超高強度ラインパイプの量産に向けた設備増強について

2006/09/14

  • 住友金属工業株式会社

当社は、この程メジャーオイルからの陸上・長距離ガスパイプラインプロジェクトにおける  X100* 以上の超高強度ラインパイプの量産要請に対応するため、鹿島製鉄所の製鋼工場、厚板工場、大径管工場において、製造設備増強を決定した。これにより超高強度ラインパイプの供給能力を確保すると同時に、母材となる厚鋼板の更なるハイエンド化も推進していく。
シームレスパイプ事業の最先端商品化投資に引き続き、大径溶接鋼管事業でも世界一流のミルとして、さらなる高級化を推進することで、当社が得意とするエネルギー分野での「差別化」を加速していく。

1.背景
近年のエネルギー需要の急速な増加、とりわけ天然ガス需要の増加により、ラインパイプへの需要の大幅な増大が予想される中で、高圧高効率輸送化と、建設コスト低減を可能にする強度X100以上の超高強度ラインパイプに寄せられる期待は非常に大きい。
また、長距離ガスパイプラインプロジェクトとして、メジャーオイル(BP、ExxonMobil、ConocoPhillips)と米国アラスカ州政府が進めているアラスカガスパイプライン計画では、強度X100以上のラインパイプが大量採用されることが見込まれており、当社では当プロジェクトにおけるメインシェアの確保に全力を挙げる。

2.設備増強概要
(1)主な増強内容
  製鋼工場 ― 精錬能力増強
  厚板工場 ― オンライン加速冷却能力増強
  大径管工場 ― 拡管能力増強

(2)総投資額
  約100億円

(3)設備増強完了時期
  2010年度中

<用語解説>
*X100:1平方㎜当たり70kgまで強度(内圧)が掛かっても変形しない鋼管
<降伏強度(Yield Strength)が100,000psi以上の鋼管>

<参考1>当社の大径溶接鋼管販売量推移

<参考2>アラスカガスパイプライン計画


ALASKA Prudhoe Bay近郊のNorth SlopeのFieldで産出するガスを、約5,600kmのGas Pipe Lineを敷設して、

米国中西部シカゴまで輸送するプロジェクトである。

<参考3>大径管工場 製造工程略図

以 上


このページの上部へ

ここからフッター情報です