当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針(買収防衛策)について

2006/04/06

  • 住友金属工業株式会社

当社は、平成18年4月6日に開催された取締役会において、所謂「平時導入の防衛策」として、特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20%以上とすることを目的とする当社株券等(注3)の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(いずれについてもあらかじめ当社取締役会が同意したものを除きます。以下、このような買付行為を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)に関する対応方針(以下、「本対応方針」といいます。)を決定しましたので、以下のとおりお知らせいたします。
なお、本対応方針を決定した当社取締役会には、社外監査役2名を含む当社監査役4名全員が出席し、本対応方針は当社株券等の大規模な買付に当ってのプロセスを定めるルールとして相当であると判断される旨の意見が表明されています。

注1:特定株主グループとは、(ⅰ)当社の株券等(証券取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第1項に規定する保有者をいい、同条第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。)、又は(ⅱ)当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所有価証券市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。)を意味し、以下同じとします。

注2:議決権割合とは、(ⅰ)特定株主グループが、注1の(ⅰ)の記載に該当する場合は、当社の株券等の保有者の株券等保有割合(証券取引法27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます。)も計算上考慮されるものとします。)、又は(ⅱ)特定株主グループが、注1の(ⅱ)の記載に該当する場合は、当社の株券等の買付け等を行う者及びその特別関係者の株券等所有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。)の合計をいい、以下同じとします。議決権割合の算出に当たっては、総議決権(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます。)及び発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます。)は、有価証券報告書、半期報告書及び自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとします。

注3:株券等とは、証券取引法第27条の23第1項に規定する株券等又は同法第27条の2第1項に規定する株券等のいずれかに該当するものを意味し、以下同じとします。

1.基本的な考え方
本日、当社は、世界の鉄鋼市場において、規模の拡大のみを追求するのではなく、質を重視した企業価値の持続的な向上を目標とした『中期経営計画 2006~2008』を公表いたしました。本経営計画の実行により、差別化の原動力となる顧客資産、人的資産、技術資産といった見えない資産を磨き、製鉄所をはじめとする物的資産及び金融資産を強化して、事業基盤をさらに磐石なものとし、ステークホルダーの皆様から「信頼される会社」を実現していきます。
当社取締役会は、大規模買付行為が開始された場合において、それを受け入れるかどうかは、最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであり、上記のような当社の経営方針とそれにより実現される企業価値をご理解いただいた上で、当社株主の皆様に、適切に判断いただくべきものであると考えます。そのためには、当該大規模買付行為の内容、当該大規模買付行為が当社及び当社グループに与える影響、大規模買付者が考える当社及び当社グループの経営方針や事業計画の内容、お客様、サプライヤー、従業員等の当社及び当社グループを取り巻く多くの利害関係者に対する影響、そして、当該大規模買付行為以外の提案(以下、「代替案」といいます。)の有無等について、大規模買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供され、かつ提供された情報を十分に検討するための期間と機会が確保されることが必要だと考えます。
当社取締役会は、このような基本的な考え方に立ち、大規模買付行為についての情報の収集、検討期間の確保、並びに代替案提示の機会の確保を目的として、以下のとおり、当社株式の大規模買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)を設定し、大規模買付者に対して大規模買付ルールの順守を求めることとしました。大規模買付者が大規模買付ルールを順守しない場合には、当社取締役会として一定の措置を講じる方針です。

2.大規模買付ルールの内容
当社取締役会としては、大規模買付行為が以下に定める大規模買付ルールに従って行われることが、当社株主全体の利益に合致すると考えます。この大規模買付ルールは、①大規模買付者は、大規模買付行為を開始する前に、当社取締役会に対して十分な情報を提供すること、②大規模買付者は、当該情報提供の後、当社取締役会による検討及び評価のため必要な一定の期間が経過した後に、大規模買付行為を開始すること、を内容とするものです。詳細は以下の通りです。また、ご参考のために、大規模買付行為が開始された場合のフローチャートを別紙1として添付しております。

(1)意向表明書の提出
大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、まず当社宛てに、大規模買付ルールに従う旨の意向表明書をご提出いただくこととします。意向表明書には、大規模買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先及び提案する大規模買付行為の概要を明示していただきます。大規模買付行為の提案があった場合には、当社は、適時開示に関する法令及び取引所の規則に従い開示します。

