自動車業界専用の品質保証国際規格ISO/TS16949:2002認証を2事業所(鹿島製鉄所・製鋼所)で取得

2005/10/06

  • 住友金属工業株式会社

当社は、この程、自動車業界専用の品質保証国際規格であるISO/TS16949:2002(以下、TS2)認証を鹿島製鉄所(薄板分野)・製鋼所(鍛造クランクシャフト分野)で取得した。尚、鍛造クランクシャフトでは、国内初のTS2認証取得となる。

1.TS2認証取得の背景
TS2は、ISO9001:2000をベースに、自動車業界の固有要求事項を加えた品質保証国際規格である。従来、自動車業界の品質保証国際規格としては、米国のBIG3が策定したQS-9000、及び欧州の3規格(独:VDA6、仏:EAQF、伊:AVSQ)があるが、TS2はこれらの国、地域別規格を統一したグローバルな自動車業界専用の規格である。当社は、製鋼所で平成9年にQS-9000認証を国内の鋳鍛鋼メーカーで初めて取得、また鹿島製鉄所でも平成10年にQS-9000認証を取得し、自動車業界向け製品の品質向上に取り組んできた。QS-9000は来年末に廃止が決定していることから、当社では、その後継規格の位置付けとなるTS2認証取得を目指していた。TS2はQS-9000と比較しても顧客満足、継続的改善、顧客固有要求事項に重点を置いた規格となっている。また、認証の外部審査においても顧客固有の要求事項に対する適合性まで審査されることから、顧客による第二者審査に極めて近いという特徴を持っている。尚、TS2認証取得に当たり、審査は米国SRI Quality System Registrar社(以下、SRI社)に依頼し、実施された。SRI社は、米国を中心に多数の鉄鋼メーカーの認証を行っており、当社のISO9001審査を担当している日本検査キューエイ株式会社とも関係が深い。

2.鹿島製鉄所(薄板分野)
鹿島製鉄所では、従来から顧客に最高品質の製品を提供するという「品質最優先」の取り組みを行ってきた。特に自動車用鋼板については、「鋼板品質№1」を目指し、品質巡回班による顧客への巡回活動を中心に、製鉄所、営業部門、研究部門など全社で品質情報を一元化し、「お客様品質クイック改善」活動を進めると同時に、より使いやすい鋼板づくりの一環として、薄鋼板製造プロセスでのバラツキを抑制する技術開発等に取り組み、結果、自動車会社各社から品質管理の分野で数多くの表彰をいただいている。今回のTS2認証取得により、さらなる品質管理システムのレベルアップを実現し、品質改善等の活動を継続して、より一層の顧客満足度の向上を図っていく。

3.製鋼所(鍛造クランクシャフト分野)
製鋼所では、高出力、高級車向け鍛造クランクシャフトを製造しており、顧客からの厳しい品質要求をクリアするために、技術開発、改善活動、品質管理を強化してきた。今回のTS2認証取得で、製品品質や継続的改善活動により、顧客満足度をさらに向上させるとともに、海外新規顧客の要求にも対応できる品質管理、品質保証体制を確立した。製鋼所の鍛造クランクシャフト事業は、全世界の自動車用クランクシャフト市場の10%生産を目標とする経営戦略「グローバル10」を掲げており、今回のTS2認証取得により、今後、グローバルサプライヤーとして、その成長をますます加速させていく。

以 上


このページの上部へ

ここからフッター情報です