国内初 屋外家電・器物用 環境対応型高耐食性塗装鋼板を開発 三菱電機製エアコン霧ヶ峰に採用

2005/10/31

  • 住友金属工業株式会社
    住友金属建材株式会社

住友金属工業株式会社(社長:友野 宏、本社:大阪市、以下、住友金属)と住友金属建材株式会社(社長:重松 麓、本社:尼崎市、以下、住友金属建材)は、エアコン室外機などの高耐食性が要求される屋外家電・器物に適した、クロムを全く含まない環境対応型高耐食塗装鋼板を日本で初めて開発した。
本開発鋼板は、今般、三菱電機株式会社殿(以下、三菱電機殿)製のエアコン霧ヶ峰2005年モデルの室外機の筐体へ採用された。

1.開発の経緯
塗装鋼板は、需要家先における塗装工程省略やVOC(揮発性有機化合物)低減のため適用が拡大しているが、屋外家電・器物では、過酷な耐食性要求のため実用化例は少なかった。耐食性を高めるため塗膜に六価クロムを含有する防錆剤を使用し、切断加工によって露出した鋼板の腐食を防いでおり、これまで、クロムを含まない防錆剤で耐食性を確保することは、困難であると考えられていた。
しかしながら、環境面においては、人に優しい素材への要求、例えば六価クロムなどを規制するRoHS指令(*)適合が求められていることから、このような環境対応課題に対応するため、住友金属と住友金属建材では、クロムを全く含まない塗装鋼板の開発にいち早く着手し、長期屋外暴露試験や実際に使用される環境を想定した種々の耐食性試験を行い、クロム含有系に匹敵する耐食性を有するクロムフリー塗装鋼板を開発した。
このたび、三菱電機殿にて環境対応ならびに屋外用途の性能が認められて、エアコン霧ヶ峰2005年モデル室外機の筐体に採用され、量産されている。

2.塗装鋼板の商品名
「住友のハイコートNEO(高耐食型)」

3.今後の展開
「住友のハイコート・高耐食型」は、クロムを全く使用せずに屋外での耐食性を確保し、RoHS指令適合商品であることから、エアコン室外機の筐体の他、家電・器物全般への適用拡大が期待できる。住友金属グループでは、今後とも、環境に配慮した新商品開発を強化していく。

<用語解説>
(*)RoHS指令:
EU(欧州連合)による電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する指令。平成18年7月1日から市場に投入される新しい電気電子機器が、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、特定臭素系難燃剤(PBB、PBDE)を含むことを禁止している。

以 上


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