【G】日鉄コンポジット(株) シールドトンネル分岐合流部施工法「セグメント切削シールド工法」~切削可能なセグメントを実用化~

2009/07/09

炭素繊維格子筋

切削実証試験

 新日鉄グループの日鉄コンポジット(株)と前田建設工業(株)は、非開削工法で道路トンネルの分岐合流部を構築する技術として「セグメント切削シールド工法」の開発を進めており、この度実用化に向けた一連の性能試験および試設計を完了しました。

(開発の趣旨)
「セグメント切削シールド工法」は、切削可能なセグメントで先行トンネルを構築した後に、後行するシールド機で先行トンネルを直接切削し、2つのトンネルを結合することで分岐合流部を構築する工法です。
これにより、
 1)地中だけの作業で2つのトンネルを結合できること、
 2)道路トンネルにおける分岐合流の構造幅を最小にできること、
 3)地山の露出を最小限に抑え、補助工法の範囲を大幅に
   縮減できること、
が可能になり、大幅な環境負荷の低減や工費・工期の短縮が図れます。

(開発の主な内容)
 本工法の実現にあたり、シールド機で直接切削可能なセグメントを開発することが主要なテーマとなります。この解決手段として、従来のコンクリート骨材に代わる切削可能な材料として「軽量骨材」を、鉄筋に代わるものとして「炭素繊維」を選定しました。この炭素繊維はNOMSTとして実績のある材料で、より切削性を考慮して細径にしたものを用いています。配力筋と一体化した格子状の薄板を複数枚重ねることにより太径と同等の性能を発揮します。これらの材料を用いて模擬トンネルを製作し、推進機で切削貫入する試験を行い、当工法の実効性を確認しました。
 また、これらの材料を用いた外径φ12m級の大口径セグメントを製作し、構造部材として
 1)通常の鉄筋コンクリートと同様の性能を持つこと、
 2)従来の設計方法が適用できること、
を確認しました。
継手に関しても従来の継手金物の代わりに「つきあわせ継手」「部分ほぞ継手」を選定しました。これらは、セグメントのコンクリート接合面に作用する大きな圧縮力により回転やせん断に対して抵抗性を発揮する、金物を用いない切削可能な継手構造です。これらの継手構造について、性能、設計方法を確認しました。

 これらの成果により、本工法が道路トンネルの分岐合流部構築技術として実用可能であることが確認されました。今後は、周辺への環境負荷の低減と建設コストの縮減を両立した大深度地下におけるシールド工法の分岐合流技術として、積極的に提案していく所存です。

問い合わせ先
日鉄コンポジット(株)土木営業部
 林田 道弥 Tel. 03-5623-5557

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