原子力発電所新型炉向け 蒸気発生器用伝熱管の受注ならびに生産能力増強について

2008/05/29

  • 住友金属工業株式会社

当社は、住友商事株式会社と共同で、この程、米国のウエスティングハウス社殿の新型炉AP1000(*1)を導入する中国の三門1号、海陽1号原子力発電所向けに、蒸気発生器用伝熱管(以下 SG管(*2):Steam Generator Tube)を受注しました。今回受注したSG管は、世界で最初のAP1000向けとなります。 また、米国においてもAP1000を導入するVogtle3号、4号原子力発電所向けに、SG管の受注が内定しました。 これらのSG管は韓国の斗山重工業殿に納入し、蒸気発生器に組み立てられます。

世界的な電力需要増加と気候変動防止( CO2排出削減)の必要性から、原子力発電所の新設計画が急増しています。こうした中、SG管の供給メーカーは世界で3社(当社、Sandvik社(スウェーデン)、Valinox社(フランス))のみで、今後、3社の生産能力を超える需要が見込まれています。 一方、経済性と安全性を改善した新型炉では蒸気発生器が大型化するため、SG管の曲げ半径も大型化します。 これに対応し、当社では、鋼管カンパニー 特殊管事業所(兵庫県尼崎市)において、新型炉対応のためのSG管の製造設備改造と生産能力増強を合わせた投資を決定し、この程着工しました。これにより、当社のSG管生産能力は約3割増となります。

1.受注内容(中国・米国)
(1)製品  :AP1000向けSG管
(2)数量  :約750トン
(3)受注金額:100億円強
(4)納期  :中国AP1000 2基 2009年度

        米国AP1000 2基 2010年度~2011年度

2.投資の概要
(1)投資額   :23億円
(2)主な設備増強:長尺ライン改造、ベンドライン改造、梱包増強、置場増強
(3)増産開始時期:2008年10月              

<用語解説>

*1 AP1000:
ウエスティングハウス社が開発した新型炉で、従来型の加圧水型軽水炉プラントの安全性と経済性をさらに向上させたものです。

*2 SG管:
加圧水型(PWR)の原子力発電所で使用される鋼管。原子炉で発生した熱により高温になった1次冷却水から2次冷却水へ熱を伝え、蒸気を発生させる際の熱交換用の鋼管であり、ニッケルを60%含有する高価な材料で製造されます。

以 上


このページの上部へ

ここからフッター情報です