原子力発電所の蒸気発生器用伝熱管(SG管)の生産能力増強について

2010/04/08

  • 住友金属工業株式会社

当社は、尼崎の特殊管事業所で、PWR型原子力発電所用の蒸気発生器用伝熱管(SG管)(*1)の製造能力を2008年度実績対比2.7倍にすることを決定しました。投資総額は約140億円、増産開始時期は2013年4月です。

今回の増強は、世界的な電力需要増加と CO2 排出削減の必要性から、原子力発電所の新設計画が増加していることを背景にしています。SG管の供給メーカーは世界で3社(当社、Sandvik社(スウェーデン)、Valinox社(フランス))のみで、今後、3社の生産能力を超える需要が見込まれています。

当社は、第三世代の原子力発電プラント(*2)に使われるSG管を数多く受注しています。米国オバマ大統領が今年2月に発表した政府融資保証が最初に適用されるプロジェクトであるヴォーグル(Vogtle)発電所のSG管も当社が受注しました。2013年以降も米国、中国、韓国向けを中心に継続した受注が見込まれています。

                                                                       

投資の概要
1.投資額    : 約140億円
2.主な設備増強 : 冷間加工・精整・検査設備一式
3.増産開始時期 : 2013年4月

以 上

<用語解説>

(*1)SG管:Steam Generator Tube

加圧水型(PWR)の原子力発電所で使用される鋼管です。原子炉内で高温に加熱され、放射能に触れている1次冷却水から、放射能に触れない2次冷却水へ熱を伝え、蒸気を発生させる際の熱交換用の鋼管です。PWR型原子力発電設備にとっては心臓部とも言える重要な鋼管です。Niを60%、Crを30%それぞれ含有する高価な材料で製造されます。

(*2) 第三世代の原子力発電プラント

従来型の加圧水型軽水炉プラントの安全性と経済性をさらに向上させた原子力発電プラントです。


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