(2)情報の提供
次に、大規模買付者には、当社取締役会に対して、当社株主の皆様の判断及び取締役会としての意見形成のために十分な情報(以下、「大規模買付情報」といいます。)を提供していただきます。その項目の一部は以下のとおりです。
① 大規模買付者及びそのグループの概要
② 大規模買付行為の目的及び内容(特に、当社株式の一部のみの買付けの場合には、買付予定株式数の上限設定についての考え方やその後の資本構成の変更についての予定を含みます。)
③ 買付対価の算定根拠及び買付資金の裏付け
④ 大規模買付行為完了後に意図する当社及び当社グループの経営方針(事業計画(既存事業の再編計画、新規事業計画、設備投資計画を含みます。)、財務計画、資本政策、配当政策、労務政策、資産活用策等、その経営方針を具体的に実現するための施策に加え、大規模買付者自身の事業と当社及び当社グループの事業との統合・連携や、大規模買付者と当社及び当社グループとの間の利益相反を回避するための具体的な措置についての考え方を含みます。)
⑤ 大規模買付行為完了後に意図する当社及び当社グループのお客様、サプライヤー、地域社会、従業員その他の当社及び当社グループに係る利害関係者に関する方針
⑥ 大規模買付者が当社及び当社グループの事業と同種の事業を営んでいる場合、独占禁止法や海外競争法に照らした大規模買付行為の適法性についての考え方
当社は、上記(1)の意向表明書の受領後5営業日以内に、大規模買付者から提供していただくべき大規模買付情報のリストを大規模買付者に交付します。なお、当初提供していただいた情報だけでは大規模買付情報として不足していると考えられる場合、当社株主の皆様の判断並びに当社取締役会による検討、評価及び意見形成のため必要な範囲で追加的に情報提供を求めることがあります。当社取締役会に提供された大規模買付情報は、当社株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、適切と判断する時点で、その全部又は一部を開示します。なお、当社取締役会が大規模買付情報の提供が完了したと判断した場合には、適時開示に関する法令及び取引所の規則に従い開示します。

(3)検討期間の確保
次に、当社取締役会は、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付情報の提供が完了した後、60営業日(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付の場合)又は90営業日(その他の大規模買付行為の場合)を取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下、「取締役会評価期間」といいます。)として与えられるべきものと考えます。大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後にのみ開始されるものとします。このように取締役会評価期間を60又は90営業日とし、暦日とするのに比べて長い期間としているのは、当社が、長年にわたり築かれた信頼関係のある大口のお客様やサプライヤーを有すること、新日本製鐵株式会社や株式会社神戸製鋼所等と様々な提携関係にあること、また製鉄所等の所在する地域の経済に当社の動向が大きな影響を与えること等から、大規模買付行為がこれらに与える影響について当社の企業価値の観点から慎重に検討する必要があるためです。取締役会評価期間中、当社取締役会は、弁護士、会計士、フィナンシャル・アドバイザー等の外部専門家の助言を受けながら、提供された大規模買付情報を十分に評価・検討し、取締役会としての意見をとりまとめ、開示します。また、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として株主の皆様へ代替案を提示することもあります。

3.大規模買付ルールが順守されなかった場合の対抗措置
大規模買付者によって大規模買付ルールが順守されない場合には、当社取締役会は、当社株主全体の利益の保護を目的として、新株予約権の発行等、商法(会社法施行後は会社法)その他の法律及び当社定款が取締役会の権限として認めている措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。具体的な対抗措置については、その時点で相当と認められるものを選択することとなります。具体的対抗措置として株主割当により新株予約権を発行する場合の概要は別紙2記載のとおりですが、実際に新株予約権を発行する場合には、本対応方針の発効日以降に議決権割合が一定割合以上となった特定株主グループに属さないことなどを新株予約権の行使条件とすることを含め、対抗措置としての効果を勘案した行使期間及び行使条件等を設けることがあります。また、新株予約権を対抗措置として発行する場合に備え、当社は、本日付で新株予約権の発行登録を行います。
大規模買付ルールは、当社の経営に影響力を持ち得る規模の当社株式の買付行為について、当社株主全体の利益を保護するという観点から、当社株主の皆様に、このような買付行為を受け入れるかどうかの判断のために必要な情報や、現に経営を担っている当社取締役会の評価意見を提供し、そのために必要な期間を確保し、さらには、代替案の提示を受ける機会を保証することを目的とするものです。大規模買付ルールは、それが大規模買付者によって順守されている場合には、当社取締役会の判断のみで大規模買付行為を阻止しようとするものではありません。今回の大規模買付ルールの設定及びそのルールが順守されなかった場合の対抗措置は、当社株主全体の正当な利益を保護するための相当かつ適切な対応であると考えます。他方、このような対抗措置により、結果的に、大規模買付ルールを順守しない大規模買付者に経済的損害を含む何らかの不利益を発生させる可能性があります。大規模買付ルールを無視して大規模買付行為を開始することのないように予め注意を喚起いたします。

4.株主・投資家に与える影響等
(1)大規模買付ルールの影響等
大規模買付ルールは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、そのために必要な期間を確保し、さらには、当社株主の皆様が代替案の提示を受ける機会を保証することを目的としています。これにより、当社株主の皆様は、十分な情報のもとで、大規模買付行為に応じるか否かについて適切な判断をすることが可能となり、そのことが当社株主全体の利益の保護につながるものと考えます。従いまして、大規模買付ルールの設定は、当社株主及び投資家の皆様が適切な投資判断を行う前提として適切なものであり、当社株主及び投資家の皆様の利益に資するものであると考えております。
なお、上記3.において述べたとおり、大規模買付者が大規模買付ルールを順守するか否かにより大規模買付行為に対する当社の対応方針が異なりますので、当社株主及び投資家の皆様におかれましては、大規模買付者の動向にご注意ください。

