新日鉄ハット形鋼矢板 + H形鋼工法が港湾工事に初採用 ~グアム島内の港湾埠頭改修工事にて順調に施工中~
2012/06/21
新日本製鉄株式会社(社長:宗岡正二 以下、「当社」)は、米国HEALY TIBBITTS BUILDERS,INC./WATTS CONSTRUCTORS/大林組JVから受注し、米国グアム島内の海軍軍港の港湾埠頭改修工事(Guam Apra Wharf Improvement Project)向けに、ハット形鋼矢板ならびにH形鋼約8千トンを納入いたしました。本工事では、ハット形鋼矢板とH形鋼を組み合わせた高耐力構造である、「新日鉄ハット形鋼矢板 + H形鋼工法」が採用されました。本工法が港湾工事で採用されたのは初めてであり、現在、上記JVにより順調に施工が進められています。
本工事は、米国グアム島内の埠頭リニューアル(既設岸壁の改修等)を目的に実施されるものです。当社は、欧州の設計規格に基づく当初の構造案に対して、岸壁構造の主要部材として、新日鉄ハット形鋼矢板 + H形鋼工法を提案し、採用されるに至りました。
採用に至った背景として、下記が挙げられます。
(1)本構造は、ハット形鋼矢板の背面にH形鋼を溶接することで高耐力を実現した構造であり、サイズ
メニューが豊富なH形鋼と組合せることで部材コストを最適化できること。
(2)同一形状の部材のみで岸壁の延長方向に壁体を構築できるので、周辺地盤を乱すことなく安定化を
図ることができること。
(3)ハット形鋼矢板とH形鋼を溶接するのみの部材なので、施工現場近くのヤードで簡単に一体化で
き、コスト・工期を最適化できること。
(4)部材の先端が閉塞していないY字状であるため、筒型形状をしている従来の大断面鋼矢板に比べ
打設時の抵抗が少なくなります。そのため、迅速な施工を実現でき、ウォータージェット等の
補助工法も不要ですので、土壌・水質汚濁の懸念がないこと。
本工法が米国の建設工事に採用されたのは今回、初めてであり、フィリピン共和国円借款案件パシグ・マルキナ川河川改修事業での採用に次ぐ、大型受注になります。当社は、今回の米国での納入実績をはじめ、これまでの技術提案、納入実績を活かし、今後とも新興国のみならず、米国等の海外建設市場においても幅広く提案活動を行い、各国の社会資本整備に貢献して参ります。
(お問い合わせ先)
総務部広報センター TEL:03-6867-2146
建材開発技術部海外建材技術グループ TEL:03-6867-6355
以 上