50トンハンマー設置による鍛造クランクシャフト事業の拡大について
2007/11/01
- 住友金属工業株式会社
当社はこのたび、大型クランクシャフト市場の拡大を背景に、日本では最大級となる50トンメータ-・カウンターブローハンマー(以下 50トンハンマー)を、交通産機品カンパニー製鋼所(大阪市)に設置することを決定しました。
記
1.投資の概要
(1)設備 :50トンハンマー、加熱・搬送設備他
(2)投資額 :約20億円
(3)生産能力:年間約5千トン
(4)操業開始:2009年8月
2.設置の背景と狙い
現在当社は、プレス設備での製造能力を超える大型の鍛造クランクシャフト(素材重量で350kg超)を35トンメーター・カウンターブローハンマー(以下 35トンハンマー:1970年設置)で製造しています。
発電機、船舶、鉱山・建設機械用エンジン需要の世界的な拡大により、これらに使用される大型のクランクシャフト需要も増加しており、現在当社の35トンハンマーはフル操業が続いています。またこれらの市場では、高出力ニーズに対応した、エンジンの一層の大型化も進展しています。一方、資源・エネルギー分野でも、石油の採掘時に使用される各種ポンプについて、大型の鍛造クランクシャフトの需要が高まっています。
このような環境下で当社は、更なる事業の拡大と、クランクシャフトの大型化に対応した競争力強化のため、日本では最大級となる50トンハンマーの設置を決定しました。
50トンハンマーの設置により、高品質な大型クランクシャフト素材の供給能力を高め、事業領域の拡大を図ると同時に、買収予定の米国Norton社での機械加工を含めた一貫製造体制を構築して、多様化するお客様のニーズに合ったサービスを提供することで、クランクシャフト事業の更なる拡大を図っていきます。
*機械加工
旋削、研磨、熱処理など、クランクシャフト製造における最終工程。
<参考>
1.当社クランクシャフト事業の概要
(1)日本 交通産機品カンパニー製鋼所(大阪市)において、乗用車、トラック、建設機械用等の型鍛造クランクシャフトを生産しています。
(能力:約400万本/年)。
(2)中国 恵州住金鍛造有限公司(広東省)において、乗用車・小型トラック用を主体に生産しており、本年11月の第二鍛造プレスラインの
稼動を目前にしています(能力:約80万本→約180万本/年)。
(3)米国
International Crankshaft Inc.(ケンタッキー州)において、乗用車・小型トラック用を主体に生産しており、2009年1月量産
開始予定で第三鍛造プレスラインを建設中です(能力:約150万本→約270万本/年)。
以上のような日本、中国、米国の世界3極体制で、世界のクランクシャフトシェア10%以上を目指す事業戦略「グローバル10」を掲げクランクシャフト事業の拡大を図っています。
2.当社製鋼所 クランクシャフト製造設備
以 上