(2)対抗措置発動時の影響等
大規模買付者が大規模買付ルールを順守しなかった場合には、当社取締役会は、当社及び当社株主全体の利益を守ることを目的として、商法(会社法施行後は会社法)その他の法律及び当社定款により認められている対抗措置をとることがありますが、当該対抗措置の仕組上、当社株主の皆様(大規模買付ルールに違反した大規模買付者を除きます。)が法的権利又は経済的側面において格別の損失を被るような事態が生じることは想定しておりません。当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、適時開示に関する法令及び証券取引所規則に従い開示します。
なお、対抗措置として考えられるもののうち、新株予約権の発行につきましては、その発行の態様により、新株予約権を取得するために所定の期間内に申込みをしていただく、又は新株予約権の行使により株式を取得するために一定の金額の払込みをしていただく必要がある場合があります。かかる手続きの詳細につきましては、実際に新株予約権を発行することになった際に、法令に基づき別途お知らせいたします。但し、名義書換未了の当社株主の皆様に関しましては、新株予約権を取得するため、別途当社取締役会が決定し公告する新株予約権の割当期日までに、名義書換を完了していただく必要があります。

5.本対応方針の発効日及び有効期限
本対応方針は、本年4月6日に開催された当社取締役会の決議をもって同日付けで効力を生じることとし、平成21年に開催される当社定時株主総会後に最初に開催される取締役会の終了時点まで有効であるものとします。ただし、本年6月に開催される当社定時株主総会(以下、「本定時株主総会」といいます。)において本対応方針の概要について株主の皆様の意思を問う予定であり、本定時株主総会で出席株主の皆様の議決権の過半数のご賛同を得られなかった場合には、本定時株主総会終了後速やかに本対応方針を廃止いたします。
また、当社は、本対応方針の有効期間中であっても、会社法を含めた関係法令の整備等を踏まえ、かつ『中期経営計画 2006~2008』の進捗状況も勘案しつつ、当社株主全体の利益の観点から本対応方針を随時見直し、場合によっては、取締役会の決議により必要に応じて本対応方針を廃止又は変更することがあります。当社は、本定時株主総会において全取締役の任期を1年とする定款変更議案をお諮りする予定であり、この議案が承認された場合には、取締役は、毎年の定時株主総会で選任される体制になります。本対応方針の概要が本定時株主総会で出席株主の皆様の議決権の過半数のご賛同を得られた場合には、本対応方針の廃止又は変更は、毎年の株主総会において株主の皆様により選任された取締役によって構成される取締役会において決せられることになります。本対応方針が廃止又は変更された場合には、当該廃止又は変更の事実及び(変更の場合には)その内容その他当社取締役会が適切と判断する事項について、速やかに情報を開示いたします。

以 上

 

<大規模買付行為が開始された場合のフローチャート>

(注)上記フローチャートは、「大規模買付ルール」に対する理解を容易にすることを目的とした参考資料であり、

ルールの詳細については、本文をご参照ください。


<株主割当により新株予約権を発行する場合の概要>

1. 新株予約権付与の対象となる株主及びその発行条件

取締役会で定める割当期日における最終の株主名簿又は実質株主名簿に記載又は記録された株主に対し、その所有する当社普通株式(ただし、当社の有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新株予約権を割当てる。なお、会社法施行後は、普通株式を有する株主に新株予約権の割当を受ける権利を与えて募集新株予約権を引き受ける者の募集を行う場合と、新株予約権の無償割当を行う場合とがありうる。

2. 新株予約権の目的となる株式の種類及び数

新株予約権の目的となる株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は1株を上限として取締役会が別途定める数とする。但し、当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、所要の調整を行うものとする。

3. 発行する新株予約権の総数

新株予約権の割当総数は、取締役会が別途定める数とする。取締役会は、複数回にわたり新株予約権の割当を行うことがある。

4. 各新株予約権の発行価額

無償とする。

5. 各新株予約権の行使に際して払込みをなすべき額

各新株予約権の行使に際して払込みをなすべき額は1円以上で取締役会が定める額とする。

6. 新株予約権の譲渡制限

新株予約権の譲渡については、取締役会の承認を要するものとする。

7. 新株予約権の行使条件

取締役会において別途定めるものとする。大規模買付者を含む特定株主グループに属するものなどに行使を認めないこと等を新株予約権行使の条件として定めることがある。

8. 新株予約権の行使期間等

新株予約権の行使期間、消却事由及び消却条件(会社法施行後にあっては、取得事由及び取得条件)その他必要な事項については、取締役会にて別途定めるものとする。なお、会社法施行後にあっては、上記7の行使条件のため新株予約権の行使が認められない予約権者以外の者が有する未行使の新株予約権を当社が取得し、新株予約権1個につき、1株を上限として取締役が別途定める数の当社普通株式を交付することができる旨の条項を定めることがある。

以 上


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