国内最高レベルの設計強度700N/mm2の建設用プレスベンド鋼管が東京スカイツリーゲイン塔に採用

2010/12/16

 新日本製鐵株式会社(社長:宗岡 正二)が開発した降伏強度700N/mm2級の高降伏点鋼管「PHYP700PB」が、「東京スカイツリーⓇ」(事業主主体:東武鉄道(株)・東武タワースカイツリー(株)、設計・監理:(株)日建設計、施工:(株)大林組)のゲイン塔に採用されました。本体塔での降伏強度400N/mm2の「PHYP400PB」、500N/mm2の「PHYP500PB」に続き、建築構造用鋼管として国内最高レベルの設計強度(降伏強度)を持つ鋼管が、高さ634メートルの電波塔を支えます。
 ゲイン塔(併催図1参照)の中で最も大きな荷重を支える脚部には、設計強度630 N/mm2級の鋼材が求められており、このたび、降伏強度700N/mm2級のプレスベント鋼管(*)が採用されています。外径1,200mmで板厚が60mmと80mmの2種類の鋼管が、計250トン採用されました。この他にもPHYP500PB含めて、ゲイン塔で計900トンを受注し、今年4月に全量、納入を完了しております。
(*)プレスベンド鋼管:厚板をプレスにより円筒形に成形した後、継目を溶接してできる鋼管で、建築構造用としては、主として極厚な柱や外径の大きな柱に用いられる。

超高層建築部の柱部材用に開発した建築構造用高降伏点鋼
 「建築構造用高降伏点鋼」は、超高層建築物の柱部材用として当社が業界に先駆けて開発した新しいコンセプトの鋼材です。建築構造用鋼材に求められる溶接性・靭性を確保したまま、構造設計上の強度である降伏点(鋼材が変形し始めるまでの強さ)を従来の鋼材より大幅に高めた鋼材です。
 新鋼材がもたらすメリットは、高い設計強度を活かした柱部材の薄手化・軽量化です。柱の本数自体を減らすことも可能でフレキシブルな開放感ある空間を実現します。さらには、製造・輸送・加工の各段階でのCO2排出量の削減など、環境面でもメリットをもたらします。
 当社は降伏強度400N/mm2ならびに500N/mm2の鋼材を開発し、11件の建築物に累計15,000トン採用されてきましたが、従来の最高強度クラスの鋼材(降伏強度630N/mm2)についても高降伏点化を進め、降伏強度を1割強引き上げて700N/mm2のプレスベンド鋼管を開発しました。

                (お問い合わせ先)総務部広報センター TEL03-6867-2146,2135

                                            以 上

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