高級ステンレスボイラチューブの大量受注について

2008/05/28

  • 住友金属工業株式会社

当社は、住友商事株式会社(以下 住友商事)と共同で、この程、株式会社日立製作所殿の子会社である日立パワー・ヨーロッパ社殿から南アフリカ共和国の新設石炭焚き火力発電所*向けボイラの熱交換器管に使用される高級ステンレスボイラチューブ「TP347HFG鋼管」(*1)を3,000トン強受注しました。

火力発電では、近年、CO2排出量の削減、省資源の要請から、発電の熱効率を高めることが求められ、超臨界圧、超々臨界圧(*2)ボイラが主流となっており、そこで使用される高級ステンレスボイラチューブの需要が急増しています。今回受注した「TP347HFG鋼管」は、こうしたボイラの最も高温高圧部分の熱交換器管に採用されました。

当社では、昨年10月、鋼管カンパニー 特殊管事業所(兵庫県尼崎市)において、高級ステンレスボイラチューブの需要増加に対応し、その生産能力を1.5倍(12,000トン/年→18,000トン/年)に増強する投資が完成しました。

当社と住友商事は、今後、高級ステンレスボイラチューブの拡販に注力していきます。

<受注内容>
1.製  品 高級ステンレスボイラチューブ「TP347HFG鋼管」
2.数  量 3,000トン強
3.納  期 2008年7月~2010年7月

* メデュピ火力発電所 80万Kw × 6基
   ブラボー火力発電所 80万Kw × 6基

以 上

<用語解説>

*1 「TP347HFG鋼管」:
火力発電所向けボイラの熱交換器に使用される鋼管(ボイラチューブ)に要求される性能の代表的なものは耐水蒸気酸化特性と高温強度です。当社の開発した「TP347HFG鋼管」は、この2つの性能を高い次元で両立させています。この鋼管の材料「TP347HFG」は、日本で開発された材料としては世界で初めてASME(米国機械学会)の本規格に登録されました。
なお、超々臨界圧ボイラでは、当社開発の材料「SUPER304H」、「HR3C」が主流ですが、超臨界圧ボイラで耐水蒸気酸化特性を重視される場合には、設計によっては「TP347HFG」が採用されます。

*2 超臨界圧、超々臨界圧:
水は温度と圧力が上昇すると、ある点以上では沸騰現象を伴わずに直接蒸気になりますが、この点を臨界点と言い、臨界点を超える蒸気条件で発電される場合を「超臨界圧発電」と言います。
さらに高い蒸気条件の場合を区別し、タービン入口蒸気が24MPa、566℃を超える発電の場合は「超々臨界圧発電」と言います。


以 上


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