大河内記念生産賞を受賞-RHFによる製鉄ダスト類リサイクルプロセスの開発
2010/03/12
還元鉄ペレットを高位安定生産するRHF

大河内生産賞の盾
当社は、新日鐵住金ステンレス株式会社とともに、(財)大河内記念会(理事長:吉川弘之氏)より、「回転炉床式還元炉(RHF=Rotary Hearth Furnace)による製鉄ダスト類リサイクルプロセスの開発」で、第56回(平成21年度)大河内賞「大河内記念生産賞」を受賞しました。両社は世界で初めて、製鉄プロセスで発生するダスト(製鉄ダスト)を利用して再資源化する技術を開発し、全社の製鉄ダストのゼロエミッション化体制を整えました。
大河内賞の贈呈式は3月12日に日本工業倶楽部で行われ、当所からは技術開発に尽力したダストリサイクルグループの織田博史グループリーダーと廣松隆マネジャー、原料体質強化グループの川口卓也リーダーが出席して表彰を受けました。
製鉄プロセスでは不可避的に副産物として製鉄ダストが鉄分換算で約5%発生します。製鉄ダストには酸化鉄、炭素の他に高揮発性の亜鉛などが含まれているため、鉄源としてリサイクルするには、これを除去する必要があります。
今回受賞したプロセスは、亜鉛などの不純物を含む製鉄ダストのリサイクル処理をRHFで実施するものです。RHFは低品質のダスト類を原料として、高エネルギー効率で還元鉄と粗酸化亜鉛を分離回収してリサイクルすることを可能にしました。2000年に当所と広畑製鐵所で実機化し、当所では合計3基のRHFが順調に稼働しています。
現在は当社と新日鉄住金ステンレスにて7基のRHFを操業しており、当社は社内で発生する製鉄ダストを全量リサイクルできる体制を構築しています。
同プロセスが、環境・省資源に優れていること、安定操業技術の確立による安定生産と高生産性を実現していること、国内外で広く普及していることが評価され今回の受賞に結びつきました。
※大河内賞は、故大河内正敏博士の功績を記念して、大河内記念会がわが国の生産工学・高度生産方式の実施等に関する顕著な業績を表彰する伝統と権威のある賞で、当所が関係した案件での受賞は今回で6回目。
受賞者コメント