ダイハツ工業株式会社殿より平成18年度技術賞を受賞

2007/05/11

  • 住友金属工業株式会社

当社は、5月11日にダイハツ工業株式会社殿(本社:大阪府池田市、以下、ダイハツ殿)から、2007年ダイハツ仕入先総会において「平成18年度技術賞」を受賞しました。

1.受賞対象
高強度鋼板(ハイテン)の「スポット溶接7段通電法」の開発・早期実用化への支援に対するものです。

2.「スポット溶接7段通電法」開発の背景
近年、自動車業界では燃費向上(=軽量化)と衝突安全性能の向上のために、車体構造に使用される鋼板の高強度化が進んでおり、ハイテンの適用箇所が増えています。 自動車製造現場においては、品質と強度の観点から、スポット溶接時に飛散するチリを抑えつつ、適正な大きさのナゲット(*1)を安定して得ることが求められます。しかし、ハイテンの場合、通常の軟鋼板と比較してチリが飛散し易く、適正電流(*2)の範囲が狭いという課題があり、これらの問題を解決できる溶接方法の開発が急務のひとつでした。

3.評価されたポイント
今回、「スポット溶接7段通電法」の量産ライン適用に当り、当社のCAE(*3)シミュレーション技術を活用したことで、早期実用化に成功した点を高く評価されました。

4.今後の展開
当社は、ダイハツ殿に納入を開始して以来、製造・営業・技術一体となった体制でVA・VE(*4)提案活動や品質改善活動を積極的に展開し、平成15年度にはVA・VE提案優秀賞及び品質改善賞を受賞しました。当社は、「お客様評価No.1」を目指す上で、「部品軸」という観点、すなわち、単なる素材提供にとどまらず、自動車などの部品ごとに、お客様とともに付加価値を高める取り組みを強化しています。今後も素材メーカーとして総合的なソリューションを提供することで、お客様ニーズにお応えしていきます。

<用語解説>
*1 ナゲット
溶接において接合部に生じる最大溶融部分を指し、一般に接合部を中心に碁石状となります。

*2 適正電流
溶接スポット部分に流す電流のことで、素材の種類によって適正範囲が変わります。

*3 CAE
Computer Aided Engineeringの略で、コンピューター技術を活用して製品の設計、製造や工程設計の事前検討の支援を行うこと、またはそれを行うツールを指します。

*4 VA・VE提案活動
VA:Value Analysisの頭文字(価値分析)
VE:Value Engineeringの頭文字(価値工学)

VAは、お客様の既存の製品やその部品について、機能や品質の分析をし、コスト低減につながる改善案や代替案を提案することです。VEは、お客様の開発設計段階から参加し、改善案や代替案を提案することです。


平成18年度ダイハツ技術賞 賞状と記念品

以 上


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