藻場再生事業「海の森づくり」プロジェクト
海藻繁茂の定着を目指す!
当社は鉄の力で藻場を復活させる「海の森づくり」プロジェクトに取り組んでいます。三重県志摩市での実証事件の概要と、当地の漁業権管理委員会代表へのインタビューをお届けします。

三重県志摩市 船越浜におけるビバリー®シリーズ実証実験概要

当社は2022年秋より船越浜にてビバリー®ロックの設置、ビバリー®ユニットの埋設による実証実験を行っています。試行錯誤しながら実証実験を継続し、2025年5月現在、ビバリーロックを設置した6つの観察区域において、計約3,400株のカジメ、サガラメ(暖海性のコンブ類)などの海藻類の繁茂が確認されました。
船越漁業権管理委員会代表であり、現役の海女である寺田勝さんへのインタビュー

最近の船越の漁獲状況や、取り巻く環境について
昔、船越では多くの海女が生計を立てていましたが、今は10人足らずしかいません。理由は藻場がなくなり、アワビ、サザエの漁獲高が落ち込んでいるためです。サザエは雑食のためまだ捕れていますが、特にアワビはカジメ、サガラメなどの海藻類をエサとしているためまったく捕れなくなってしまいました。
どうして海藻がなくなったのでしょうか?
大学の先生は、海に栄養分がなくなったことを原因に挙げており、黒潮の蛇行や長良川の堰き止めによる影響もあるのではないかとおっしゃっています。船越の北側の伊勢湾方面には藻場がまだ少し残っており、多少のアワビも捕れますが、この辺りはまったく捕れなくなりました。
ビバリーシリーズ実証実験をして変化はありましたか?
実証実験3年目の今年は約3,400株も繁茂し、大変びっくりしました。ほかの地域の海女とも話していますが、こんなに海藻が生えることはありえません。今後は、核藻場を成長させ、さらにビバリーロックを増やしていきたいですね。定着した核藻場から毎年海流に乗って胞子が流れ、より多くの藻場を増やすことが持続可能な環境づくりに大切だと思っています。
今後の期待について
海女はアワビを捕ることが夢。アワビを捕るときの宝物をとったようなドキドキ感をまた味わいたいですね。志摩は「美味し国」と呼ばれ、アワビ、イセエビ、サザエ、トコブシ、ワカメ、アラメなどの食材の宝庫で、荒い波にもまれて実入りが良く、とにかく美味しいと評判でした。海藻藻場を増やし、再び船越の漁業の活性化につなげたい。そして、船越がモデル地区となり、志摩の他地区にも取り組んでもらいたいと思っています。

