「超々臨界圧ボイラー用高耐水蒸気酸化鋼管の発明」について
全国発明表彰「発明協会会長賞」を受賞

2011/06/20

  • 住友金属工業株式会社


 住友金属工業株式会社は、本日6月20日(月)、「超々臨界圧ボイラー用高耐水蒸気酸化鋼管の発明」について、社団法人発明協会による平成23年度全国発明表彰「発明協会会長賞」を受賞しました。
   
   
1.発明の概要
 今回の受賞は、火力発電の中枢である高温高圧蒸気をつくるボイラー鋼管に関するものです。従来の超臨界圧発電から超々臨界圧発電への約30年ぶりの進化を可能にした、画期的な鋼管を開発・実用化したことに対しての功績が認められての受賞となりました。開発した鋼管(製品名:SUPER304H【登録商標】)は、グローバルスタンダード材料として世界各国で採用され、火力発電の発電効率を大幅に改善し、世界のCO2排出量と石炭使用量の削減に貢献しています。
   
2.背景
 昨今拡大する世界の電力供給の約40%は石炭火力であり、新興国の経済成長などに伴って、2030年には、さらにその量は倍増するといわれています。石炭は、安価で埋蔵量も豊富であり、世界中に可採埋蔵地が分布しているため、今後も世界の発電所で安定的な基幹電力として、拡大が予想されています。しかしながら、発電量あたりのCO2排出量が多いため、省エネルギーやCO2削減の観点から、発電効率を上げることが最大の課題となっていました。
   
3.製品概要
 これまでの超臨界(蒸気温度566℃、圧力24MPa)条件のもとでは、発電効率は約41%止まりでしたが、今回の超々臨界圧ボイラー用高耐水蒸気酸化鋼管の発明によって、超々臨界(蒸気温度600℃、圧力25MPa)で、発電効率が約43%の発電プラントを実現しました。今回の受賞した発明によるSUPER304H鋼管は、世界シェア80%を占め、日本で22基、世界で200基以上の超々臨界圧発電ボイラーに採用されています。増大する世界の石炭火力から排出されるCO2を大幅に削減し、石炭火力をこれまでよりもクリーンにすることに貢献しています。今後、太陽熱発電やバイオマス発電、石炭ガス化複合発電への応用も期待されています。
   
 当社は、地球環境保全の観点から、高度な技術の力で社会における課題の解決に努め、事業を通じて、グローバル社会への貢献を行ってまいります。
   
4.授賞式概要
(1)日時

2011年6月20日(月)15:00 ~ 16:00
(2)場所 ホテルオークラ 別館2階「オーチャードルーム」
(3)受賞者
【発明協会会長賞】
     鋼管カンパニー特殊管カスタマー技術部 専任部長 伊勢田 敦朗(あつろう)
    【発明実施功績賞】
     代表取締役社長 友野 宏
       
<参考>全国発明表彰とは
 日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に、独創性に富む優れた発明を完成した方々、発明の実施化及び指導、奨励、育成に貢献した方々を称えるために開催。
 
 【発明協会HP】
 http://www.jiii.or.jp/hyosho/top/hyosho_top.html
 
図:本発明によるボイラー鋼管製造の革新技術
 
発明協会会長賞を授与される
鋼管カンパニー 伊勢田専任部長

左から3・4人目が伊勢田専任部長夫妻 

右から3人目が友野社長




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