永久磁石式リターダ事業の海外進出について
- ドイツVoith Turbo社との合弁会社による新型モデル開発の開始 -

2008/06/20

  • 住友金属工業株式会社

当社は、トラック・バス用補助ブレーキ装置である当社独自の永久磁石式リターダ(*1)について、海外での事業拡大を図るため、Voith Turbo GmbH & Co.KG (本社:ドイツ ハイデンハイム市、以下フォイト ターボ社)と合弁会社を設立し、このたび、永久磁石式リターダの新型モデルの開発を始めました。

1.合弁会社の概要
(1)社名  :Voith Turbo SMI Technologies,GmbH & Co. KG
                (読み:フォイト ターボ エスエムアイ テクノロジーズ)
(2)事業内容:新型永久磁石式リターダの開発、生産、販売
(3)所在地 :ドイツ ハイデンハイム市
(4)資本金 :100千ユーロ
(5)出資比率:フォイト ターボ社51% 当社49%

2.合弁会社設立の狙い
従来、車重の大きいトラック・バスのブレーキを補助する装置として排気ブレーキが使われてきましたが、昨今、 CO2 削減や燃費向上といった環境面からエンジン排気量が小さくなり、排気ブレーキ性能が低下するため、代替する補助ブレーキとしてリターダの採用の拡大が期待されています。日本の大型トラック・バスのリターダの装着率は約40%で、その大半は当社の永久磁石式リターダです。欧州などでは、重量16トン超の大型トラック・バス用ではフォイト ターボ社の流体式リターダ(*2)が主流ですが、7.5~16トンの中型トラック・バス用としては装置のサイズおよび重量面で適した製品がない状況です。
当社は、当社独自の永久磁石式リターダで、国内において圧倒的なシェア(当社推定約80%)を有しており、さらに海外に進出するために、リターダの認知度が高い欧州において高いシェアを持つフォイト ターボ社と合弁会社を設立しました。当社の永久磁石式リターダ技術を駆使して、小型・軽量化した新型モデルの開発を進め、フォイト ターボ社のグローバルな販売力とドイツの生産拠点を活用し、欧州などのトラック・バスメーカーへの本格参入を目指します。

3.永久磁石式リターダ事業の今後の展開
欧州などのトラック・バスメーカー向けの販売に本格参入する場合は、フォイト ターボ社の生産拠点であるドイツ国内での生産によって、2012年には10,000台/年の販売を目指します。

<参考>
1.フォイト ターボ社概要
社名     :Voith Turbo GmbH & Co.KG
事業内容   :主に自動車、鉄道車両などの輸送機械部品の製造・販売
所在地    :ドイツ ハイデンハイム市
最高経営責任者:Peter Edelmann氏
株主構成   :Voith AG(*3)の100%子会社
従業員数   :4,941名<2007年9月末>
売上高    :1,011百万ユーロ(約1,680億円)<2007年9月期>

2.当社の国内でのリターダ事業
生産拠点 :交通産機品カンパニー 製鋼所(大阪市)
販売台数 :年間約13,000台
国内シェア:約 80%(当社推定)

*1 永久磁石式リターダ
当社グループでオリジナルの開発をした世界最高級のネオジム系永久磁石の強い磁力によって、車の駆動軸であるプロペラシャフトの回転を抑止して制動させるタイプのリターダ。比較的小型・軽量で、トルクは小さい。

*2 流体式リターダ
オイルの抵抗を利用し、車の駆動力を抑止して制動させるタイプのリターダ。比較的大型で重く、トルクは大きい。

*3 Voith AG
製紙機械、輸送機械部品、水力発電機械の関連などの企業群を傘下に持つ非上場の持株会社。Voith家の同族会社。連結売上高 4,190百万ユーロ(約7,000億円)。

以 上


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