低炭素鉛フリー快削鋼の開発および量産受注について

2007/11/15

  • 株式会社住友金属小倉
    住友金属工業株式会社

株式会社住友金属小倉(以下 住金小倉)および住友金属工業株式会社(以下 住友金属)は、お客様からの、環境にやさしい材質へのご要望に応えるため、鉛を使用せず、切削加工のしやすい低炭素鉛フリー快削鋼線材の開発を進めておりましたが、このたび、住金小倉は量産受注しました。

1.開発鋼について
(1)商品名:低炭素鉛フリー快削鋼「スミグリーンCS」(Smigreen CS)
(2)受注先:大手OA機器メーカー殿向けプリンターシャフト用途
(3)特徴 :鉛には、切削加工のしやすさを表す被削性を改善する効果があるため、単に鉛フリーにするだけでは被削性が悪化して生産性が損なわれます。住金小倉と住友金属は、硫黄快削鋼である米国鉄鋼協会規格名AISI-1215(JIS規格名JIS-SUM23)をベースとして、硫黄化合物の添加量を増加し、独自の造り込み技術により最適化した製品「スミグリーンCS」を開発しました。OA部品や油圧部品を製造しているお客様から、「スミグリーンCS」の生産性や品質はとても良好であるとの評価をいただいております。

2.開発および量産受注の背景
近年、世界的に環境負荷物質への規制が厳しくなり、環境負荷物質である鉛の使用を控える動きがあり、鉛を含む快削鋼と同レベル以上の被削性を有する鉛フリー型の快削鋼の需要が高まっています。住金小倉と住友金属は、以前より、当社グループ製品「スミグリーン・シリーズ」という鉛フリー快削鋼の開発に努めてきました。機械構造用炭素鋼である、中炭素鉛フリー快削鋼の開発は既に完了し、2002年から量産受注が始まり、現在、月産数千トン規模に至っています。 主にOA機器部品用途に需要拡大が見込まれる低炭素の鉛フリー快削鋼の開発も進めており、「スミグリーン・シリーズ」のラインアップに加えられていましたが、このたび、大手OA機器メーカー殿向けのプリンターシャフト用途に量産受注が決定しました。

3.今後の展開
今後、汎用的に使用されている低炭素鉛快削鋼のAISI-12L14(JIS-SUM24L)は「スミグリーンCS」に切り替えられていくものと考えています。引き続き、お客様のニーズを先取りし、環境規制強化に適合した製品開発および提供をスピードアップし、地球環境保全への貢献に努めます。

<参考>適用部品例(プリンターシャフト)

以 上


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