトの戦力化と収益力の強化も遅滞なく進めていかねばなりません。
近い将来に東アジア地域で次々と最新鋭設備が立ち上がり、供給能力が大幅に増加します。我々も生き残りを賭けたより激しい競争に直面することになります。この競争を勝ち抜くためには、中期経営計画の早期前倒し達成に邁進するのと同時に、その先の課題抽出、対応案の検討にも速やかに取り組む必要があります。その際皆さんにお願いしたいのは、長期の視点を持って頂きたいと言う事です。今から10年後、20年後といった長期に自分の担当分野で起こり得る課題やその中での自部門の有るべき姿を考え、議論する時間を大切にしましょう。長期間の課題が整理出来れば、短期や中期の時間軸で為すべき事をより正確に捉える事が出来ます。我々はともすれば今日明日やるべき業務に忙殺され、長期の課題解決を考える事を後回しにしがちですが、企業価値の根幹は長期価値です。その長期価値を最大化させる為に、じっくり・しっかり考えたいと思います。そして徹底的に考え、議論して結論を出したら、スピーディーに実行につなげましょう。
三つ目は安全とコンプライアンスの徹底です。昨年も各製造箇所を訪問し、現場の皆さんと対話させて頂きました。それぞれの現場で懸命に安全水準向上に取り組み、汗を流している皆様の努力に敬意を表するとともに、感謝しております。無災害の達成の為には、奇手・奇策はありません。必要なのはルール遵守の「徹底」です。当たり前の事を手抜きをせずにちゃんとやる。自ら徹底してルールを守り自らの身体、生命を守るとともに、周りにも徹底し大切な仲間の身体、生命を守って下さい。
コンプライアンスの欠如による不祥事が企業基盤を脅かす事態に陥るニュースは世の中では枚挙にいとまが有りません。そうした事件の背景には「会社の為に良かれと思って」とか「この世界では常識」との感覚があったのではないかと思います。皆さんも仕事を進める上で疑問を感じる事があれば躊躇せずに声を上げて下さい。それが自らを守り、会社を守ります。
労働組合におかれましては、中期経営計画の諸施策、製鐵所組織の統合・再編成、構造改革、そして安全・衛生への取り組み等々会社施策への全面的なご理解、ご協力を頂き、誠にありがとうございます。「総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカー」の実現を目指し、コミュニケーションを密にして共に進んで参りましょう。
皆さんどうぞ自らの現場に立ち、五感をフルに使って、それぞれの分野のプロとして明るく、元気に、そして前向きに伸び伸びと腕をふるって下さい。年の最後に「今年は充実した良い一年だった」と振り返る事が出来るようにしっかりと仕事に取り組みましょう。
以上