和歌山製鉄所 第4高炉 稼動日数新記録達成について

2006/08/09

  • 住友金属工業株式会社
    株式会社住金鋼鉄和歌山

和歌山製鉄所 第4高炉は、1982年2月23日の3次改修後の火入れ以降、本年8月5日で稼動日数8,930日(約24.5年)となり、稼動日数で日本新記録となった。世界的にも、これを超える高炉稼動日数の情報はない。

1.新記録達成の要因   
和歌山製鉄所 第4高炉は、もともとは稼動予定を7年間と計画し、改修、火入れされた。その後、出銑比2の高操業度を保ちながら、定期的な全設備にわたる延命診断と必要な補修を継続するとともに、従来は高炉の稼動継続のネックとなっていたことに対応する以下の設備・操業技術開発を実施し、今回の記録達成となった。


(1) ステーブ取り替え
高炉本体の側壁に設置しているステーブ(鉄鋳物製冷却函)を4日間程度の定期修理時に取り替える技術。通常は高炉の中に充填されている原材料を、所定の位置まで減らし、高炉を止めて再稼動する(減尺操業)技術と、高炉内に人が入らずにステーブを取り替える技術の開発により可能となった。
(2) 高炉炉底煉瓦侵食抑制
高炉の底部に配置されている煉瓦は、高温(約1,500℃)の溶融銑鉄(溶銑)により侵食され、取り替えることができない。このため、煉瓦の損耗量測定技術、高炉内の溶銑の流れ制御技術等により、煉瓦侵食の抑制を実現した。
(3) 熱風炉煉瓦の一部積み替え
高炉に高温(1,250℃)の熱風を送る熱風炉は第4高炉には3基設置されている。通常は3基で運転しているが、1基を止め、2基で高炉の操業を維持しつつ、一番損傷の早いセラミックバーナー部の煉瓦を短期間に積み替える技術を開発した。

この中で、稼動中高炉のステーブを短期間の定期修理時に取り替える技術に関しては、国内外鉄鋼他社にも技術供与・支援を行い、他社高炉の稼動日数延長にも大きく寄与している。

2.今後の見通し
今後、和歌山製鉄所 第4高炉は新第1高炉の稼動する2009年まで稼動する予定であり、最終的には稼動日数約10,000日(27.5年)となる見通しである。

以 上


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