現代重工業株式会社殿から感謝楯を受賞
- エネルギー分野における差別化の加速 -

2007/07/18

  • 住友金属工業株式会社

当社はこのたび、現代重工業株式会社殿(本社:大韓民国 蔚山市、社長:崔 吉善、以下、現代重工殿)から、海洋構造物(*1)(海上プラットフォーム)用ハイエンド厚板の長年の納入実績に対し、感謝楯を受賞しました。 今回の感謝楯は、エネルギー分野において、既にメジャーオイルなどから高い評価を得ている油井管に加えて、厚板でも当社製品が評価を得ていることを示しており、海洋構造物・ラインパイプ・LNG船など、エネルギー分野を幅広くカバーできる点が当社の大きな強みです。今後もエネルギー分野におけるお客様ニーズを先取りした技術開発を中長期的に展開し、安定供給に努力することより、差別化を加速します。

1.現代重工殿から評価いただいた点
当社は現代重工殿へ、1984年(昭和59年)の初納入以来、23年間にわたって海洋構造物用ハイエンド厚板を同社製造の海洋構造物34基向けに、累計25万2千トン納入しており、高品質な厚板を、確実な納期で納入してきたことに対するものです。

2.海洋構造物用ハイエンド厚板の開発・納入
海洋構造物とは、海底に埋蔵された石油・天然ガスを掘削するために建設される洋上の建物であり、厚板は主にハル、デッキ(*2)などに使用されます。近年、掘削の容易な油田、ガス田は減少し、掘削環境の厳しい場所での掘削が余儀なくされており、従来以上に深海、極寒海域、暴風雨・高波海域(*3)での開発進展が予想され、厚板への要求性能も更に厳しいものになると予想されます。また、開発の活発化にともない納期の厳守も求められており、これに対応するには、

 ・API規格(*4)など、海洋構造物用鋼材規格に準じた溶接継手部の性能の事前認定
・長年の納入実績
・短期間でお客様と性能を調整、確定するノウハウ

等が必要になります。これらの要件を満たした製品・サービスを長年にわたり、確実に供給しており、現在、世界の海洋構造物用ハイエンド厚板の当社シェアは約20%(当社推定)となっています。

<用語解説>
*1 海洋構造物(写真参照)
海洋構造物は、海底に埋蔵された石油・天然ガスを掘削するために建設される洋上の建物であり、全長が100mから500m以上にも及ぶものも存在する巨大な構造物です。長期間補給無しで、海上での厳しい気象条件に耐えながら掘削を行うため、安全に操業するために国際条約や国及び船級協会の基準に従って定期的な検査を受けて操業されています。

*2 ハル、デッキ
・ハル :海洋構造物全体を海面からの浮力で支える下部構造のことです。
・デッキ:掘削した石油・天然ガスの精製や貯蔵等の設備を備えた、海洋構造物の上部構造のことです。

*3 深海、極寒海域、暴風雨・高波海域
・深海      :メキシコ湾や西アフリカ沖、ブラジル沖、北海などで、深度300mから中には深度2500mにも及ぶ地域もあります。
・極寒海域    :バレンツ海、北極海などで、中にはマイナス40℃以下になる地域もあります。
・暴風雨・高波海域:メキシコ湾など、ハリケーン(台風)など天候条件の非常に厳しい海域で、中には波高が30mに及ぶ地域も存在します。

*4 API規格
API(American Petroleum Institute:米国石油協会)が定める規格をAPI規格と呼びます。エンジンオイルのグレードから、油田における原油生産設備やパイプライン輸送、石油製品の製造など、石油に関する数多くの規格を作っています。


現代重工殿から授与された感謝楯


当社の厚板が使用されている海洋構造物(現代重工殿製造)

以 上


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