和歌山製鉄所 新第1コークス炉 鏝(こて)入れ式について  

2007/09/11

  • 住友金属工業株式会社

当社は、本日、和歌山製鉄所において建設中の新第1コークス炉の鏝入れ式を行います。 2006年11月に着工して以来、順調に工事が進み、このたび基礎工事が完了しました。鏝入れ式とは基礎工事完了後、煉瓦積み(築炉)を開始するに当たって、今後の工事の安全と炉の順調な立ち上がりや長寿、安定稼動を祈願する神事です。新第1コークス炉は、今後の和歌山製鉄所の粗鋼生産の基盤強化を担う重要な設備であり、また近隣地域への環境負荷の低減を重視し、立地等、検討を重ねた上で建設を進めています。 なお、稼動(初窯出し)は2009年5月を予定しています。

1.新第1コークス炉建設の概要
(1)建設費用    :290億円
(2)工期      :2006年11月~2009年5月
(3)能力      :2,800トン/日
(4)全長      :284m
(5)設置門数    :130門
(6)1門当たりの寸法:炉高6.0m、炉幅0.45m、炉長15.98m
(7)煉瓦使用総量  :約660万個(約4万トン)

2.新第1コークス炉の特長
(1)40年ぶりの新設コークス炉
和歌山製鉄所では、1969年に第6コークス炉が稼動して以来、40年ぶりの新設となり、当社全体では1981年に、鹿島製鉄所の第2コークス炉が稼動して以来、28年ぶりとなります。

(2)環境負荷の低減
1)近隣の住宅地から離れた立地(図参照)
新第1コークス炉は、近隣の住宅地に最も近かった既存の第6コークス炉を休止(2009年5月予定)する代わりに、近隣の住宅地から約600m離れた製鉄所中央部に建設します。

 2)コークス乾式消火設備の設置*
新第1コークス炉は、コークスの冷却に乾式消火設備(Coke Dry Quenching、以下、CDQ)を設置します。併せて、現状CDQのない第4、第5コークス炉についても共用で1基設置しますが、既設の第6コークス炉用のCDQを一部活用します(2009年度末稼動予定)。これにより、鹿島製鉄所も含め当社で生産されるコークスの全量がCDQで処理されることになり、粉塵の飛散防止等環境面のみならず、製鉄所トータルでのエネルギー効率面でも効果が発揮されることになります。

3.和歌山製鉄所の今後の展開
現在、和歌山製鉄所では、新第1コークス炉建設、新第1高炉建設(2009年6月稼動予定)、焼結設備増強(2009年3月増強完了予定)を柱とした上工程更新と地域環境保全投資を実施中です(投資総額:1,600億円)。 また、シームレスパイプのさらなるハイエンド化を目指し、和歌山製鉄所を主体としたスーパーハイエンド品増産投資も並行して進めています(投資総額:350億円)。 これらの一連の投資により、粗鋼年産450万トンをベースとした強固な生産体制を確立し、地域とともに栄える製鉄所を実現します。

*コークス乾式消火設備の設置
コークス炉から窯出しされたコークスは約1,000℃になっており、このコークスを冷却する方法は二つあります。
まず、コークスを炉外に排出し、屋外で散水によって冷却する方法(湿式:Coke Wet Quenching)があります。この方法では、炉外に排出する際、粉塵が飛散しやすく、また熱回収ができないため、環境面およびエネルギー効率面で不利です。
一方、CDQでは密閉した容器にコークスを投入し、その中に窒素を主体とした不活性ガスを循環させることで、コークスと熱交換し冷却する方法です。粉塵の飛散がない上、熱回収により高温になった不活性ガス(約800℃)で水蒸気を発生させ、併設の発電機のタービンを回すため、製鉄所トータルでのエネルギー効率に大きく貢献します。

<参考>  
1.新第1コークス炉鏝入れ式について
(1)日時 :2007年9月11日(火)10:40~
(2)祭主 :常務執行役員 和歌山製鉄所長 田中丸 和男
(3)出席者:当社会長・社長以下役員、労働組合代表、関係会社代表、和歌山県知事、和歌山市長、施工関係各社代表、近隣地区小・中学校代表者等、約130人

2.当社コークス炉の稼働状況(2009年5月以降の予定)

*株式会社住友金属小倉はコークスを外部から購入

以 上

 


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