環境保全に貢献するダスト再資源化設備増設の件

2007/11/05

  • 鹿島選鉱株式会社
    住友金属工業株式会社

鹿島選鉱株式会社(以下 鹿島選鉱)と住友金属工業株式会社(以下 住友金属)は、ダスト再資源化用のロータリーキルンの建設を決定しました。本設備は「RC資源循環炉」と呼んでいますが、今回の投資により鹿島製鉄所のRC資源循環炉は2基になります。これにより、両社は産業廃棄物ダスト再資源化事業を拡大し、「パーフェクトリサイクルシステム」と呼ばれる、ダストから、鉄や亜鉛などの有価金属を、2次廃棄物の発生なしに回収するシステムによって、地球環境保全に貢献します。尚、11月6日に起工式を行う予定です。(「RC」とは、”Resource Circulation”と”Recycling and Creating”の頭文字です。)

1. RC資源循環炉建設の概要

(1)ダスト処理能力:20万トン/年(40万トン/年)
(2)還元鉄製造能力:11万トン/年(22万トン/年)
(3)亜鉛回収能力 :5,500トン/年(11,000トン/年)
なお、( )内は2基合計の能力
(4)投資額    :約60億円(今回は鹿島選鉱が全額投資、1基目は住友金属が保有)
(5)建設場所   :住友金属鹿島製鉄所内 鹿島選鉱メタルサークルカシマ工場
(6)着工時期   :2007年11月
(7)稼動時期   :2009年6月

2. 建設決定の背景

(1)ダスト再資源化

 製鉄所内(製鋼工場)で発生するダストには、鉄と亜鉛が含まれています。住友金属は所内ダストから鉄や亜鉛を回収する事業を、1975年に第1RC資源循環炉の操業を鹿島選鉱に委託する形で開始しました。回収亜鉛は売却され、回収鉄は製鉄所で再利用されてきました。 この技術は、ダストから鉄と亜鉛を回収し、2次廃棄物が発生しないという特徴があり、「パーフェクトリサイクルシステム」と名づけています。所内発生ダストに加え、1987年から、社外から、処理の難しい電気炉ダストや他産業の産業廃棄物ダストを受け入れて処理し、資源の節約・環境保護に貢献をしています。

(2)建設の狙い

  1) 埋立地減少や環境規制強化に伴い、ダスト処理ニーズは高まっています。自動車をはじめとするお客様からも、ダスト処理要請が強くなっており、これに応えて、2次廃棄物を発生させないパーフェクトリサイクルシステムの能力を増強します。
2) パーフェクトリサイクルシステムで回収される鉄は、還元鉄と呼ばれ、鉄鉱石と比べて製鉄時のエネルギー消費が少なくて済みます。亜鉛についても同様で、鉱石よりも高濃度な亜鉛を回収できます。このように、本技術はCO2発生削減・資源節減に役立ちます。
3) ダスト処理能力増加により、製鋼工場での亜鉛を含む安価なスクラップの使用拡大が可能となり、製鉄所のコスト削減にも寄与します。

<参考1> 鹿島選鉱株式会社の概要
(1) 設立  :1970年3月
鹿島製鉄所内のスクラップ、ダスト等リサイクル受託会社として設立
(2) 代表者 :代表取締役 吉田 雅昭
(3) 資本金 :1億円
(4) 従業員数:約200名
(5) 株主  :鴻池運輸株式会社(代表取締役社長 鴻池 忠彦)100%

<参考2>

鹿島選鉱(株)メタルサークルカシマ工場第1RC資源循環炉

以 上


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