中國鋼鐵股份有限公司への安全体感教育に関する技術供与について

2009/01/14

  • 住友金属工業株式会社

当社は、中國鋼鐵股份有限公司(China Steel Corporation 以下CSC)に対し、当社が鹿島製鉄所と和歌山製鉄所で展開している安全体感教育に関する技術供与を実施しました。本日、台湾高雄市で安全体感教育施設が竣工し、開所式が行われました

1.安全体感教育施設について
製造現場における従業員への安全教育を目的とし、当社と住金マネジメント株式会社が開発した体験型教育施設です。1997年に鹿島製鉄所に第1号の設備を設置しました。翌年から当社社員への教育を開始し、順次関係・協力会社社員へと対象を広げ、現在では鉄鋼業界だけでなく、自動車業界、エネルギー業界など、幅広い産業分野から受講者を受け入れています。2008年には受講者数が12万人を突破し、効果的な教育プログラムとしての認知が広がっています。施設のある茨城県と和歌山県以外からも受講希望があり、安全体感教育設備を装備した車輌を用いた出張教育も全国各地で行っています。

2.今回の技術供与について
今回、当社はCSCに対し、安全体感教育設備の図面と教育マニュアルを提供するなど、技術供与を実施しました。
CSCに建設された安全体感教育施設には、高所、回転体、玉掛、電気の危険を体感できる設備を設置、体験型の教育プログラムを用意しており、今後、CSCの社員がこれらのプログラムに沿って受講します。また、CSCで講師となる技術者5人が、昨年秋に鹿島製鉄所の施設で指導方法についての教育を受けました。
なお、当社は、今後ともプログラムの拡充や講師育成などの支援を行います。

<参考>
1.CSCの概要
中國鋼鐵股份有限公司(China Steel Corporation)
(1)本社 :中華民国 台湾 高雄市 
(2)董事長:張家祝
(3)売上高:2,079億NT$(2007年)
(4)生産量:10,188千トン(2007年)

2.開所式の概要
(1)日時 :2009年1月14日(水)10:00~(現地時間)
(2)場所 :CSC安全体感教育施設内
(3)出席者:高雄市 副市長         李永得

        CSC 董事長         張家祝
    総経理         陳源成
当社   常務執行役員 堀田 義高
住金マネジメント株式会社 社長 稲葉 洋次 他

3.安全体感教育の主な内容
高所危険体感

(1)高所から人間と同程度の重量のウェイトを落下させ衝撃の大きさを体感させ、高所作業安全対策の必要性を認識させます。
(2)安全帯を使ってぶら下がり、安全帯の正しい使用方法を理解させます。
(3)ヘルメットに衝撃を加え、正しい着用の重要性を認識させます。

回転体危険体感

(1)回転体(ロール)に巻き込まれた時の衝撃及び力の強さを実感させ、回転体に手を出すことの危険を理解させます。
・義手あるいは腕の代替としてパイプをロールに巻き込ませて見せます。
・回転体に巻き込まれたロープを使って綱引きをさせます。
(2)回転軸やギアなどへ衣類などが巻き込まれる様子を見せ、カバーなどの安全対策の重要性を理解させます。

玉掛危険体感

(1)玉掛ワイヤと吊荷の間に指を挟まれる危険を指に代えて竹の棒を挟ませ間接的に体感させ、正しい玉掛作業の方法を理解させます。
(2)玉掛時の吊り荷の振れによる危険をマネキンを使って実感させ、吊り上げ時の吊り荷位置の確認の重要性等を理解させます。

電気危険体感

(1)微弱電流での感電を体験させ、感電防止対策の重要性を理解させます。
(2)過電流によりケーブルが燃え上がる様子を見せ、適正な電気設備利用の方法を理解させます。

4.CSCグループとの提携・協業について
2002年4月    安定的なスラブ供給について合意
2003年5月    和歌山製鉄所上工程合弁事業契約締結
2003年7月    東アジア連合鋼鐵株式会社設立
2003年11月   (株)住金鋼鉄和歌山設立(和歌山製鉄所上工程合弁事業枠組み完成)
2005年春以降    スラブ供給を180万トン/年に拡大
2007年5月    スラブ出荷累計500万トン達成
2007年8月    タイスミロックスへのCSCグループの資本参加
2008年8月    ベトナムでの薄板合弁契約締結

高所危険体感設備

以 上


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