No.2 RC資源循環炉 営業運転開始について

2009/06/05

  • 鹿島選鉱株式会社
  • 住友金属工業株式会社

鹿島選鉱株式会社(以下 鹿島選鉱)と住友金属工業株式会社(以下 住友金属)は、ダスト再資源化用の2基目のロータリーキルン(No.2 RC資源循環炉)の営業運転を本日開始しました。同設備は、2007年11月より建設を進めてきたものです。 これにより両社は、産業廃棄物ダスト再資源化事業を拡大し、循環型社会の形成と低炭素社会の実現に貢献します。

1.No.2 RC資源循環炉 建設の背景・狙い

住友金属は、1975年にダストから鉄や亜鉛を回収する事業を開始しました。製鉄所内(高炉、製鋼工場)で発生するダストには、鉄と亜鉛が含まれています。RC資源循環炉は、1,300℃の高温でダスト中のカーボンを使って鉄を還元し、製鉄原料として使用するための設備です。ダスト中の亜鉛は炉内で還元蒸発し、集塵機で捕集され、亜鉛精錬原料として販売されます。

この事業は、ダストから鉄と亜鉛を回収し、2次廃棄物が発生しないという特長があり、「パーフェクトリサイクルシステム」と名付けています。このシステムで回収される鉄は、還元鉄と呼ばれ、鉄鉱石と比べて製鉄時のエネルギー消費が少なくて済みます。回収される亜鉛も天然の鉱石より高品位です。このように、このシステムは CO2 発生削減・資源節減に役立ちます。

1987年からは、所内発生ダストに加え、社外から電気炉ダストや他産業の廃棄物を受け入れて処理してきました。近年では、自動車メーカーをはじめとするお客様からも、ダスト処理要請が強くなっています。これに応え、今般、No.2 RC資源循環炉を建設しました。

また、ダスト処理能力の増加により、製鋼工場で亜鉛を含む安価なめっきスクラップの使用拡大が可能となり、製鉄所のコスト削減にも寄与します。

2.RC資源循環炉の概要(No1+No2)
(1) ダスト処理能力: 40万トン/年

(2) 還元鉄製造能力: 22万トン/年
(3) 亜鉛回収能力 : 1.8万トン/年
(4) 建設場所   : 鹿島製鉄所内 鹿島選鉱メタルサークルカシマ工場内
(5) 投資額    : 約60億円(今回は鹿島選鉱が全額投資、1基目は住友金属が保有)

3.鹿島選鉱の概要
(1) 設立     : 1970年3月 
鹿島製鉄所内のスクラップ、ダスト等リサイクル受託会社として設立
(2) 代表者    : 代表取締役 吉田 雅昭
(3) 資本金    : 1億円
(4) 従業員数   : 約200人
(5) 株主     : 鴻池運輸株式会社(代表取締役社長 鴻池 忠彦)100%

以 上

<参考1>
「RC」とは、”Resource Circulation”と”Recycling and Creating”の頭文字です。

<参考2>
製鉄原料に亜鉛が混入すると高炉操業に悪影響があります。RC資源循環炉はダストから還元鉄を作る際に、亜鉛を除去する能力があり、製鋼工場での亜鉛めっきのスクラップ(比較的安価)使用を可能にします。

<参考3>

No.2 RC資源循環炉


このページの上部へ

ここからフッター情報です