ExxonMobil社殿との技術交流30周年について

2009/03/06

  • 住友金属工業株式会社

当社と世界最大の民間石油会社であるExxonMobil社殿との技術交流が、本年30周年を迎えました。これを記念し、この程、同社から11人の技術者が来日され、当社総合技術研究所等で技術交流会を開催しました。同社との技術交流を通じて開発した材料は、これまで、当社の主力製品である油井管、ラインパイプに数多く使用されており、大きな成果を上げています。

1.ExxonMobil社殿との技術交流について
1970年台後半、当時のExxon社殿(1999年にMobil社殿との合併によりExxonMobil社殿)等からの要請に応え、当社は油井管に使用される高強度サワー材料(*1)を開発しました。これを評価いただき、1979年に同社との第1回技術交流会を開催しました。以来、同社とは技術交流会を行い、高合金油井管(*2)の開発実用化、X120(*3)高強度UOラインパイプの開発など共同で最先端の技術開発を行ってきました。(技術交流会は年2回開催。双方5名程度出席)
現在も、高合金油井管や高強度UOラインパイプの共同研究を行っており、これらの開発促進に大きく寄与しています。
なお、ExxonMobil社殿とは、当社の技術開発などの面での高い対応力および競争力が評価され、20年以上にわたり油井管の供給契約を結んでいます。

2.今回の技術交流会について
(1)スケジュール
2月23日(月) 技術交流会(総合技術研究所(尼崎) 
30周年記念レセプション(ヒルトン大阪)
2月24日(火) 技術交流会・工場見学(特殊管事業所)
2月25日(水) 技術交流会・工場見学(和歌山製鉄所)

(2)先方出席者
ExxonMobil Corporate Strategic Research 社殿 Director Mike Ray氏
ExxonMobil Development社殿 Manager Roger Leick氏 
あわせて 技術者11人

3.今後の展開
今回、技術交流30周年を記念して、ExxonMobil社殿から11人の技術者が来日されたことは、当社の技術力を高く評価いただいていることのあらわれであり、これに応えて、今後、最先端の材料技術開発を加速させていきます。

以 上

 

<用語解説>
(*1)高強度サワー材料:
油井開発で、腐食性の強い硫化水素を含んだ非常に厳しい井戸環境をサワー環境といい、そのサワー環境で使用される、高強度と耐食性の両立が要求される油井管の材料のことです。

(*2) 高合金油井管:
Cr、Ni、Mo等の合金成分を大量に含有する材料で硫化水素、炭酸ガスを含む過酷な環境に使用される油井管。従来の鉄系材料では腐食、割れの問題が発生する事から80年代以降に開発、実用化されてきました。最近では中東のガス開発にも使用されてきています。当社の世界シェアは90%です。

(*3) X120:
1平方mm当たり84kgまでの力が掛かっても塑性変形しない鋼管のことです。
Xは、API(American Petroleum Institute:米国石油協会)のラインパイプの強度記号。数字の120は降伏強度が120ksi(kilo pound per square inch)以上の鋼管のことです。


技術交流30周年記念レセプション


技術交流会の様子


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