国内最大級 極厚用試験設備を導入
2005/08/04

国内最大級のDWTT試験機が8月4日、機械試験センターで稼働しました。DWTT試験とは、大型の衝撃試験機で試験片を破断した時の延性破面率と衝撃吸収エネルギーで低温域での鋼の靭性を評価するものです。
既設の振り子式ハンマーで試験片を破断する試験機の容量は3万Jと小さく、試験可能な板厚も22ミリが限界でした。従って、厚手材の場合には19ミリまで減厚加工してから試験していたので、試験片加工負荷が高い上に、仕様よりもさらに厳しい温度での試験が要求されていました。
ラインパイプ材の使用環境が厳しくなる中で、高強度・厚手化の要求は高まり、正確な衝撃吸収エネルギーの値だけでなく、衝撃時の亀裂伝播度合いを正確に評価できる試験機が必要となっていました。
今回5万J~10万Jまで容量可変のDWTT試験機を導入したことで、550Nクラスで最大板厚60ミリまでの破断と、約0.1秒という短時間での鋼の破壊プロセスを解析することが可能になりました。
合金鉄の高騰が続く中で、この試験機は品質設計コストの一層の低減と試験工期の短縮、高強度高靭性鋼板の開発にも寄与するものです。