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日本製鉄は長年、日本の鉄道技術の発展と共に歩んできました。
より速く、より安全に、より、快適に。鉄道を支える鉄鋼技術を紹介します。

新幹線用輪軸

車輪

高速車両では時速300キロを超え、地下鉄や近郊電車では加速や制動の性能要求が高まり、車輪の使用条件はますます過酷になっている。日本製鉄の車輪は、優れた製鋼技術によって世界最高水準の清浄度を誇り、高度な熱間成形・加工・検査技術によって一貫した品質管理を行い、長年の実績とともにお客様の信頼を得ている。国内はもとより海外にも高品質で高付加価値な車輪を供給している。

ブレーキディスク

すべての新幹線車両に使われており、新幹線用フィン付き鍛鋼ブレーキディスクの開発では機械学会賞を受賞。さらに2013 年2 月8 日に運転を開始するN700A には、新開発の中央締結ブレーキディスクが採用された。危険を察知したときに少しでも早く停車でき、安定したより強いブレーキ力を可能にする。従来品に比べ20%以上の軽量化に成功し省エネルギーへの貢献とともに、乗り心地の改善にも効果を発揮する。

車軸

車軸は車輪とともに輪軸を構成する部品のなかで、安全性の点で最も重要な部品のひとつです。当社は、1916年に車軸の製造を開始。その後、車両の高速化にともない、使用条件が苛酷化するなかで、安全性のきわめて高い高周波焼入車軸を開発し、新幹線をはじめとする高速・高荷重の車両に広く使用されてきました。さらに、ばね下重量の軽減を目的として中ぐり車軸を開発し、省エネルギー、乗り心地の向上にも大きく貢献してきました。

駆動装置(歯車)

モーターなどの動力を、歯車を介して車輪に伝達する装置。日本製鉄の駆動装置は新幹線などの 高速車両をはじめ多くの鉄道車両に採用されている。高速車両用駆動装置では歯車ケースにアルミ合金を用い約10%の軽量化を実現。また、高度な歯車解析技術を駆使した設計や無響音環境下の高速負荷試験設備を活用して、低騒音化ニーズにも応える駆動装置の開発を進める。

台車

操舵台車

カーブでの車輪とレールの滑りを減らすために、日本製鉄はお客様と共に操舵台車を開発した。自動車がカーブに沿ってハンドルを切るように、カーブ通過時に車軸が自動的に舵を切る仕組みで通常の台車よりもカーブをスムーズに走ることができ、キシリ音を抑えた。

PQモニタリング台車

日本製鉄、日鉄テクノロジー(株)、東京地下鉄(株)、(独)交通安全環境研究所が共同開発したPQモニタリング台車は、世界で初めて営業運転中に脱線係数を測定することを可能にした。脱線係数は車輪とレールとの間の潤滑や表面状態、温度や湿度によっても変化する。PQモニタリング台車は軌道を監視し、その変化を分析することで、保守に役立ち、安全性のさらなる向上に寄与している。

レール

新幹線のレールには1メートル当たり重量が60 キロという最も重い最高品質のレールが採用され、強度と耐久性が確保されている。さら時速300 キロ走行が始まると、レールの凹凸の許容範囲がプラスマイナス0・3ミリ以下という高い精度が求められる。日本製鉄ではレーザーを利用した形状検査装置を導入して高精度な品質管理を実現し、新幹線の安全な高速走行を支えている。