トヨタ自動車株式会社殿から技術開発で3年連続表彰

2006/03/03

  • 住友金属工業株式会社

当社は、さる2月24日に開催された「2006年トヨタグローバル仕入先総会」の席上、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)殿から、高炉メーカーとして唯一かつ3年連続となる「技術開発賞」を受賞した。今回の受賞は、トヨタ殿と共同開発した「GA鋼板における表面摺動性評価法-Dr.STAMP法-」技術(*)に対するものである。

当社は、2003年度には、トヨタ殿、豊田鉃工株式会社(以下、豊田鉃工)殿と共同開発した「熱間プレス技術」が、「Prius」のセンターピラーに軽量化、衝突安全性能確保を目的として日本初採用され、2004年度には、豊田鉃工殿と共同開発した、従来品に比べ2倍以上の衝突性能を持つ世界で最も高性能な衝突エネルギーを吸収する部材「高効率クラッシュボックス」を実用化し、「Vitz」に採用され、2年連続となる「技術開発賞」を受賞してきた。

これまで受賞した技術開発が自動車の衝突安全性能向上、リペアビリティー(修繕性)性能向上と新部品開発であるのに対して、今回受賞した「GA鋼板における表面摺性評価法-Dr.STAMP法-」技術は、自動車生産ラインの一つであるプレスラインにおいて、GA鋼板の加工割れによる品質不良原因を「見える化」させる技術であり、プレスでのGA鋼板の加工割れを事前に検出することで、次工程への流出防止に効果を発揮し、トヨタ殿の世界生産能力向上、現地調達推進のde facto standard(世界標準)化づくりに大いに貢献したことが評価された。

尚、当社は、トヨタ殿から品質管理の分野においても、高炉メーカーとして唯一となる「品質管理優良賞」を併せて受賞した。今回の受賞は、2001・2002年度の「品質管理優良賞」、2003・2004年度の「品質管理優秀賞」に続くものであり、「LEXUS」ブランドの誕生によって一層厳しくなっているトヨタ殿の品質管理の分野において、5年連続の受賞となった。


<感謝状と盾>

(*)「GA鋼板における表面摺動性評価法-Dr.STAMP法-」技術について

当社は、トヨタ殿と共同で、自動車ボディーの防錆鋼板として最も多用されているGA鋼板(合金化溶融亜鉛めっき鋼板)のプレスでの加工割れを未然に把握し、精度良く防止できる、簡便で非常に画期的な管理法を開発した。
プレス加工割れは自動車メーカーの生産効率を低下させコストアップ要因となるため、長年各社がこれを未然に防止する技術の開発に取り組んできた。プレスでの加工割れの要因は様々あるが、従来は鋼板の機械的特性値が良い材料を使用するしか決め手がなく、材料コストの上昇を容認せざるを得なかった。
当社は、トヨタ殿と共同で、鋼板の機械的特性値以外にGA鋼板表面の摺動性(すべりやすさ) が成形加工性に影響することを見出し、GA鋼板の摺動性を簡便な方法で測定することにより、材料のプレス加工適性を評価し、加工割れを未然に防止する技術を開発し、実用化した。
この方法は汎用の小型試験機が使用でき、評価に熟練度も必要ないことから、自動車メーカーのプレス現場での鋼板受け入れ検査にも適用可能で、自動車メーカーの海外生産でのトラブル回避などでも効果を発揮している。

以 上


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