大径鋼管・鋼管矢板用の機械式継ぎ手(ラクニカン)の本格販売開始

2002/07/09

 (株)クボタ(社長:土橋芳邦)と新日本製鐵(株)(社長:千速晃)は、大径鋼管杭・鋼管矢板用の機械式継ぎ手(商品名:ラクニカン)を開発完了し、本年1月に財団法人 土木研究センターの建設技術審査証明を取得しましたが、今般、製造体制が整いましたので本格販売を開始します。

 鋼管杭や鋼管矢板の現地接合は溶接が一般的ですが、工程が雨天や風などの影響を受けやすく、施工品質が溶接工の技量に依存する中、溶接工の高齢化も問題となっております。クボタと新日鉄は平成11年10月より、現地溶接に替わる新工法の共同開発を進めてまいりました。
近年、土木分野での径500mm程度以下の鋼管、たとえば地滑り抑止杭の現地接合にはネジ式継ぎ手が商品化され、施工能率の改善に寄与しております。しかし、高架橋基礎杭や鋼管矢板用の鋼管は、一般に鋼管径が800~1200mmであり、このサイズに対応可能な機械式継ぎ手は実用化されておりませんでした。

 今回、クボタと新日鉄が開発した「ラクニカン」は、鋼管径800~1200mmに対応可能な初めての機械式継ぎ手であり、荷重伝達用のキーを挿入することで鋼管を接合する構造です。
[1]対象鋼管の母材強度以上の接合強度を有する「全強継ぎ手」であり、[2]接合に際し鋼管を回転させる必要が無く、[3]大径で板厚の大きい鋼管でも15分程度で接合でき、[4]接合に技能工や特殊工具を必要とせず、[5]接合状態の確認も容易である、という多くの特徴を有します。
商品名の「ラクニカン」は、楽に嵌合する特徴にもとづき命名しました。
鋼管径400~1200mm、鋼管厚9~22mmの範囲が主たる対象となります。
開発にあたっては、株式会社テノックス(社長:樗澤憲行、本社:東京都港区赤坂6-13-7)の施工面での協力を得て実用化を達成しました。
審査証明取得後にも継続して適用工法拡大のための技術改良を進めており、振動・打撃工法への適用も可能となりました。例えば、空港周辺工事やジャケット式桟橋用の打撃鋼管杭の施工において、施工面での高さ制限から大径鋼管杭の現地接合が必要となる場合でも、ラクニカンを適用することで大幅な杭打ち工程の短縮が可能となります。

 土木基礎杭は、従来の場所打ちコンクリート杭から、ガンテツパイル(鋼管ソイルセメント杭)やNSエコパイル(回転圧入鋼管杭)など、排土が少ない環境対応型で大径・高支持力杭を実現できる鋼管杭への代替が進んでいます。「ラクニカン」をこれらと組み合わせることで、鋼管杭の一層の高品質化を達成できます。

<本件に関する問い合わせ先>
株式会社クボタ 東京本社 鋼管技術部   鈴木課長   TEL 03-3245-3282
新日本製鉄株式会社 本社 建材開発技術部 岡マネジャー TEL 03-3275-7746

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