溶接軽量H形鋼「スマートビーム」
軽量化メリットが評価され、第二京阪道路の裏面吸音板支持梁に採用

2010/01/20

  • 住友金属工業株式会社

当社の溶接軽量H形鋼「スマートビーム」が、この度、その軽量化メリットが評価され、第二京阪道路の裏面吸音板の支持梁に大量採用され、現在工事中です。第二京阪道路は、京都と大阪を結ぶ延長28.3kmの自動車専用道路で2010年3月20日に開通予定です。裏面吸音板の設置面積は約14万、支持梁として使われる溶接軽量H形鋼約1,800トンのうち、当社の受注量は約1,500トンです。

1.溶接軽量H形鋼について

溶接軽量H形鋼は、熱延コイルから高周波抵抗溶接によって連続的に製造されるH形鋼です。通常の圧延H形鋼よりも肉厚が薄いので、同じ断面性能*の圧延H形鋼と比べると鋼材重量を最大40%程度軽量化することができます。また、溶接軽量H形鋼は、熱延コイルを必要な幅に切って溶接するため、さまざまなサイズが製造可能で、寸法精度が良く自動ラインでの加工に適しているため、日本のほとんどの鉄鋼系工業化住宅メーカーが梁材として採用しています。

2.採用の背景

裏面吸音板は、高架道路の下に一般道路がある場合に、一般道路から発生する自動車騒音が高架橋裏面で反射して近隣に拡がることを防止するために設置する吸音板で、橋桁から吊るされたH形鋼の支持梁に取り付けらます。
橋梁への支持梁の取り付け工事は通常は吊り足場の上で人力で行われます。1本約5mの支持梁の重さは圧延H形鋼の場合100kg以上ありますが、支持梁の鋼材を圧延H形鋼から溶接軽量H形鋼に替えることで、重量が最大40%程度軽量化でき、設置作業の能率と安全性が向上します。
こうしたメリットが評価されて、第二京阪道路の裏面吸音板の支持梁に当社の溶接軽量H形鋼「スマートビーム」が大量採用されました。

3.工事概要
(1) 工事場所: 枚方東~門真ジャンクション(大阪府)
(2) 発注者 : 西日本高速道路株式会社 関西支社
(3) 施工者 : ショーボンド建設株式会社、株式会社ケー・エフ・シー、他 全7社
(4) 工期  : 2008年10月~2010年3月

4.今後の展開

当社は、溶接軽量H形鋼のメリットを活かし、高架道路の裏面吸音板支持梁向けに「スマートビーム」を拡販していきます。

以 上

 

*断面性能:柱や梁に使われる鋼の構造部材は、その形状、特に断面の形状で強度が異なります。断面形状で決まる部材の強度を断面性能と呼びます。

【参考図・写真】裏面吸音板の取り付け構造模式図

裏面吸音板の上面と支持梁

裏面吸音板取り付け後の外観


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