新日鉄の高耐食性鋼管「マリロイ鋼管」が船舶のバラスト管に本格採用

2010/03/03

 新日鉄の高耐食性鋼管である「マリロイⓇ鋼管」が船舶のバラスト管に本格採用されます。マリロイⓇ鋼管は、海洋での腐食に強く、防食塗装などのコストの低減につながることから、これまでタンカーの荷油管で多くの採用実績がありますが、今般、アイ・エイチ・アイマリンユナイテッド(当時は石川島播磨重工業)建造船での15年間の適用評価を踏まえ、該社建造船のバラスト管に本格的に採用されることになりました。

 新日鉄のマリロイⓇ鋼管はMARINE(海洋)とALLOY(合金)を語源とし、海洋での耐食性を高めるために1%のクロムを添加した鋼材です。クロムの添加により表面の錆層が地金への酸素の侵入を抑制する効果をもたらし、普通鋼に対し腐食の進行を半分以下に抑えます。鋼管の種類はシームレス鋼管、大径溶接鋼管(UO)および電縫鋼管(ERW)があり、外径サイズはφ76.2mm~φ762mmまでの製造が可能です。マリロイⓇ鋼管を船舶に無塗装で使用することで、建造時の塗装工程の省略、建造工期の短縮、航海後の補修塗装などのランニングコストの大幅削減を実現します。1991年の販売以来、国内外の船主や造船会社から高い評価を得ており、特にタンカーの船内タンクにオイルを通す荷油管用途として累計で4万t以上の実績をあげています。

 船舶の安定性を維持するためバラスト水を船体に引き込むバラスト管は、管内面を海水が通るため腐食環境が非常に厳しい用途です。このバラスト管への適用を進めるべく、アイ・エイチ・アイマリンユナイテッド建造のタンカーに初めて実験的に採用しましたが、その後15年間の経年評価の結果が極めて良好であったことから、アイ・エイチ・アイマリンユナイテッドがバラスト管への本格採用に踏み切りました。

 バラスト管は荷油管と違い、様々な船種で使用されていることから、今後タンカーだけでなく鉱石運搬船、自動車運搬船等への横展開を図り、マリロイⓇ鋼管の需要拡大を推進していきます。


(お問い合わせ先)総務部広報センター TEL:03-6867-2135

                                 以 上

〈詳しい資料はこちら〉


このページの上部へ

ここからフッター情報です